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倒産は過去最多、飲食店の受難 出口の見えない大苦境で挫折

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2020年には数多くの名店が閉店。コロナの影響によるものも少なくなかった(撮影:今井康一)

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「12月は飲食店にとって最大の繁忙期。少しでも挽回できたらと思っていたが、今回の感染拡大でその望みは消えた。12月の売り上げが厳しければ、廃業に踏み切る店も多いだろう」

2020年11月下旬、東京都内で複数の飲食店を経営するあるオーナーは力なくそう答えた。このオーナーが運営する店では、東京都の新型コロナウイルス新規感染者が1日500人を超えるようになった11月中旬以降、予約のキャンセルが続出。来店客数も直前週の半数程度に落ち込んだ。

飲食店の苦境には一向に終わりが見えない。政府や自治体は20年11月末から飲食店に対し、営業時間の短縮(22時まで)などの要請をした。これに伴い、年末年始の宴会需要はほぼ消失。居酒屋業態を中心に大打撃を受けている。冒頭の飲食店オーナーも「少人数での食事利用による稼ぎだけではとても経営が成り立たない」と嘆く。

店舗整理を進める大手

日本フードサービス協会によれば、20年10月のパブ・居酒屋業態の売り上げは前年同月比で36.3%減った。宴会やビジネス会食での利用が激減したのが大きい。

大手外食チェーンも不採算店を多数閉店することで“止血”を急いでいる。居酒屋「甘太郎」などを展開するコロワイドは20年9月までに直営店195店舗を閉店。居酒屋「わらやき屋」などを運営するDDホールディングスも、21年2月期中に54店舗を閉店する計画だ。また居酒屋大手のワタミは21年3月末までに114店舗を閉店する一方で、居酒屋の既存店120店程度を焼き肉店など別業態に転換するという。

「コロナ禍で、居酒屋などの飲食店が集客の見込めない都市部の駅前や繁華街の雑居ビルからどんどん撤退している」(業界関係者)

賃料や人件費などの固定費を賄えず、倒産に至る飲食店も後を絶たない。帝国データバンクによれば、20年の飲食店事業者の倒産件数は736件(11月末時点)と、12月の1カ月を残した時点ですでに過去最多を更新。同社の東京支社情報部の綴木猛氏は「2〜3店舗を運営するような小規模事業者の倒産が多い」と話す。

倒産には至らずとも、飲食店の運営から撤退する事業者も増えている。「休業・廃業している飲食店の数は倒産件数よりも多いだろう。先行きの見通せない状況が続くと、飲食店の経営者も事業を継続する意欲を失ってしまう」。前出の綴木氏はそう指摘する。

21年も断続的に営業自粛や時短が求められれば、持ちこたえられなくなる飲食店はさらに増えるだろう。国による支援のあり方が改めて問われそうだ。

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