地上の動物には、同種のものが集って群を成して生息する種族と、荒野やジャングルに身を潜めて生き、性交のときにのみ仲間と交わる孤独な生活を好む種族とがいる。虎やヒョウは孤独型だが、大部分の動物は群を成して生息する。
では、人類の遠い祖先はどんな体制で生息していたのだろうか。
考古学の類推によると、人類の遠い祖先は数人から数十人の小集団に分かれて住み、それが連なって大集団をつくっていたらしい。
その段階ですでに「政治」が存在した。小は家族単位の小集団から、大はそれを連ねた数百人の大集団に至るまで、それぞれに首長(ボス)を選び、その中の1人が大きな群の首長となった。
当然、そこには不満もあればひいきも出る。男女のいざこざもあっただろう。だが何よりの問題は「首長選び」だった。
すでに2足歩行になり、言語を手に入れていたとはいえ、首長選びでは肉体的な闘争が多かった。言論の優劣では、論旨の整合性よりも声量の大小が大事だったかもしれない。
首長の務めと側近の誕生
最近の霊長類(サル)の研究で多くのことがわかった。サル山のサルの群には必ずボスがおり、仲間のもめ事の解決に当たるそうだ。
同じように、人類の遠い祖先の群の首長は、食物の分配から外敵の侵入や日照り、長雨、冬の寒さまで、対処せねばならない事態が多かったはずだ。
人間はサルよりも強欲であり、生まれながらにして予測能力がある。生存を図ろうと、仲間より多くの食べ物を蓄えようとしたり、心地よい寝所の奪い合いをしたりした。そうしたもめ事の仲裁が首長の仕事になった。
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