予測不可能な時代でも成長する企業の「人材戦略」 激化する「即戦力DX人材の争奪戦」にどう勝つか

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コロナ禍や少子高齢化など企業を取り巻く環境が大きく変わり、経営課題が複雑化する今、それらに対処できる高い能力を持ったハイエンド人材の需要がますます高まっている。企業を持続的に成長させるためには、人材戦略をどのように組み立てればよいのか。ハイエンド人材に特化した人材紹介事業とフリーコンサル事業を展開する、アクシスコンサルティングの代表取締役社長・山尾幸弘氏に話を聞いた。

「人事は経営の問題ではない」という誤解

「今、近年まれに見る勢いで即戦力採用が強化されています」

とアクシスコンサルティングの山尾氏は語る。背景にあるのは、コロナ禍でデジタル化が加速し、DX(デジタルトランスフォーメーション)が重要になっていることや、人口減少によってますます採用が難しくなっていることなどだという。

ここ数年、企業から同社に寄せられる相談の大半も、DXの推進に関わることだ。

「企業はDXを進めるために、HR(人的資源)ソリューションを求めています。ただし、忘れてはならないのはDXは手段にすぎず、目的ではないということ。仮にDXが一段落したとしても、人材戦略を経営上の最重要事項として位置づける必要があります」

アクシスコンサルティング 代表取締役社長 山尾幸弘

2020年9月に経済産業省が発表した「持続的な企業価値の向上と人的資本に関する研究会報告書」(通称:人材版伊藤レポート)では、日本では人事を経営の問題だと捉えておらず、経営戦略とバラバラに人材戦略が組み立てられていることが多いと指摘されている。

また、同省の「IT人材需給に関する調査」(19年3月)によると、IT人材は2030年に最大で約79万人も不足するとの試算が出ている。この数字からも、できるだけ早めに人材確保のための戦略を立てておくのが賢明だということがわかるだろう。では、具体的にどう進めればよいのだろうか。

「正社員採用」だけが正解とは限らない

DXを進める要といえば、CTO(最高技術責任者)やCIO(最高情報責任者)。しかし、どの企業も欲しがる人材だからこそ、その採用は決して容易ではないようだ。

「CTOやCIOクラスなどのハイエンド人材の採用案件が増えていますが、そういった人材は希少なので、採用するまでに半年から1年近くかかることもあります」

かといって、こうした人材を迎え入れるまで、ただ指をくわえて待っているわけにはいかないだろう。このジレンマに対し、山尾氏はこう答える。

「スキルシェアという形でフリーランスや兼業、副業が可能なプロフェッショナル人材をスポットで登用する方法もあるのです」

現在、コンサルティング業界で働く人の約4人に1人が登録するアクシスコンサルティングの人材データベースには、約7万5000人が登録。同社はそれぞれの企業のニーズや課題をヒアリングしながら、こうしたハイエンド人材を正社員採用のほか、フリーランスコンサルタントのプロジェクトベースでの活用など、柔軟に提案している。

「以前、ある大手企業の子会社立ち上げでご相談いただいた際には、私どもから執行役員となる人材をご紹介しました。この執行役員と弊社でマネージャーやスタッフのペルソナ設定などを行い、採用の支援をしました。採用が難しくスピーディーに機能を立ち上げる必要のあるポジションでは弊社のフリーコンサルを活用いただき、予定どおり子会社の立ち上げを支援させていただきました。

弊社は単に企業の求人案件と求職者をマッチングさせることに重きを置いていません。企業側のご相談に乗ったうえで、マッチングの前段階である求人の設計や、設計後の支援など、さまざまな角度から根本的な課題解決のためのソリューションを提示します」

メリットが享受できるのは企業側だけではなく、登録者も同様だ。アクシスコンサルティングでは、中長期にわたってフォローを行っている。

「私たちは、転職ありきという前提でハイエンド人材である求職者の方にお会いしていません。どのような自己実現や成長を目指していらっしゃるのかをお伺いしたうえで、その方のキャリアパスの提案をしており、場合によっては転職をお勧めしないこともあります。『生涯のキャリアパートナー』となることを目指し、長きにわたる関係を築くようにしています」

※コンサルティングファームのコンサルタント数を基にアクシスコンサルティングが試算。登録者数は2022年3月時点

副業・兼業がスタンダードになる時代の人材活用

アクシスコンサルティングは、2022年4月に創業20周年を迎えた。創業当時から終身雇用の終焉、少子高齢化、産業構造の変革、デジタル化といったパラダイムシフトの芽が伸び始めていた。

「人材が流動化し、個人の価値観や働き方も多様化し、就社から就職へ、そしていずれ『就・ミッション』の時代が訪れると考えていました。そのような中で、健全で確かなサービスを提供したいという思いで、弊社を設立したのです」と山尾氏は振り返る。

その予見どおり、アクシスコンサルティングの介在価値は高まっている。ハイエンドクラスに特化したHRサービスを展開する同社はこの2〜3年、毎年過去最高の業績を達成しているそうだ。

すでに「就・ミッション」の時代も幕を開けた。2018年1月に厚生労働省が「副業・兼業の促進に関するガイドライン」を策定したことを契機に、大手企業だけではなく中堅・中小企業も、経営課題に対して即戦力となるハイエンド人材活用に関心を寄せ始めている。

アクシスコンサルティングのコーポレートスローガンは「あらゆる課題は、人で解決する」だ。日本の事業会社の隅々にまで同社のHRソリューションを届けることで、各社が喫緊の課題を解決し、持続可能な成長を遂げ、ひいてはよりよい社会が実現するというビジョンを描く。

もし、困り事があるなら「あらゆるニーズに応じたHRのコンサルティングメニューを用意している」と自負するアクシスコンサルティングに相談してみてはいかがだろう。

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