北海道大学教授 小林快次氏に聞く 『恐竜まみれ』を書いた

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日本一の恐竜化石といわれる「むかわ竜」を発掘、化石発見の実績から「ハヤブサの目」の異名を持つ男。恐竜化石のためなら、過酷な気象も巨大灰色熊もなんのその。ただ、化石発掘は目的と同時に手段でもある。

恐竜まみれ :発掘現場は今日も命がけ
恐竜まみれ :発掘現場は今日も命がけ(小林快次 著/新潮社/1450円+税/238ページ)書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします。

灰色熊の襲撃で命拾い。が、最も怖いのは人間

──ゴビ砂漠の巨大濁流に始まり、副題に偽りなしですね。

あれは私にとってモンゴルでの初発掘だったので、慌てました。今はかなり慣れて、最悪の事態を想定して動きます。アラスカで豪雨、落雷のときは窪地(くぼち)に降りて、温かくして雨がっぱかぶって昼寝します。落ちないように願いながら(笑)。アラスカの落雷は2時間もすれば通り過ぎるので。

──2時間も! 軽妙に書いていますが灰色熊はヤバかったのでは。

んー、そうですね、大きいのが2頭いたし、小屋のドアの1つが壊れていたから、確かにかなり危険でした。歳とともにでかくなって無敵になるので、高齢熊ほど怖い。後で撮った写真を見たら歯が抜けていた(笑)。ただ、連れていった学生が鮭の頭などを捨てた所が悪く、熊を呼び寄せてしまった。捨て場所を確認しなかった私もよくない。危ないときというのは何かポカをしているんです。

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