求職者から選ばれる企業に共通する「ある視点」 企業が「人を選ぶ」から「選ばれる」時代へと変化

ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小
今、企業の採用活動が大転換の時期を迎えていることをご存じだろうか。これまでは「求職者を企業が選考する」という図式が当たり前だった。しかし、少子高齢化で求職者が減ると同時に、SNSの普及で企業の情報を収集しやすくなり、企業もまた選ばれる立場になっている。採用活動が難しくなる中、自社にマッチする人材を採用するにはどうすればよいのだろうか。実例を基にひもといていこう。

「求職者とフェアであること」を徹底する採用

「エントリー時の登録情報は氏名・生年月日・メールアドレスのみ」
「学年・年度に関係なくエントリー可能な通年採用」
「面接官や最終面接のタイミングを求職者が選べる」
「内定者人数などの選考情報を求職者に開示する」

こんな型破りなスタイルで採用活動を行う企業がある。それが、「店舗・施設支援」「通信・エネルギー」「コンテンツ配信」といった事業を手がけるUSEN-NEXT HOLDINGS(USEN-NEXT GROUP)だ。同社の執行役員 コーポレート統括部長 兼CISO 住谷猛氏は、その背景をこう語る。

USEN-NEXT HOLDINGS
執行役員 コーポレート統括部長(人事・総務・法務・情報システム・広報・コーポレートブランディング・サステナビリティ推進管掌)兼 CISO
住谷 猛

「同じ時期に始めて、リクルートスーツを着て、エントリーシートを書いて……というのが一般的な日本の新卒採用ですが、必ずしもこれが正解ではないのではと考えています。『採用とはこうだ』という固定観念にとらわれず、『共に会社を成長させていける仲間を見つけるにはどうすべきか』と考えてたどり着いたのが、この方法でした。とくに意識しているのは、求職者の方とフェアであることですね」

同社の採用でもとくにユニークなのは、求職者が面接の回数やタイミングを選べることだろう。大切なのは求職者の方が自分で考えて選択すること、と住谷氏は語る。

「選択するためには情報も必要ですから、当社は『今、最終面接に進んでいるのは何人、内定が出たのは何人』など、情報をすべて開示しています。また、最終面接前には求職者の方と人事がコミュニケーションを取る機会を設けています」

同社では求職者が学生の場合、学年に関係なくエントリーできるため、中には大学3年生でエントリーして内定を受け、4年生から正社員として働きながら大学を卒業する人もいる。こうしたことが可能なのは、フレキシブルに働ける制度と選択肢が用意されており、自分に合った働き方ができるためだ。

「採用活動は当社のポリシーやカルチャーを表すメッセージの1つ。この採用方法に共感してくれるイノベーティブな方が多く応募してくださっています」

応募チャネルごとの採用フローを可能に

USEN-NEXT HOLDINGSではグループ企業25社で一括して採用活動を行うため、通年採用プログラム「GATE」を設けている。この「GATE」を支えているのが、2019年に導入した採用管理システム「sonar ATS(ソナー エーティーエス)」だ。

コーポレート統括部 人事部 就活応援課 佐々木美帆氏は、「sonar ATS」導入の決め手をこう話す。

USEN-NEXT HOLDINGS
コーポレート統括部 人事部 就活応援課
佐々木 美帆 

「エントリー時の登録情報を自在にカスタマイズできる点や、より自由に選考フローを設計できる点です。また、以前は応募者の情報が一定量を超えると削除されてしまっていましたが、『sonar ATS』だと無制限にプールできる点も魅力です。新卒でご縁がなくても、その方が数年後にキャリア採用にエントリーされた際に、よりスムーズに採用活動ができるようになりました」

「sonar ATS」はシステムの柔軟性が高いため、同社の「シンプルなエントリー」「通年採用」「求職者に選考フローを選んでもらう」といった独自の採用活動が実現でき、より多くの求職者がエントリーするように。その結果、選考の確度を上げながら「グループ25社で新卒300名」という目標を達成でき、ミスマッチも減少したと佐々木氏は言う。

「『sonar ATS』の導入で業務効率化が進み、その分の時間と人員を、採用イベントや求職者とのコミュニケーションに充てられるようになりました」

「真の人材マッチング」をかなえるために

これまでにないイノベーティブな採用活動を行っているUSEN-NEXT HOLDINGS。同社は、今年「Best Recruit Matching Award 2022」に選ばれた。これは、「sonar ATS」を手がけるThinkings株式会社が、企業と人材の採用ベストマッチングに取り組む企業を選定し、表彰するもの。

計8部門の採用ベストマッチングに向けた取り組みを行う企業と、計2部門のsonar ATSのパートナー企業が選出された。Thinkings代表取締役社長の吉田崇氏はアワード開催の背景をこう語る。

「『sonar ATS』はサービス開始から10周年を迎え、おかげさまで1000社以上に導入していただいています。これを機にアワードを開催し、採用ベストマッチングを実現している企業様の取り組みをご紹介し、社会に還元したいと考えました」

Thinkings 代表取締役社長
吉田 崇

吉田氏によれば、アワードの受賞企業にはある共通点があるという。

「それは、『求職者と企業は対等である』という考えを持ち、求職者とじっくり向き合える採用フローを設けていること。今は求人チャネルも多様化していますが、それぞれのチャネルに合った方法で、一人ひとりに合ったコミュニケーションを図ることが重要です。

例えば、昨今はリファラル採用(紹介型)も増えていますが、求人サイトからの求職者とリファラル採用ではその自社への理解度も異なるため、異なった採用フローが必要です。

求人サイトからの求職者には、まずはしっかりと自社のことを知ってもらうべきですが、リファラル採用の場合は、知り合いの社員を通してある程度は情報を持っているはず。このように、採用の解像度を上げ、求職者に選ばれるための仕組みをつくっている企業は人材マッチングがうまくいっていることが多いです」

しかし、こうした仕組みづくりは複雑なため、その管理が難しい。採用管理システム「sonar ATS」の強みは、フロー管理のページで書類選考、面接などのフローチャートをドラッグ&ドロップで自在に組み替えられること。開発はいっさい不要で、フローを簡単に設計・追加できる。

また、面接のリマインド通知やエージェントへの日程調整依頼といった各プロセスで発生する面接担当者の業務を自在に組み込むこともできるので、メール送信業務も減る。加えて、どの求人チャネルからの応募が多いかが一目でわかるので、効率よく求人募集をかけることも可能だ。

求人チャネルが増え、必要なHR(人的資源)ツールも多様になる今、HRツール導入や管理にかかる労力も大きくなっている。そこで、「sonar ATS」と連携しているHRツールの検討・導入ができるマーケットプレース「sonar store」が役に立つ。例えば、予想より応募人数が少ないときは、相性のよい求人サイトの枠を「sonar store」を通じて素早く購入し、対処できる。

このように、「sonar ATS」は生産性と柔軟性を両立し、その企業が目指す「理想の採用」を現実のものにしてくれるのだ。

「企業が選ぶ時代から、応募者と企業が対等になった今、企業は自社にマッチングする人材を採用するために戦略を立て、少しでも多く求職者と対話する時間を取ることが大事になっています。これからも、わたしたちのサービスがそれをかなえるための一助となればと思っています」(吉田氏)

「Best Recruit Matching Award 2022」特別サイト

「sonar ATS」サービスサイト

「sonar」ブランドサイト