東京駅直結「東京ミッドタウン八重洲」が今夏竣工 古くは職人の街、日本の玄関口から世界へ発信

新幹線や電車、バス乗り場が集積する日本の交通の要・東京駅。成田・羽田の両空港へのアクセスもよく、日本の各都市のみならず、海外へとつながるハブとなっている。その東京駅の八重洲側に今夏、複合施設「東京ミッドタウン八重洲」が竣工予定だ。オフィス、商業施設、小学校、ホテルなど多種多彩な用途が予定されているというが、いったいどのようなプロジェクトなのか。三井不動産の担当者に話を聞いた。

江戸の職人街から発展した東京駅八重洲口の現在地

江戸時代、徳川家康のもとで日本の外交や貿易の顧問として活躍したオランダ人航海士、ヤン・ヨーステン。東京駅の東側に広がる八重洲の地名が、彼の名前に由来するといわれていることをご存じだろうか。ここは江戸時代、南鍛冶町や元大工町、桶町などと呼ばれ、さまざまな職人が集まる街としてにぎわいを見せていた。

1929年に東京駅の八重洲口が開設されると、日本各地から八重洲に企業が集まるようになり、現在に続くオフィス街が形成されていった。つまり、八重洲は近代日本経済の中心地であり、象徴といえる。

そして今、東京駅八重洲口では、「八重洲二丁目北地区」「東京駅前八重洲一丁目東地区」「八重洲二丁目中地区」の3地区で第一種市街地再開発が進められている。3つの計画が連動し、東京駅と直結したバスターミナルの整備を進め、周辺地域との連携や国際競争力の強化を図るとともに、環境や防災に対応した都市基盤を強化するという大規模な都市計画だ。

3地区の1つ「八重洲二丁目北地区」では2022年8月、「東京ミッドタウン八重洲」が竣工する。オフィスフロアや商業施設に加え、日本初進出となるブルガリ ホテルズ&リゾーツによる「ブルガリ ホテル 東京」(23年開業予定)、中央区立城東小学校や子育て支援施設が設けられるなど、ミクストユース型(複合用途型)となっている。

三井不動産
ビルディング本部運営企画二部
事業グループ グループ長
依田 佐知子 氏

八重洲二丁目北地区再開発組合の一員としてこのプロジェクトを推進する三井不動産の依田佐知子氏はこう話す。

「今までにないミクストユース型のビルなので、偶発的な出会いや新たなコラボレーションが生まれるのではと期待しています」

この場所で人々が出会い、交流できるよう、「東京ミッドタウン八重洲」にはさまざまな仕掛けが用意される。入居するテナントやその従業員同士をつなぐビジネス交流施設も設けられる予定だ。

「ホテルやショップなどに加えてオープンテラスなどがあり、一般の方にも訪れていただけます。単なるビルを超えた、1つの街のような場所になればと思い描いています」

首都圏の大規模施設初の完全非接触型オフィス

「東京ミッドタウン八重洲」は、東京駅に直結という抜群のアクセスに加えて、スマートエネルギーとグリーン電力を備えている。そのため、入居するテナント企業のSDGsへの取り組みをサポートするともいえる。加えて、ポストコロナ時代に対応した設備が整っており、新しい働き方を支えてくれる。

通常勤務以外のフロアへ行く際は、 エレベーターホールのホログラムボタンを入力

「顔認証で入館すると行き先を指定せずにエレベーターに乗れるほか、勤務先以外の階に行く際はホログラムボタンで操作できるなど、首都圏の大規模オフィスでは初の完全非接触型オフィスとなっています。また、館内にはテナント企業が利用できる会議室、フィットネスジム、法人向けシェアオフィス『ワークスタイリング』なども備えています」

5階屋外テラス 完成予想図

入居を検討している企業からは「出社とテレワークが組み合わさった働き方が続くため、どれくらいの専有面積を確保しておけばよいかわからない」との声が少なくないという。その点、シェアオフィスがあれば調整弁の役割を果たしてくれるので、融通が利くという点においても企業からの関心が集まっているそうだ。

※ 三井不動産調べ

事業継続計画を支える災害への頑強な備え

「東京ミッドタウン八重洲」は、港区赤坂の「東京ミッドタウン」、千代田区有楽町の「東京ミッドタウン日比谷」に続く3つ目の「東京ミッドタウン」となる。同ブランドでは、「『JAPAN VALUE』を世界に発信し続ける街」というビジョンを掲げ、「Diversity(多様性)」「Hospitality(もてなし)」「Creativity(創造性)」「Sustainability(持続可能性)」の4つの価値を提供してきた。「東京ミッドタウン八重洲」においても、それは引き継がれている。

「江戸時代に職人の街として生まれ、企業が世界へ羽ばたいていく場所となった八重洲は創造性にあふれる場所。また、万全のBCP(事業継続計画)サポートによって、テナント様にサステナビリティを提供します」

BCPサポートの内容はこうだ。開発区域内外に「電気」と「熱」を供給するエネルギーセンターを設置することで環境負荷低減に資するだけでなく、災害時にも建物のBCPに必要な電気の供給を受けることが可能となる。また、帰宅困難者の一時滞在施設や防災備蓄倉庫、災害用トイレを整備し、災害時における帰宅困難者のフォロー体制を整えるという。

八重洲と日本橋が連動しさらに活気づく東京駅東側

この夏の竣工は、ゴールではなく新たなスタート、と依田氏は意気込む。

「新しい先端技術による設備やシステムを、入居者様に最大限活用していただけるようサポートしながら、さらに改善していきます。このプロジェクトは私たち三井不動産のみならず、地元の方など、たくさんの人々が20年という歳月をかけて進めてきたもの。八重洲を愛する人々の思いに応えたいと考えています」

「東京ミッドタウン八重洲」周辺図

その思いは「東京ミッドタウン八重洲」に限らず、三井不動産が創業の地である日本橋で進めてきた日本橋再生計画にも通じる。日本橋と八重洲でコラボレーションを行うなどしながら、EATS(East Area of Tokyo Station=東京駅東側)を盛り上げていく予定だという。

「東京ミッドタウン八重洲」に集う人々や企業、そしてその夢は、東京から世界へと羽ばたいていくだろう。

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