「社員が自ら学ぶ機会」の提供が企業の強さになる 多くの企業から選ばれる「GLOBIS 学び放題」

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組織が持続的な成長を続けるためには、社員一人ひとりの力を高めていくことが必須だ。ただし、企業の経営環境は刻々と変化し、先が見えにくい時代になっている。こうした中では、これまでのように、社歴や職種に応じた一律的な研修では、変化に対応できる人材を育成することは難しい。最近になって注目されているのは、オンライン教育などを利用し、社員が必要とするタイミングで、必要な学びの機会を提供する手法だ。キャリア形成も含め社員が自律的に学ぶ風土も醸成されるという。

変化の時代には社員一人ひとりの力が重要に

コロナ禍、カーボンニュートラル、SDGs(持続可能な開発目標)、ESG(環境・社会・企業統治)など、企業が取り組まなければならない課題が年々増している。

グロービス・デジタル・プラットフォーム・マネジング・ディレクター 鳥潟幸志 氏
グロービス・デジタル・ プラットフォーム
マネジング・ディレクター
鳥潟 幸志氏

グロービスのマネジング・ディレクター鳥潟幸志氏は「VUCA(ブーカ:変動性・不確実性・複雑性・曖昧性)の時代といわれるように、将来予測が非常に難しくなっています。産業構造を変えるような大きな変化も起きています。自社はどう生き残っていくのか、対応力が求められます」と指摘する。

グロービスは学校法人としての「グロービス経営大学院」および、株式会社立のスクール「グロービス・マネジメント・スクール」などを展開している。鳥潟氏は、自身でも「グロービス経営大学院」の講師などを行う一方で、定額制動画学習サービス「GLOBIS 学び放題」の事業リーダーも務める。

刻々と変化する市場環境に対応するために、企業にはどのような取り組みが求められているのか。「高度経済成長期には、全社一丸となって同じ製品・サービスをつくっていれば自社も成長することができました。また将来をある程度予測できた一昔前までは、一部の経営リーダーが戦略・計画を立案し、現場はその計画に沿って行動すればよかったのですが、これからは、現場の一人ひとりが市場や顧客の変化を捉え、自発的に製品やサービスを改良していくことが大切になります」。

職種にかかわらず経営的な視点が不可欠に

デジタル化の進展に伴い、社員のリスキリング(学び直し)に取り組む企業も増えている。AI、プログラミング、さらには、Web3.0、メタバース(仮想空間)など、新しいトピックを学ぶプログラムを提供している企業もある。

「『GLOBIS 学び放題』でもこれらのコンテンツを用意しています。さらに私たちがお勧めしているのは、逆に、生産現場のエンジニアや設計・デザイナーの方などが、『思考・コミュニケーション』『経営戦略・マーケティング』『組織マネジメント・リーダーシップ』などを学ぶことです。これらの知識を身に付けることで、経営的な視点を持ち、より幅広い提案ができるようになります」と鳥潟氏は語る。

「グロービス学び放題」のPC・スマホでの画面例
受講者の成長を後押しする、充実の管理機能や受講者用アプリも用意

ものづくりの現場の社員も含めて、多くの社員がこれらの知識を習得し共通言語で語ることができるようになれば、次の製品・サービス創出のスピードも増すに違いない。

加えて、鳥潟氏は「『最先端の知見』(テクノロジーをはじめとする時代に即した学び)と『普遍的な知見』(思考やヒト・モノ・カネのビジネスナレッジ)の双方をバランスよく学習することが大切」だと強調する。

どういうことか。「どれだけデジタルテクノロジーを駆使しても、顧客が満足しなければ売上増にはつながりません。収益を担保できるビジネスプロセスを構築しなければ、利益も上がらないのです。一方、組織そのものが、従業員が満足しながら仕事ができる環境を整えなければ、永続的な発展は望めません。私どものプログラムでは、最先端と普遍的な知見の双方を学べるようなラインナップとなっています」。

こうした学びによって、受講者は1つの「強み」を得ることにもつながるだろう。鳥潟氏は続ける。「例えば、所属する企業の事業環境が大きく変化したとしても、その変化に対応することができるのではないでしょうか」。

しかし、受講する本人が受動的な姿勢では、学びも継続できないだろう。「自律的に学び続けるためには、内発的な動機づけが欠かせません。キャリアを自律的に描く重要性や学ぶ目的を言語化するような積極的な働きかけをしていくことが大切です」。

「GLOBIS 学び放題」が多くの企業から選ばれる理由

コロナ禍は企業における教育のあり方も大きく変えた。従来なら集合で行っていた研修をオンラインで行う企業が増えている。グロービスが提供する定額制動画学習サービス「GLOBIS 学び放題」も会員数が急増しているという。

「2020年1月に6万1000人だった有効会員数は、21年1月時点で13万人、22年1月時点で21万人に増加しました。導入企業数も中堅企業から大手まで、3000社を超えています」と鳥潟氏は紹介するが、単に「コロナ特需」とは捉えていないという。

「導入企業の中には日本の各産業を代表するようなエンタープライズ企業も多く、『GLOBIS 学び放題』採用の可否に対する判断も厳しく行われます」。最近になって、オンラインでの教育サービスも数多く登場している。その中で「GLOBIS 学び放題」が選ばれている理由はどこにあるのか。

「『グロービス経営大学院』や『グロービス・マネジメント・スクール』、出版事業などで培ってきた豊富な知見には自信を持っています」

その内容も充実している。コンテンツは思考・コミュニケーション、経営戦略・マーケティング、組織マネジメント・リーダーシップなどのカテゴリーに分けられ、その数は900コース・6000本を超えている。普遍的な原理原則からトレンドまで網羅し、初級・中級・実践知・知見録Premiumと、レベルを選んで学べるのも大きな特長だ。

「ただし」と鳥潟氏は加える。「コンテンツが豊富であることは大事ですが、講師が話している様子を切り取っただけの動画がアップされるというのでは、会員の方もどれを見ればいいのか迷ってしまうでしょう。『GLOBIS 学び放題』の特長は、初級から実践レベルまで体系的に学ぶことができるようになっていることです。将来の『なりたい自分』をイメージした計画的な学びが可能です」。

コンテンツ制作の専門部隊が内容を吟味

「コンテンツの質にはこだわりがあります」と鳥潟氏は胸を張る。単にキャッチフレーズとして掲げているだけでなく、実際に「質」をブラッシュアップするための取り組みを日々進めているという。

「『GLOBIS 学び放題』では、コンテンツを制作する専門部隊があり、絵コンテの台本作りから、講師の一言一句まで吟味します」。そのうえで、わかりにくい用語などがあれば、言い換えたり、解説を付けたりするという。図版やイラストなどもどのような表現が最適かを検討する。「動画が1本3分程度と短くなっているのは、気軽に始められ、続けやすくするためです。さらにすべての動画で、離脱があったとすればどのタイミングだったのか、受講者の評価はどうだったのかを記録しており、課題があれば改善しています」。講義の途中にクイズやテストを挿入することで離脱を防ぐといった細かな工夫も凝らしているという。社員の学習ペースが落ちることは、どの企業にとっても課題だが、「GLOBIS 学び放題」はそれを防ぐためのノウハウを生かしたコンテンツ作りを行っているわけだ。

「『GLOBIS 学び放題』の履修内容を社員の登用や異動などのタレントマネジメントに生かしたいというご相談も増えています。企業の人材戦略の実現に向けて、さらにコンテンツの拡充、学習の継続や効果につながる活用方法の提案を行っていきたいと考えています」と鳥潟氏は語る。

昨今、注目されている「学ぶ風土」が醸成されることにもつながりそうだ。

 ヤフー流“自律的な学び”が加速!“学び合い”の風土が醸成される

ヤフーでは2022年4月から、人事制度「どこでもオフィス」を拡充し、日本全国どこでも居住が可能になった。リモートワークが主体となる中、社員の自律的な学びを促進するための施策として導入したのが「GLOBIS 学び放題」だ。

「GLOBIS 学び放題」を選んだ理由は、経営環境がつねに変化する中では、全社員に向けた一律の研修を設計するのではなく、おのおのの社員が求めるタイミングで質の高いコンテンツを学べるプラットフォームをつくることが重要と考えたからだという。そのこともあって、21年11月からの6カ月プラン受講に当たっては、会社からの強制ではなく、受講者に自律的に学んでもらうようにした。全社員を対象に公募を行ったところ、約2000名(全社員の4分の1)が応募した。

受講を促進するために、開講に当たって受講者には「利用宣言」という形で、学習計画を立ててもらった。「GLOBIS 学び放題」のカテゴリーからとくに注力したい分野を選び、その理由や自分自身の現在の課題、半年間のゴールイメージとともに記載するものだ。

ヤフーならではの動きもある。受講者からの自発的な提案で、社内のコミュニケーションツールを使った学びのグループがつくられている。開講3カ月後には約600名が参加するまでになった。コミュニティー内ではお勧め動画の共有や学びの質問・相談が行われている。今のところ人事から何らかの働きかけはとくに実施しておらず、受講者が主体となって活性化に向けて試行錯誤している。「GLOBIS 学び放題」のコンテンツを自部門で視聴し、交流会を開催することを検討している部門もある。「GLOBIS 学び放題」をきっかけとして、リモートワーク環境下においても自然発生的にこういった社員交流が生まれているのは注目に値する。

同社では今後、「GLOBIS 学び放題」のコンテンツと各人材育成施策を有機的に機能させる仕組みをつくることも検討しているという。