キオクシアホールディングスの新規上場延期は、東芝にとっても誤算だ。
キオクシアの株主である東芝は、キオクシア上場で保有株の約2割を売り出し、売却で得られる金額の過半を株主に還元する方針を表明していた。当初想定の1株当たり公募・売り出し価格3960円ですべて売れれば約1600億円。そこから税金などを引いた手取り金が約1000億円、その過半、約500億円を株主還元に充てるはずだった。
しかし9月28日、キオクシアが上場延期を発表すると、東芝の株価は一時約9%も下落した。不透明になった株主還元が嫌気された。

東芝がキオクシア株の売却を表明したのは6月下旬。上場の詳細が決まっていない時期であり、異例の早さだった。このタイミングで発表したのは、株主総会を7月末に控え、アクティビスト(モノ言う株主)の強硬姿勢を抑える狙いがあったことは明らかだ。
にもかかわらず東芝の株主総会で、車谷暢昭社長の取締役選任案への賛成比率は約58%にとどまった。シンガポールのエフィッシモ・キャピタル・マネージメントと、同じくシンガポールの3Dオポチュニティー・マスター・ファンドが、それぞれ独自の取締役候補を提案して東芝と対立したからだ。車谷社長は過半数を獲得して再任されたが、薄氷の勝利だった。
ただその後、期限内に届いた議決権行使書の一部が無効扱いになっていたことが3Dの指摘で判明。決議への影響はないというが、エフィッシモが第三者委員会の設置を求めているほか、臨時株主総会を模索する動きも出ている。
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