経営者や事業主にとって税務調査は、非常に厄介なものだ。税務署の調査官が事業所にやってきて、何日も居座り、あれこれ質問をしてくる。忙しく仕事をしている身としてはたまったものではない。図のとおり、法人税だけで年間約10万件の税務調査(実地調査)が入っている。

この税務調査に関して、世間はいろいろ誤解している。
まずほとんどの人が「税務署の調査官は正しい」と思い込んでいる。「税務署の調査官は国家公務員であり、法律的に間違ったことをしたり言ったりするはずがない」、と。
しかし、これは誤解だ。税務署の調査官の中には、知識の乏しい者もたくさんおり、間違った税法の解釈をしている者も少なくない。
税務署の調査官というのは、追徴税をどれだけ稼ぐかで仕事が評価される傾向にある。だから必然的に、「追徴税を取ろう」という方向に税法の解釈をすることが多いのだ。
また、税法にはグレーゾーンが多く、解釈次第で税額が変わることがある。納税者がそれを知らないのをいいことに、言いくるめて税金を取ろうとする調査官もいる。だから、調査官の指摘で納得のいかないことがあれば、納得がいくまで説明を求めたい。
例えば、「交際費に計上されている飲食費が多すぎるので、少し削ってください」などと言われたとする。交際費というのは、多いか少ないかではなく、交際費として計上可能かどうかが争点になるはずだ。税法上、交際費に該当しているならば、額が多くても問題はないはずだ。
だが調査官は、さも交際費が多いことが問題かのような口ぶりで、否認しようとすることがある。こういう場合は、「この交際費のどこが問題なのですか? 交際費に該当しないものがあるのですか?」と説明を求めよう。
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