新規事業に法務が加わる計り知れないメリット 時代が求める“クリエイティブな法務”とは

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「法務はコスト部門」そんな考え方は、今や時代遅れになりつつあるようだ。変化の激しい現代において、法令や倫理観の定まらない分野でビジネスチャンスを開くには、法務担当者は重要な先導役となりうる。そんなトレンドにおいて注目したいのが『法務のDX』だ。ある企業の実例を踏まえながら、新規事業に法務が参画する計り知れないメリットと、それを可能にするソリューションにフォーカスした。

チャンスメーカーとしての法務の存在

新規事業に法務担当が参画することで、具体的にどんなメリットがあるのだろう。法務ソリューションサービスを提供するレクシスネクシス・ジャパンの松田雅仁氏はこう話す。

レクシスネクシス・ジャパン松田雅仁氏
レクシスネクシス・ジャパン
マーケティング部
松田 雅仁 氏

「事業の“川上”から関与して問題の芽を摘むことで、コストを大幅に抑えられる点は法務が関与する大きなメリットと言えるでしょう。例えば、新製品の発売においてコンプライアンス的な問題が判明したら、リコールにより莫大なコストがかかります。法務担当が事業計画の初期段階からディスカッションに入り、コンプライアンスを満たすよう企画段階から調整していれば、そのリコールのコストはまるまる抑えられることになるわけです。

また法務担当が事業に参画することで、法規的に踏み込めるかどうかの明確なボーダーラインを設定することができます。粒度の高い判断を行えるようになり、ビジネスチャンスをものにする確率は大幅に高まるでしょう」

ビジネス環境がすさまじいスピードで変化する現代において、法律に基づいたルール整備が追いついていない分野を上げればきりがない。そうした流れに伴って、法務担当が事業計画に参画することのメリットは、日増しに高まっている。

ただ法務担当が事業計画のディスカッションに入ろうにも、日々の業務で手いっぱいで、そこまで手が回らないケースが多い。そんな中で大きな選択肢の1つとなるのが、法務ソリューションである。以下では、実際にソリューションの活用で、事業における法務のプレゼンスを高めたコロプラの実例を紹介する。

法務が事業を「ブースト」させる

コロプラでは、ネット検索や法律事務所からのニュースレターの情報収集業務などに法務の労力を取られ、その精査や評価、対応策の検討といったところになかなか十分なリソースが割けていなかった。

そこで同社が導入したのが、レクシスネクシス・ジャパンが提供するソリューション「LexisNexis® ASONE法政策情報(以下、ASONE法政策情報)とエデュケーション」だった。ASONE法政策情報は法規制に関するデータベースサービスで、官報や官公庁Webサイトなどさまざまなソースに散らばる法規制とその改正情報などを、網羅的に収録する。

LexisNexis® ASONE画面イメージ

コロプラの法務担当者はこう話す。

「法務情報が登録した分野に絞り込まれてアラート配信されるので、必要な情報を抜け漏れなくモニタリングできます。法務・コンプライアンスに関する学習コンテンツもあるため、定期的にチェックすることで法的知見の陳腐化を防げている点も有用です。

同サービスを導入したことで法務業務が効率化され、私たち法務担当がコンプライアンス対策の議論や、法務の知見を踏まえたうえでの提案など、より『クリエイティブな業務』に時間を割けるようになりました」(コロプラ法務担当者)

事業と法務の関係性について、改めて松田氏はこう話す。

「自社の事業内容や立ち位置、ミッションなどを理解したうえで、そこに法務的な見地を交えて提案、アドバイスを行う。現代の事業経営で求められるのはそんな法務のあり方であり、それでこそ法務の価値を最大化できます。当社のソリューションで、ぜひそれを実現するお手伝いをしたいです」(松田氏)

法務はコストではなく、事業をブーストさせる存在であると松田氏は語る。新規事業に欠かせない存在となりつつある法務。その意識を持つことの重要性が、いよいよ増している昨今だ。