「もうマネーゲーム。製品価格が通常の10倍にハネ上がるケースもある」。ある電機メーカーの調達担当者はそう嘆く。
その製品とはコンデンサー。電圧を安定させるなど、電子回路には欠かせない部品だ。中でも積層セラミックコンデンサー(MLCC)はスマートフォンから通信基地局まで広く使われており、市場規模は1兆円に上る。主要メーカーは世界シェア4割を握る村田製作所を筆頭に、韓国サムスングループのセムコや台湾のヤゲオ、日本企業では太陽誘電やTDKがある。
そんなMLCCの需要が2016年度の下期から増大している。とりわけ、自動車などで多く使われる大型品は、車載カメラなど先進運転支援システムの普及に伴い搭載点数が増加。産業機器やデータセンター向けの需要も高まっている。
日系メーカーによるコンデンサーの出荷額も年々増加している。特に、ここ数年はスマホ市場の拡大で、各社とも最先端かつ生産効率が高い小型品の設備投資に力を入れてきた。その中で、増産対応が進んでいなかった大型品の需要が拡大したため、供給が追いつかなくなった。

需給の逼迫を受けて製品単価も上昇している。MLCCは同じ製品なら年10%程度値下がりしてきた。だが、モルガン・スタンレーMUFG証券の佐藤昌司アナリストの試算によると、17年のMLCCの平均単価は0.27セントと、前年比約3.8%のプラスに転じた。18年もさらなる上昇が続く見通しだ。
原因は海外メーカーによる値上げ。需要が増大する大型品を中心に展開するヤゲオは、数倍ともいわれる値上げを行った。日本メーカーでも村田製作所などが取引先と値上げの交渉を進めている。
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