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ウクライナ危機をきっかけに市場が混乱している。原油価格の指標であるWTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート、先物)は一時、約14年ぶりの高値圏となる1バレル130ドル超を記録。穀物や鉱物も上がるなど、ウクライナ危機が世界の資源価格高騰を招いている。原料高が景気を冷やすとの見方から、日経平均株価は3月8日に2万5000円を割り込んだ。
3月15~16日にはFOMC(アメリカ連邦公開市場委員会)でFRB(アメリカ連邦準備制度理事会)が0.25%の利上げに踏み切る見通し。金利の上昇は株価への逆風とされ、さらなる株価の下げに市場は身構える。
そこで
『週刊東洋経済』3月14日発売号は「株の崩落 次の一手」を特集。『会社四季報』2022年2集春号(3月18日発売予定)の業績予想を先取りしたランキングや米国株ランキング、アナリスト・ストラテジストらによる日米株価予想、急落局面に耐える投資術、波乱相場の売り時・買い時の見分け方といった銘柄選びと投資法を徹底解説した。
では、今後の市場の行方はどうなるか。世界のマネーの動向に詳しい、経済アナリストの豊島逸夫氏に市場シナリオについて聞いた。
ロシア国債のデフォルトリスクを注視
最悪のリスクシナリオについて検討が必要な状況になりつつある。
3月4日午前、ロシア軍がウクライナの原子力発電所を砲撃したという報道が飛び込んできた。深夜のアメリカ・ニューヨークの金融市場も一時騒然となった。
砲撃報道の前日、アメリカの格付け会社ムーディーズ・インベスターズ・サービスがロシア国債を格下げしていた。投機的水準への大幅な格下げで、デフォルト(債務不履行)の懸念が高まった直後だった。
ロシア国債のデフォルトのリスクを注視しなければならない。ロシアはブリンクマンシップ(瀬戸際戦術)を取っている。アメリカなど西側諸国が、ロシア国債のデフォルトをあえて放置するような姿勢を見せれば、ロシアは報復として核を一段とちらつかせるのではないか。
今後、ウクライナの国内核施設への砲撃や占拠を拡大すれば、NATO(北大西洋条約機構)との緊張感が高まり、新冷戦も本格化する。
アメリカやNATOが本格的にレーダーや核兵器の照準をロシアに合わせるようなことが話し合われ、核戦争の脅威が現実味を帯びるような事態になれば、金融市場も大きく揺らぎ、株価は大暴落する。
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【もう1つの心配は中国の出方】
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