中国でスマホ特需失速 落ち込むファナック 工作機械
日本企業にも中国の失速が影を落とし始めた。
大胆な株主還元策で投資家から注目を集めたファナックが、7月28日、2015年度第1四半期(4~6月期)決算を発表した。四半期実績は前年同期比で増収増益だったが、通期の売上高見通しを6283億円(前期比13.9%減)、営業利益を2182億円(同26.7%減)へ下方修正したのだ。
市場予測を大きく下回る修正で、翌29日の株価は10%超も下落。ファナックは時価総額4兆円を超し、日経平均株価への影響力も高い値ガサ株だけに、市場関係者への衝撃は小さくなかった。
下方修正の主な要因となったのが、“スマートフォン(スマホ)特需”の予想を上回るブレーキだ。
現在、スマホの金属筐体は切削加工(削り出し)へと、高級品を中心に移行している。その加工に欠かせなかったのが、ファナック製のロボドリル(小型切削加工機)だった。米アップルから生産委託された鴻海(ホンハイ)精密工業など、中国や台湾のEMS(受託製造サービス会社)向けに、これまでロボドリルは旺盛な注文が続いていたのである。
しかし、中国でのスマホ特需は終焉にさしかかり、「削り出しのスマホ筐体の需要も一服した」(業界関係者)。ファナックの受注額も、前第4四半期の1550億円から、今第1四半期に1382億円へ下降。減速は同社も想定済みで、期初の会社予想では、今期を営業減益(11.2%減)と見通していた。ただ、本格的な落ち込みは今年後半と見ていたが、それが第1四半期末へと早まった。
工作機械業界は特性として、景気の影響をまともに受けやすい。「中国の設備投資は不透明な状況」とファナックも認識している。08年のリーマンショック後には、売上高を2年間で半分近くまで減らした経験があった。
中国景気の変調が深刻化すれば、今期はもう一段、落ち込む事態も否定できない。北米などで伸びるNC(数値制御)装置やロボットでどこまでカバーできるかは不透明。当面は中国市場の動向に神経質にならざるを得ない。






















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