欧米の中央銀行が緩和に動く中、日本銀行は新たな一手を打ち出せるのか。
7月の金融政策決定会合で日銀は、「物価上昇のモメンタムが損なわれるおそれが高まる場合には、躊躇なく追加的な緩和措置を講じる」とした。
臨戦態勢をアピールしているが、妙手を欠くのが実態だ。
日銀が示している追加緩和の手段には、マイナス金利の深掘り、長期金利操作目標の引き下げ、資産買い入れの拡大などがある。
マイナス金利の深掘りは金融機関の負担が大きい。2018年度は地方銀行105行のうち45行が本業(貸し出しと手数料ビジネスの合計収益)で連続赤字であり、追加緩和となれば収益が一段と悪化する。「金融仲介機能の毀損を招く」として、業界からの猛反発は必至だ。長期金利目標は現在、ゼロ%程度(上下に0.2%程度変動しうる)としているが、足元の金利は下限を超えた水準が続いており、事実上引き下げられているに等しい。
となると、残るのはETF(上場投資信託)の買い入れ拡大だ。日銀は現在、年間6兆円ペースでETFを買い入れている。この政策により日銀は上場企業の5割で事実上の大株主となっており、企業のガバナンスが悪化するとの批判もある。だが黒田東彦総裁は、「信託銀行などが適切な株主権を行使している」とし、保有規模についても「東証の時価総額の4%程度(5月時点)」としており、追加措置の余地があるようにも見える。
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