小林聡美さん「心穏やかに暮らすささやかなコツ」 「自主性を持って自分で気づく」ことの大切さ

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――「自主性を持って自分で気づく」という言葉が刺さった読者もいるかもしれませんね。小林さんが30代、40代で経験しておけばよかったと思うこともおうかがいしたいです。

過去を振り返って、「あれをしておけばよかった」と、後悔したことがないんですよね。後悔はしないことに決めている、と言いますか。また私の意見が参考にならずすみません(笑)。若い頃から「いつかは」と思っていたピアノを最近、習い始めて自宅で練習するという楽しみが増えましたし。軽い気持ちで始めた俳句の会も、10年続いています。

45歳で4年制大学に入学したきっかけ

――2010年、45歳で4年制大学へ入学。2015年春に卒業されました。入学しようと思ったきっかけは?

(撮影:梅谷秀司)

40歳の時に初めてちゃんと落語を聴いて、それがとても新鮮で面白くて、そこから自分が生まれ育った日本に深く興味を持つようになったんです。

日本には落語など世界に誇れる文化がたくさんあるし、日本でしか見られない絶景がたくさんある。そんなことに気づかないまま大人になってしまったことに愕然として、だったら今まで知らなかった日本の文化について、いっそのこと大学で学んでみるのも面白いかなと。

私は40代であらためて日本に目を向けることができましたけど、若い頃は異文化に興味を持つのは自然なことなのかもしれないですね。

実際に私も若い頃は、自国の文化よりも、海外への興味のほうが大きかったです。「自分の人生はこんなはずじゃない」「自分にはもっと向いている場所があるはずだ」と悩み、足元よりずっと遠くの世界に憧れていた気がします。

大学に入学したのはずいぶん遅かったですが、日本文化を通していろんな視野が広がったし、大学の4年間はとても貴重な体験だったと思います。そして一生をかけても回りきれないほど素敵な場所がたくさんある日本を、あらためて大好きになりました。

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