工作機械とは「マザーマシン」とも呼ばれる、機械を作る機械だ。金属の塊を削り、自動車エンジンのギアやスマートフォン(スマホ)のカメラレンズ用金型といったさまざまな機械の部品・金型を作り出す。
近年、工作機械業界に対するニーズは、微妙に変化している。背景には製造業で頻繁に耳にするようになった「スマートファクトリー」の流れがある。
これは単なる自動化ではない。センサーやモーターを用いて、工場全体の稼働率や部品の寿命を可視化する、IoT技術の活用を指しているのだ。
実際、工作機械の動作制御を担うNC(数値制御)装置で世界的大手のファナックや、工作機械国内大手のDMG森精機は、工場のIoTのプラットフォーム開発に尽力してきた。ファナックの稲葉善治会長は「機械同士をつなげることはできた。これからはそれによって、何が可能になるのかを示す段階だ」と語る。
これからの日本の工作機械メーカーにとって機械の性能が高いのは大前提。そのうえでいかにIoTによる付加価値を持たせられるかがカギとなる。
受注残は積み上がるが米中摩擦で停滞感も
2019年度は極めて見通しにくい。そもそも工作機械業界は自動車やスマホ、半導体関連など各業種から引き合いが重なった影響で、17年ごろから「空前の活況」を迎えた。日本メーカーの年間受注高は1兆7803億円と過去最高を記録。18年に入ってからも、月次受注高は好況・不況の分岐点とされてきた1000億円を優に上回り続ける。
この記事は有料会員限定です
残り 609文字
