コンビニは2社しか生き残れない--ファミリーマート社長 上田準二

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コンビニは2社しか生き残れない--ファミリーマート社長 上田準二

am/pmの買収交渉は2004年以来、何度か浮上した。ローソンとの統合が白紙になった後、伊藤忠商事経由で当社へ打診が来た。社長室の向かいにプロジェクトチームを作り、半年間昼夜を分かたず議論した。一貫して主張したのは「1ブランド」、ファミリーマートへの一本化だ。複数では弁当工場や配送センターの合理化ができない。am/pmの親会社も最初はブランド維持にこだわったが、加盟店舗の経営継続に責任を持つ、と説得した。

子会社化後は、am/pmのオーナー全員と話し合い、ブランド統合に同意するか、反対するか、店舗を畳むか、選んでもらった。850店のうち280店を閉鎖、570店を2年間でファミマに転換するが、改装店の日販は平均3割弱の増収。これを見て統合に反対する声はなくなった。

集中的な改装で施工効率化が進み、ブランド転換コストは当初計画の80億円が60億円で済みそうだ。閉鎖コストも90億円計画が75億円に減るため、初年度マイナスとみていた合併効果は若干プラスに転じる。繰越欠損金340億円は220億円を増減資で消し、120億円の債務は引き継いだ。高い買い物との見方もあるが、すでに経営をしているオーナーを教育なしに引き継げるうえ、東京23区内で新規出店する手間を考えたら、メリットは計り知れない。

全国のオーナーが注視している

am/pm統合の正否を全国のオーナーが注視している。当社は他チェーンの契約が残る加盟店に裏工作は絶対にしない。が、合意のうえ契約を解消したオーナーには門戸を開く。店舗へのIT投資は今後も増大する。投資負担に耐えられない下位チェーンの再編はまだまだ続くだろう。

客から見れば、コンビニは2社でいい。セブン−イレブンと、その他連合だ。そのときにファミリーマートが必要とされるかどうか。アジア出店はスタートしたばかり。海外店舗数ナンバー1を目指す。大手が絡む再編第2弾では、1ブランドにすらこだわらない。

◆ファミリーマートの業績予想、会社概要はこちら

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 (撮影:大塚一仁 =週刊東洋経済2011年1月8日号)

※記事は週刊東洋経済執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。

 

山川 清弘 「会社四季報オンライン」編集部 編集委員

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やまかわ・きよひろ / Kiyohiro Yamakawa

1967年、東京都生まれ。91年、早稲田大学政治経済学部経済学科卒業。東洋経済新報社に入社後、記者として放送、ゼネコン、銀行、コンビニ、旅行など担当。98~99年、英オックスフォード大学に留学(ロイター・フェロー)。『会社四季報プロ500』編集長、『会社四季報』副編集長、『週刊東洋経済プラス』編集長などを経て現職。日本証券アナリスト協会認定アナリスト、日本テクニカルアナリスト協会認定テクニカルアナリスト。著書に『世界のメディア王 マードックの謎』(今井澂氏との共著、東洋経済新報社)、『ホテル御三家 帝国ホテル、オークラ、ニューオータニ』(幻冬舎新書)など。

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