強い当事者意識と柔軟な発想で
顧客起点を貫くビジネスモデル
大和ハウス工業
オーダーメードで
事業スキームを構築
大和ハウス工業が開発に参画したベトナム・ホーチミン市近郊のロンドウック工業団地が好調だ。2013年夏の竣工以来、日系企業20社以上が進出している。「工場建設の施工体制などが高く評価され、現地での建築請負のご相談も増えています」と語るのは大和ハウス工業の浦川竜哉常務執行役員。「実は、ベトナム国内で現在施工中の工事件数ベースでは、私どもが日系ゼネコンの中でトップクラスとなっています」と続ける。
インドネシアでもジャカルタ市近郊にてダイワ・マヌンガル工業団地の開発に着手。東南アジアのマーケットを見据えた日系企業に成長戦略の舞台を提供している。ベトナム、インドネシアを訪れる機会が増えた浦川氏だが、国内各地のさまざまな顧客からも切れ目なく相談が寄せられている。主役は物流施設だ。
「海外の工場、国内の物流」。誤解を恐れずに言えば、大和ハウス工業の建築事業が描く成長戦略は、このフレーズに集約できるだろう。「通販市場の拡大、『中食』と言われるようなお惣菜などへのニーズの高まり、BCP(事業継続計画)や環境を意識した物流施設の高機能化、高付加価値化など、ライフスタイルと経営環境の変化が新たな物流のカタチを要請しているのではないでしょうか」と浦川氏。事実、大和ハウス工業の物流トータルソリューション「Dプロジェクト」の実績が急ピッチで増え続けている。
浦川氏は続ける。
「たとえば、私どもが土地や建物を所有することでお客様の初期投資を抑えるノンアセット型、あるいはお客様の要望に沿った物流施設を建築して運営会社に仲介する賃貸事業型など、Dプロジェクトはお客様のご要望や条件に応じてオーダーメードで事業スキームをゼロベースから組み立てることができるのです」