カード会社が「経理業務を総合コンサル」できる訳 「支払いも請求も」経理の全フェーズのDXに対応

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クレディセゾンは、従来のカード会社の価値を超え、さらに幅広いサービスの展開に舵を切っている
ビジネスを取り巻く環境は目まぐるしく変化し、かつてない不確実性が高まっている。企業は即応力を高めつつ、これまで以上にリスクヘッジにも気を配らなければならない。この難題をクリアするDX支援スキームを用意しているのが、クレディセゾンだ。クレジットカードの枠組みを超えた新サービスもローンチし、「経理DX(デジタルトランスフォーメーション)」の支援を加速させている同社の取り組みを取材した。

事業継続の観点からもDXの推進は不可欠だ

コロナ禍による急速なデジタルシフトは、「不確実性の時代」の到来を企業に強く意識させた。15万社以上に多彩な法人決済ソリューションを提供しているクレディセゾン 東日本営業部 法人営業一課 課長 星野真由美氏は、次のように現場の感覚を説明する。

クレディセゾン 東日本営業部
法人営業一課 課長
星野真由美氏

「お客様企業の多くは、デジタル化をコロナ禍の一時的な対応とは捉えていません。あらゆる緊急時に備えるBCP(事業継続計画)の重要性を改めて認識し、DX化に取り組もうとされています。加えて、電子帳簿保存法の改正やインボイス制度(2023年10月に開始)といった法規制の変化も、変革への取り組みを後押ししています」

実際の変革の進捗度合いには、企業によって差があるという。

「本当にペーパーレス化して問題が起きないのか、データ管理がきちんとできるのかといった不安を抱えているお客様企業は決して少なくありません。しかもその不安は、業種や業界、規模の大小にかかわらず、各企業が置かれている環境や、直面している課題によって異なります」

まさに「言うは易(やす)く行うは難(かた)し」。DXの必要性は理解していても、なかなか実行できない現実があるというわけだ。だからこそ、クレジットカードの提供のみにこだわらないと星野氏は話す。

「重要なのは、BCPへの貢献だと考えています。そのため、お客様企業の課題に寄り添うコンサルティングと、ニーズに沿った商品・サービスの開発に取り組んでいます」

請求業務のフル委託がもたらすメリットとは

この姿勢の下、開発された新サービスの1つが2021年8月にローンチした「SAISON INVOICE(セゾンインボイス)」。BtoB向け請求代行サービスだが、特徴的なのは与信審査から請求書の発行・送付、代金回収、入金確認・督促まですべてを代行する点だ。請求業務を丸ごとアウトソーシングできるだけでなく、未回収リスクがゼロになるのである。

「不確実性の時代を迎え、与信管理の重要性も高まっています。相手がどんなに実績のある取引先でも、新規の取引に慎重になっているお客様企業が増えました」

セゾンインボイスは、業務負荷も圧倒的に減らせる。導入すれば企業が行うのは顧客・取引情報の入力のみ。与信審査結果の大半が当日中に出るため、営業活動もスムーズに展開できる。これまで与信業務を担当していた部署から負担を取り除けるメリットもある。経理部門のスリム化に役立てている企業も多い。

「現在、経理人材はとくに不足しています。そのため、スタートアップや中小企業だけでなく、大手企業の新規事業ローンチ時にセゾンインボイスをご活用いただいているケースもあります」

導入しやすい料金設定なのも見逃せない。かかるのは取引金額に対する手数料1.5〜5.5%(目安)のみで、月額費用や1請求ごとの事務手数料は不要(※)。人件費や各工程の工数を考えると、ローンチして1年足らずで約53社が導入しているのもうなずける(注:この取材は2022年7月に実施)。
※事務手数料が0円なのはメール送付の場合のみ。郵送の場合、1件当たり150円

しかも、取引情報を入力後、最短翌日で入金。売掛金回収サイクルが早期化でき、新たな投資がしやすくなるのは大きな魅力だといえよう。「未回収リスク解消」と「キャッシュフロー改善」という難題を解決し、ビジネスの加速を後押ししているのだ。

キャッシュフローを劇的に改善する法人カード

キャッシュフロー改善のためのソリューションとしては、2021年5月にローンチされた「セゾンゴールド・ビジネス プロ・カード Mastercard®」にも注目したい。支払い期間が最長84日間、つまり利用から支払日まで3カ月弱の猶予がある。

「先行して仕入れが発生するビジネスモデルに適しています。例えば成果報酬型のWeb広告代理店や、旅行代理店などのご利用が増えています。支払期間を延ばさない場合は、0.5%のキャッシュバックが選べるのも好評です」(星野氏)

申し込みから発行までWebで完結し、年会費3300円と手軽に利用できるのも特徴。通常、法人契約は登記簿や決算書など多数の書類が必要だが、いずれも不要だという(決算書は審査状況によって必要な場合あり)。最大0.5%のキャッシュバックや、支払期間延長のメリットは、ローンチして1年強で大きな反響があるようで、いかにこういったソリューションが求められているかを示しているといえる。

また、ビジネスを加速させるソリューションとしては、「UCエクスプレスコーポレートカード Mastercard®」も要チェックだ。

UCエクスプレスコーポレートカード Mastercard®(※)は、JR東海様と提携し、東海道・山陽・九州新幹線の会員制ネット予約&チケットレス乗車サービス『エクスプレス予約』機能を備えています。スマホ・PCからいつでもどこでもスピーディーに新幹線の予約ができるほか、発車前ならば何度でも手数料なしで予約変更できる利便性と、1年中お得な会員価格で購入できる経済的なメリットが高く支持されています」(星野氏)
※UCエクスプレスコーポレートカード Mastercard®は、エクスプレス予約を年間300万円以上利用することなどの入会条件があります

エクスプレス予約を利用すれば、東京ー新大阪間「のぞみ」普通車指定席が、所定運賃・料金(通常期)と比較し、大人1名往復当たり2200円お得になるという。頻繁に行き来する場合、コストメリットは計り知れない。

さらに、通常のUCコーポレートカード Mastercard®UCパーチェシングカード Mastercard®と同様、Concur Expenseなどの経費精算システムと連携することで、経理業務の効率化と、経費の透明化・適正化を促すのも大きい。なぜならば、経費データが自動連携するため入力業務を大幅に省力化できるうえ、データの改ざんを防止し各企業の規定も組み込めるためガバナンス強化にもつながるからだ。集積されたデータを活用すれば、経営戦略の迅速な意思決定もサポートできる。

カード各種や「セゾンインボイス」を利用すれば、「経理業務」のほぼすべての領域をDXさせることが可能になる

カードにこだわらない支援で経済活性化に貢献

実はクレディセゾンも、2014年6月にConcur Expenseを導入。業務時間の大幅な削減など、9年間で約4億円の経費削減効果を上げている。この経験を生かし、これまで約1000社に経費精算システムの連携サポートを実施しているという。

「コーポレートカードと経費精算システムの連携は、業務効率化に加え、立て替え払い・仮払いを不要にし、振り込みの手間や手数料をなくして資金確保の猶予も創出します。それに請求業務をフルアウトソーシングできるセゾンインボイスと組み合わせることで、税計算・納付および決算書類作成、確定申告を除いた経理業務のノンコア領域を大幅に削減できます」

その結果、生産性が向上し、リモートワークの幅がさらに広がるのは言うまでもない。お金の流れをつねに可視化できるため、DXの本質ともいえるコーポレートガバナンスを強化し、新たなビジネスモデルの構築により力を注ぐこともできるだろう。

「クレディセゾンは『スピード』『利便性』『リーズナブル』を重視した商品開発で、企業の構造改革をお手伝いしてきました。従来、個人名義にならざるをえなかったコーポレートカードを、部署や役職名義で発行できるようにしたのもその1つです。今後は、さらにDX支援を強めていくため、申し込みや諸変更のオンライン化を拡充するとともに、BtoB決済のキャッシュレス化も推進していきます。停滞する日本経済を活性化させるうえでも、BtoB決済のキャッシュレス化は大きなカギを握ると考えています」

DX支援のためには、クレジットカードの提供にこだわらないとまで言い切る星野氏。その背景にあるのは、これまで15万社超の顧客に声に耳を傾け続けてきたことと、ユーザーとしてもSAP Concurと連携するベネフィットを熟知したことなどで得た顧客目線を大切にする姿勢だろう。9月に開催される「SAP Concur Fusion Exchange 2022 JAPAN」では、豊富な事例を含めて取り組みの内容を詳しく公開するとのことなので、「効率的にビジネスを加速させたい」「DXを強力に推進したい」と考える人にはぜひチェックしてもらいたい。

日本最大級の経理・財務部門向けのイベント
「SAP Concur Fusion Exchange 2022 JAPAN」
間接費領域のDX(デジタルトランスフォーメーション)で変わる企業戦略や革新的なワークスタイルについて、基調講演や事例セッションを通じ、ご参加の皆様と共に考えます。

「Rethink -企業パーパス再考による、コーポレート・トランスフォーメーション(CX)の実現-」をテーマに、1万人規模のオンラインイベントとして4日間開催予定です。詳しくはWebサイトをご覧ください。