ネット界の知の巨人・読書猿氏が独自に収集、開発した独学の技法を明かした『独学大全』。古代ギリシアから最新論文まで、世界の知をかき集めたまさに「独学の百科事典」だ。780ページに及ぶ大著だが、爆発的なヒットを記録し、今回の「ビジネス書」ランキングでも1位となった。本の狙いを読書猿氏に聞いた。
──この本を書いた動機を教えてください。
勉強本は世の中にたくさんあるが、独学する人を手助けする本はそんなにない。この国の社会では「独学者」って、あまり尊敬されていないからだと思う。だから、ただ勉強したいだけなのに独学者は孤立してしまう。そういう人たちを助けようと思って書いたのが『独学大全』という本だ。
「勉強はできて当たり前」「勉強の仕方は教えるが、あとはあなたのやる気次第」といった本が多い。でも、現実的には「勉強は続けられない」「挫折するのが当たり前」というほうが自然だと思う。それをサポートしたかった。
──内容が決まるまでの苦労は?
自分の日頃やっていることが独学なので、いつか自分のやり方を紹介することがあるとは思っていた。独学の本なら、内容はこうだろう、順番はこうだろうな、とか。編集者から最初に連絡があったときも、そんなことがすぐに頭に浮かんだ。そこからが大変ではあったが(笑)。本当は最大で850ページくらいになるところだったが、ぎゅっと濃縮した。書かなければいけない内容を考えると、これぐらいの分量は必要だ。
『家庭の医学』のように
「著者が考える最強の勉強法」ということで、レールを1本敷くことは簡単だ。それならコンパクトな本にできる。しかし、独学というのは絶対に挫折するもの。それを前提にそういう人たちを全部拾い上げて、「そのときにはこうしたらいい」ということを示したかった。いろいろなシーン、いろいろな困りごとを拾うための「道具箱」を作った。
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