持続的な成長をつくるコラボレーション文化とは 中途入社組が驚く、「働く人」のあたたかさ

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戦略策定から実行・実装までを支援する総合コンサルティングファーム、PwCコンサルティングが大規模な中途採用キャンペーンを展開中だ。気になるのはキーフレーズの「やさしい、コンサル。」「やさしさが生む、強さがある。」。ここにはいったいどのような意図が込められているのか、同社採用担当パートナーの阿部大祐氏に話を聞いた。

入社後に「あたたかさを感じた」との声多数

――なぜPwCコンサルティングは今、中途採用キャンペーンを展開しているのでしょうか。

阿部 そもそもコンサルティング会社は、ビジネス特性から“人”が最も大切な経営資源ですから、採用および育成は最重要アジェンダです。加えて、気候変動や地政学リスクといった不確実性が高まる中で、企業の経営者は「予測不可能な変化への対応と持続可能な成長の両立」という困難な経営課題を抱えています。解決すべき課題は数も多く複雑化しており、自社だけでは解決が難しいため私たちコンサルティングファームがご支援するのですが、人手が足りていないという状況です。

――採用活動のキーフレーズ「やさしい、コンサル。」が話題を集めています。どのような意図を込めたのでしょうか。

阿部 中途採用を行うに当たりPwCの特長とは何かを見つめ直したところ、採用面接での反応が浮かび上がってきました。新卒採用の場合、最終面接で「なぜPwCを選んだのですか」と尋ねると、ほとんどが「人がよかった」「会う人があたたかい、やさしい」と答えます。PwCコンサルティングの新卒採用ではJOB選考(インターン)時にチューターがついてフォローアップするのですが、「ここがよくて、ここが悪かった」としっかりと丁寧にフィードバックしてくれるから、選考プロセスでも成長の実感があるというのです。

PwCコンサルティング
採用担当パートナー
阿部 大祐

でも、これは新卒採用だけかと思っていました。中途採用の場合、同じように答える人もいますが、多くはなかったからです。ところが、今回中途採用キャンペーンを実施するに当たって多数の中途入社者にインタビューをしたら、「入社の決め手は別の要素だったが、いざ入社してみたら、人のあたたかさを感じた」というコメントが圧倒的多数でした。やはり「やさしさ、あたたかさ」が当社の特長なのだと改めて感じて、「やさしい、コンサル。」をキーフレーズにしました。

本質的なダイバーシティが浸透した企業風土

――なぜPwCには「やさしく、あたたかさのある人」が集まるのでしょうか。

阿部 そういう人が集まるというよりも、「やさしくなれるカルチャーがある」といったほうが正しいかもしれません。というのも、PwCにはコラボレーションを重視する企業風土があります。具体的には、PwC Japanグループ内の監査法人やM&A支援などを行うアドバイザリー、税理士法人、弁護士法人、グローバルネットワークのメンバーファームなど、法人や部門、国境をまたいだ協働が浸透しています。

例えば私は、採用担当パートナーと並行して、あるクライアントのリレーションシップパートナーも務めています。そこでは、PwCコンサルティング以外のファームとも定期的な打ち合わせを持つなど日々協業しており、クライアントが抱える根本的な課題解決のために何が最適かをつねに考え行動しています。いろいろなチームや部門と連携して仕事を進めるため、当然、他者に対する思いやりがないとうまくいきません。

――コラボレーションを推進するカルチャーが、「やさしさ」を醸成しているのですね。このカルチャーが生まれた背景には何があるのでしょうか。

阿部1つは、「社会における信頼を構築し、重要な課題を解決する」というパーパス(存在意義)を追求するためのValues & behaviours(価値観と行動指針)が根付いていることが挙げられます。「Act with integrity」「Make a difference」「Care」「Work together」「Reimagine the possible」の5つですが、とりわけ「Care」とのつながりが深いと思います。

「Care」は、同じくPwCが長年大切にしているインクルージョン&ダイバーシティ(I&D)につながる考え方です。「すべての人を個人として尊重し、その人にとって何が大切なのかを理解する」「一人ひとりの貢献を認め合う」「周りの人の成長をサポートし、その人が最も能力を発揮できるやり方を尊重する」と定められています。こうした考え方が根付いているからこそ、それぞれが自分らしく、持っている能力を最大限に発揮できる環境をつくれるのだと思います。そして、これが成果や個人のやりがい、成長という強さにつながっています。「やさしさ、あたたかさ」というのは決して「厳しくしない」ということではなく、​プロフェッショナルとして個々のコンサルタントがパフォーマンスを高めるためにフィードバックをしっかりと行い、成長を促す環境を整えているということです。

もう1つは、不確実性の高い時代になったことが影響しています。一昔前は、コンサルティングファームというとパートナーやディレクターの下にたくさんのスタッフがついて、案件の獲得からデリバリー、育成まですべて行うピラミッド型のチームの集合体でした。しかし今は、企業の経営課題が複雑化・多様化し、さまざまな業務領域が絡み合うようになったため、旧態依然としたピラミッド型チームでは機能しなくなってきました。個々人のスキルだけで勝負するのも厳しくなっています。当社はその変化にいち早く気づき、全社を挙げてコラボレーションを推進してきたので、自然にこのカルチャーも育まれたのでしょう。

やさしさが生む「強さ」が重要なポイント

――これからのPwCは、どのような展開を見据えていらっしゃるのでしょうか。今後の方向性について教えてください。

阿部 PwCは、2021年にグローバルで新たな経営ビジョン「The New Equation」を策定しました。「Trust(信頼)」の構築と「Sustained Outcomes(持続的な成長)」の実現のため、各領域のプロフェッショナルが組織、国境を超えて協働し、クライアントへの提供価値を最大化しようというものです。

これまでも行ってきたコラボレーションを今まで以上に促進、加速させる方針を明確化したのは、やはり世界が複雑性を増しているからです。「The New Equation」を推進するための戦略として、PwCコンサルティングでは「3つのDによる変革プラン」を打ち出しています。3つのDとは、「Design(新しい姿を描き、作る)」「Disruption(従来の概念を覆す)」「Dimension(多面的に考える)」の頭文字。今までの延長線ではない成長を実現していくという思いが込められています。かつてないサービスを生むには、いろいろなスキルや知見を持っている人とのコラボレーションが不可欠ですし、互いの能力を引き出せるチームワークをつくることで、仕事の幅と視野を広げられると思います。

――やさしさと強さを表裏一体として、さらなる成長と成果を目指すということですね。

阿部 はい。だからこそ、PwCのカルチャーに共感いただける方にはぜひジョインしてほしいと思っています。PwC Japanグループ内はもちろんですが、さまざまなプレーヤーとコラボレーションをする必要があるからこそ、「やさしさが生む強さ」が大きく利いてくると確信しています。クライアントへの最適解を提示できるうえ、自らの成長を日々実感できる。そんなキャリアづくりを、ぜひ共に味わいましょう。