選ばれ続ける園・施設づくりで子育て世帯を支援 JPホールディングスが新展開する保育・育成事業

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STEAMS保育とバイリンガル保育園のイメージ
子どもたちの可能性の芽を育てていくために、STEAMS保育やバイリンガル保育園を展開している

幼児学習プログラムを拡充し生きる力を育む

――全国で保育園・学童クラブ・児童館を運営する最大手(※)子育て支援企業として、歯止めが利かない少子化をどのように見ていますか。

坂井 子育ての大変さを憂いて、産まない選択をする人が多いことが一因だと思っています。2023年4月にはこども家庭庁が設置され、少子化対策や子育て支援策などの拡充が図られると期待しています。しかしこの問題は国だけではなく、企業を含め社会全体で取り組むべきです。

JPホールディングス 代表取締役社長 坂井 徹
JPホールディングス 代表取締役社長
坂井 徹 Tohru SAKAI
早稲田大学大学院修了。1996年に米国企業に入社。2001年、アトリウム入社。17年、マザーケアジャパン創業、代表取締役。18年JPホールディングス取締役。19年に専務取締役。20年より代表取締役社長

世の中はアイデアと情熱と少しの投資で大きく変えることができます。われわれはこれまでに、子育て支援の重要性を理解する企業と協働して、さまざまな子育て支援サービスの開発・提供を行ってきました。これからもさまざまな業種の企業に働きかけ、ともに少子化社会を安心して子育てできる環境へ変えていきたいと思っています。

――総合的な子育て支援サービスを展開する中で、どのようなことに力を入れていますか。

坂井 0〜5歳の乳児期・幼児期、6〜12歳の学童期を通じてどういう能力を子どもたちに育んでもらうのか、保護者の皆様の子育て負担をいかに軽減するかという視点で事業戦略を展開しています。

――保育・育成事業における具体的な施策は?

坂井 私たちの乳幼児期の保育理念は「未来(あす)を生きる力を培う」、学童期の育成理念は「なりたい自分になる力を育む」です。子どもたちがどのような能力や可能性を持っているのか、早い段階では誰にもわかりません。子どもたちがどういうことに興味・関心を持っているのか、その可能性の芽を発見し、育てていくことが重要です。子どもたちに夢と希望を持ち育ってもらうために、広い視野と多角的な視点を持って自分の可能性を広げてもらいたい。そのためにSTEAMS保育(Science、Technology、Engineering、Art、Mathematics、Sports)を現在41園で試験的に行っており、23年度から本格的に導入予定です。

加えて以前から実施している英語、体操、リトミック、ダンスといった幼児学習プログラムの拡充を図ると同時に、首都圏3カ所で英語教育に特化した「バイリンガル保育園」を開設する予定。ネイティブ講師と日常的に英語に触れられる環境を提供していきます。

新規事業を展開し子育て負担を軽減

――保護者向けにはどのような施策・新サービスを進めていますか。

坂井 地域の子育て支援拠点として、子育ての不安や負担を軽減、解消する取り組みを実践しています。例えば、子どもの有無にかかわらず、地域の若い世代向けに子ども・育児に関する悩みに保育士や栄養士が答えたり、保育所体験ができたりする「マイ保育園制度」を設けています。

また、園生活で必要な備品類、いわゆる入園用品や学習セット、寝具などを園側で用意する「手ぶら保育」を推進しています。一部の園で試行中のおむつのサブスクリプションも、23年度から全園で展開予定です。

さらに、年2回の保護者アンケートでつねに上位入りする「日々の夕食準備が大変」という困り事に対応すべく、保育園で提供している栄養バランスに優れた給食を商品化し、保護者の皆様に販売するフード事業を開始します。

――ICTも積極的に活用しているそうですね。

坂井 すべての園・施設にデジタル機器を設置し、バーチャル園見学や、国内外の園・施設をつないだオンラインイベントなどを実施しています。

新たな事業の柱として、子育て支援プラットフォーム「コドメル」の運営も始めました。第一弾として、会員同士がベビー用品や衣料品などの子育て関連用品を出品・購入するリユース・マッチングサービスや、子育て関連情報を提供しています。おかげさまで、育児支援情報サービスを展開する「パパスマイル」が主催する「ベビーテックアワード2022」の保護者支援サービス部門において大賞を受賞しました。今後は段階的にサービス・機能を拡充し、国内だけではなく海外も視野に入れて現在のCtoCからBtoC、BtoBへの展開を計画しています。

――23年に創業30周年を迎えます。

坂井 節目の年である23年を、さらなる飛躍を遂げる変革の年と位置づけています。多忙を極める保護者の皆様や子どもたちの将来の姿に思いをはせながら、子育て支援および発達支援を含めた保育・育成の質的向上とともに、既存事業の枠組みを超えた多角的な展開を図ります。例えばグループ内で行っている年間300以上の研修会・講習会や給食事業などの同業の他事業者との業務提携や、30年かけて培ってきた保育・育成の知見を国内にとどまらず海外で展開することを検討中です。

少子化社会においても、保護者・地域の皆様に愛され「選ばれ続ける園・施設」となれば、子育て支援事業は持続的成長が可能です。これからも業界のリーディングカンパニーとして、コーポレートメッセージである「すべてはこどもたちの笑顔のために」の実現を目指していきます。

※日経MJ2022年10月26日「第40回サービス業調査」保育サービス部門で売上高1位