DX潮流で「組織変更→採用強化」Slerの行方 新組織長が語る、柔軟・迅速な組織づくりの狙い

AIやIoTといった先端技術がビジネスシーンにも浸透してきた。そんな中、大手企業を多数顧客に持つITコンサルティングのJSOLは、企業へのDX支援をさらに加速させている。「未来共創デジタル本部」(以下、共創本)を新たに設立し、企業や社会の課題解決に向けて挑戦する仲間を増やすべく、中途採用を強化中だという。共創本はいったい、どんな組織なのか。トップを直撃した。

2022年4月、新組織を設立した狙いとは?

2006年の設立以来、基幹業務システムをはじめとするソリューションを活用し、SIerとして製造業や製薬業、金融業などの企業を支えてきたJSOL。日本総合研究所のSI部門が分社化して誕生したという経緯から、大手企業のクライアントを数多く抱え、実績、ノウハウも幅広い。さらにプロジェクトのほとんどがプライム(クライアントと直接契約を結ぶ)案件のため、戦略策定など上流から携われるところが強みであり、大きな魅力となっている。

そのJSOLが、2022年4月に共創本を新設した。共創本が担うのは、「同社全体の強みを生かした提供価値の最大化」「全社横断での営業力・ブランディングの強化」という2つの価値である。同社の重要資産である人財、情報、技術を融合させ、新たな強みを創出し、事業の柱へと成長させる狙いだ。

いま共創本を新設した背景について、同本部本部長の本間公貴(きみたか)氏はこう話す。

「当社は、基幹業務システムの導入支援やCAE(PCを活用した工学支援システム)のようなサイエンスシミュレーションなど、多岐にわたる領域で日本企業が抱える経営課題の解決に取り組んできました。顧客オリエンテッドの姿勢で、IT戦略策定、システム導入から保守運用まで一気通貫でサービスを展開してきた自負があります。これらのビジネスは今後も伸び続けている一方で、近年は、DXによる事業変革やサステイナブルな社会の実現を目指す企業が増加。当社も『共にDXを推進するパートナー』として、期待を寄せられています。今後新しい事業やマーケットを創出するためには、当社が持つ強みを俯瞰し、領域を超えてリンクさせる機能が必要だと判断し、共創本の新設に至りました」

JSOL 未来共創デジタル本部
本間 公貴

現在、約40名が所属する共創本には、ITコンサルタントはもちろん営業、技術、マーケターなど、さまざまなキャリアバックグラウンドを持つメンバーが集結している。設立から間もない組織だが、顧客や社会の課題にチームで取り組む機会が日を追うごとに増えているという。

「お客様が抱える課題は多種多様。1つひとつを確実に解決するためには、1つや2つのスキルセットでは到底足りません。当社には、土台となるITスキルを有する人財がそろっていますが、DX人財として求められることを個人ですべて賄えるとは限らない。そこで共創本では、デジタル技術の知見に長けている人、データサイエンスのプロ、高いコンサル能力、問題解決能力を持つ人などが集まり、チームで顧客の課題を解決するべくプロジェクトを推進しています」

伸び盛りのJSOL、各部署で中途採用を強化

共創本は具体的に、主に3つの役割を持つ。1点目は、DX・ITコンサルティングによるDX推進支援。顧客のDX戦略やデータドリブン経営などをサポートする。2点目は、企業課題や社会課題にフォーカスした新しい事業ドメイン創出。同社グループや社内外の戦略パートナーと連携しビジネス開発を行う。3点目は、デジタルマーケティングの営業力強化。従来とは異なる顧客接点の創出や、同社のブランド価値向上のためのプロモーションを担う。企業の境界を超え、組織横断的に顧客の新規事業の芽を育てることにも取り組んでいる。

新技術への期待度がますます高まる中、共創本が担うこれらのビジネス領域は、さらに需要を伸ばしていくと見て間違いないだろう。

現在、共創本をはじめJSOLの各部門では、営業やITエンジニアなど幅広い職種で、共に顧客や社会の課題解決に向き合う仲間を募集している。顧客の潜在的な課題をヒアリングして提案する力や、プロジェクトをリードした経験を持つ人財が、大いに活躍できる環境だ。

「共創本では、コンサル的なDX戦略策定はもとより、顧客企業と伴走しながらボトムアップでのDX化検討とリテラシー向上を目指した勉強会やワークショップ、さらにはデジタル技術の業務実装、DX推進に必要な知識を盛り込んだ動画コンテンツの提供など、さまざまな切り口でソリューションを展開しています。当社のご提案や新技術によって、改善できる経営課題は数多くあります。これらはすべて、ビジネスの潮流を踏まえて、多角的なアプローチでお客様の可能性を広げていくというビジョンの下に行っている施策。SI事業者として先駆的な立ち位置にいる共創本は、顧客の潜在的な課題をヒアリングして提案する力や、プロジェクトをリードした経験を持つ人財が、大いに活躍できる環境です」

頭脳集団「理研数理」とのタッグを加速させていく

共創本を支えるキードライバーとして欠かせないのが、JSOLの戦略子会社として2020年10月に設立した理研数理の存在だ。理研数理は、国立研究開発法人理化学研究所(以下、理研)が初めてベンチャー出資を行った組織。理研は、データサイエンスやシミュレーションの分野で、世界トップクラスの研究者や研究施設を擁し、最先端の研究に従事している。

理研数理が目指しているのは、この研究結果をビジネス界に還流させ、社会実装モデルを実現すること。この目的に向けて協働すべく、共創本では、理研数理とのコラボレーションを加速させる構えだ。

「顧客課題の中には、例えばスマートシティーや創薬、マテリアル系の材料開発など、社会課題領域に分類されるものがあります。共創本は、理研数理とタッグを組んで、こうした分野にも積極的に関与し、従来のSI業界の枠組みとは異なる、社会課題解決型のビジネスを推進しています」

スーパーコンピュータ「富岳」を社会に実装するプロジェクトもその1つだ。コロナ禍で注目を浴びた、「富岳」を使ったCOVID-19の飛沫・エアロゾル飛散シミュレーションにも携わっているという。

ITシステムの導入という「点」ではなく、さまざまな技術と知見をベースにして、社会とクライアントの未来を「面」で支えているJSOL。同社がSI事業で長年培ってきたノウハウを生かすことで、アカデミアだけでは難しいとされる、最新技術の社会実装に一歩近づくことができる。

共創本はその流れをくみながらも、社会課題を出発点に新しいアイデアを生み出す組織として、社内外から大きな期待が寄せられている。サステイナブルな社会へと、世界中が舵をきる昨今。問題解決力やチームマネジメント力を武器に社会貢献度の高い仕事を志すビジネスパーソンは、その力を存分に発揮できそうだ。

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