──なぜ今、日本の病院は改革が必要なのですか。
人口減少で生産年齢層の患者が減り、70歳以上の患者が増えている。つまり、今までのように高度医療を必要とする重症患者は減り、長期的な療養が必要な高齢患者の需要が高まっている。しかしそれに対応する供給体制が構築できていない。
病院組織に欠如しているのはマネジメントだ。それは地域の需要に合った供給をすること。多くの病院は地域のマーケットを把握できていない。例えば胃がん患者が相対的に少ない地域で胃がん治療の体制を敷いても需要がない。子どもが減っているのに子ども服を売っても売れないのは当たり前だ。
需要に合わない供給体制の病院に国が多額のお金を出して支援してきたが、ついに財政が立ち行かなくなった。供給体制の根本的な見直しは必須だ。これはバブル崩壊のときから指摘されてきたが、医師会などの利害関係者が障壁となり議論が先延ばしになっている。
──国は地域医療を充実させる「地域医療構想」を掲げています。都道府県に対して、2025年時点での必要な病床数を算出し、医療体制を見直すように促しています。
地域医療構想は、「構想」になっていない。つまり将来の地域医療の姿を描けていないのだ。重要なのは、病床数ではなく質だ。
現在重度の患者を診る急性期病院では、高齢患者が治療を受けた後も自宅に帰れず、入院が長期化している。こうした患者の受け皿になり、家に帰すための生活支援を行う病院が必要だ。急性期や回復期の治療をするという今までの病院の概念を取り払い、地域密着型の病院をつくる。このような患者の需要に合った供給体制に再編することで、病院は人口3万〜5万に1つあれば十分になる。つまり現在約8000ある病院は、多くても4000もあれば済む。
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