あの「レブロン」を破綻に追い込んだ3つの変化 消費者ブランドはサプライチェーン混乱に弱い
何世代にもわたり、女性たちにとって1952年に発売されたレブロンの口紅、ファイアー&アースは土曜の夜の外出時に定番の口紅色だった。
1970年代に入ると、女性たちはレブロンの香水チャーリーを、その有名なコマーシャルソングを口ずさみながら手首に振りかけた。そして1990年代、スーパーモデルのシンディ・クロフォードが口紅レーズン・レイジをつけて広告に現れると、何百万人もの女性がブラウン色の口紅を購入したのだ。
競争激化とサプライチェーン混乱が影響
「こういったきらびやかな有名スーパーモデルたちは、すべてレブロンの広告塔だった」。 若い頃、ニューヨークのドラッグストアでレブロンの商品を購入していたという現在41歳のティナ・カタニアは昔を思い出してそう語った。
「レブロンの商品棚が店内で一番広かった」。レブロンの口紅ケースの底に口紅の色がわかるシールが付いていたこと、そして帰宅して口紅を試してみる時の高揚感を思い出しながら彼女はそう言った。
レブロン創業から90年、そのほとんどの年月、同社は化粧品業界を牽引する大企業だった。レブロンの商品は、大恐慌以降、家庭のバスルームのキャビネットにいつもあるものだった。
しかしここ数十年、レブロンは莫大な借金と新世代の化粧品ブランドとの競争という重圧に悪戦苦闘している。さらに現在、中国でのコロナウイルス関連の数々の封鎖と、それに伴うサプライチェーンの混乱はその重圧に拍車をかけた。そして今週、レブロンは大幅な赤字により、破産法適用の申請を行った。