今、金融業界は「フィンテック」の話題で持ちきりだ。Finance(金融)とTechnology(技術)を掛け合わせた造語で、ITを活用した新しい金融サービスのことだ。金融庁が銀行を監督する際の重点項目にも挙げられ、各行は対応を急いでいる。

2015年10月、都内で開かれたフォーラムには多くのフィンテックベンチャーの経営者が集った。「みずほは無知です。皆さんと情報交換し、一緒にいいサービスを提供できたらと思っています」。そう率直に呼びかけたのは、3メガバンクの一角、みずほフィナンシャルグループの岡部俊胤副社長だった。
フィンテックが何を指すか、定まったものはない。震源は欧米のベンチャー企業だった。08年のリーマン危機後、世界の金融機関は規制対応やコスト削減に追われ、顧客向けのサービス開発が後手に回った。一方、スマートフォンなどのモバイル端末が急速に普及。金融サービスの利便性を高めるべく、開発が進んだ。
代表格が09年設立の米スクエアだ。スマホやタブレット端末のイヤホンジャックに読み取り装置を差し込むことで、クレジットカード決済を可能にした。同じく米国のペイパルは、メールアドレスを持つ相手であれば誰にでも送金できるというP2P(Peer To Peer)送金を始めた。
金融機関の3大機能は「決済」「預金」「融資」。まず支払いや送金といった「決済」の分野でベンチャー参入が相次いだわけだ。
「預金」に関連する分野でもIT活用が進む。日本のマネーフォワード社が開発したのが資産管理アプリだ。個人の持つ複数の金融機関の口座情報を一元的に管理できる。同社は静岡銀行や東邦銀行などと資本提携し、地方銀行のフィンテック活用を支援する。
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