アナログ商慣習を変える「経理改革ツール」の実力 経理部門の改革が「業績にも影響する」理由とは

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「請求書発行と入金確認をしないと売り上げ確保が図れない」ため、月末月初は手が回らないほど多忙を極める経理。毎月手が回らない状況にもかかわらず、企業の経理部署では増員の意向は低く、経理人員が増えることはあまりないと予想される。限りあるリソースを有効活用し、今後さらに複雑化する法制度の改正や規制の緩和に対応していくために、企業はどのような対策を取るべきか。

経理業務の見直しをする時代に

請求書を発行して、帳簿に記帳。確実に入金されたかを確認して消し込みをしていく……。

経理部門はこうしたルーチンの業務が多く、「毎月末月初は勝負どころ」という企業も多いのではないだろうか。

加えて、消費税の軽減税率が導入されて以降、請求書の発行時点の煩雑さが格段に増した。2022年1月施行の改正電子帳簿保存法では、帳簿書類や電子取引情報を電子保存する際の手続き、要件が大幅に緩和され、従来の紙帳簿の経理業務の見直しが問われている。23年にインボイス制度が導入されれば、さらに登録番号の明示などの作業も増える。

従来の経理業務のままでは、これらの変化に対応しきれない事態にも陥りかねないだろう。

「経理担当者はルーチン業務が多いので、取引業務が増えるとそれに応じて業務量も膨らんでしまいます。さらに、業態にもよりますが例えば少額の取引が多い企業の経理部門はとくに膨大な作業量になります」

そう語るのは企業間取引の決済を代行する「NP掛け払い」サービスを展開するネットプロテクションズの小島真一氏だ。

ネットプロテクションズ NP掛け払い事業統括責任者
小島 真一
2017年にネットプロテクションズに入社。マーケティング、セールス、カスタマーサービス、組織マネジメント、アライアンス活動など幅広く携わる

だが、経理業務は会社の重要情報を扱う業務。ガバナンスを考慮した結果、自社内で賄う必要があると考える企業も多い。こういった企業では昨今の制度改革に対応するために独自ルールを設けているケースも少なくないため、「現場の負荷が余計に高くなってしまう傾向にある」と小島氏は推測している。

与信スピードが約90%短縮、売り上げにも好影響

こうした中で注目されているのが、「NP掛け払い」だ。現在、導入数は約2000社に上る。同サービスは、21年12月に東証1部上場を果たしたネットプロテクションズによって提供されている。

請求書発行、入金催促までの決済にまつわるすべてのプロセスをアウトソーシングできるだけでなく、そのスピード感も特徴だ。審査結果は最短即時で結果を通知している。

「これまでも請求書送付や与信のみ、といった業務プロセスの一部分を請け負うサービスは数多く存在していました。しかし、それでは各業務の連携をするためのプロセスが残り、効率化が進みません。負荷の大きい、与信や入金催促などをはじめ、すべての決済フローを『NP掛け払い』が請け負うことで経理部の『手が回らない』事態を回避できます」(小島氏)

実際に「ジョブカン勤怠管理」をはじめとしたクラウドサービス事業などの多彩なサービスを手がけるDONUTS社は、同クラウドサービス運営を開始した際に顧客数が2年で500%に成長。一方で毎月少額の請求書を何千通も送ることになり、入金確認に多大な労力が必要で、経理のみならず営業担当のリソースも逼迫してしまった。そこで「NP掛け払い」を導入することで、顧客数が増大したにもかかわらず業務量は4分の1にまで減らすことができたという。

ネットプロテクションズがB2C向け後払い事業を始めたのは20年前。約3億件超(※)の決済データを処理してきたノウハウを「NP掛け払い」にも活用することで、スピーディーなだけでなく、高精度な与信審査が可能だ。

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※約3億件超:ネットプロテクションズが提供する全サービスの、提供開始から2021年3月31日までにおける取引件数

「大手企業では与信基準が高い傾向にあります。例えば住友ゴム工業社では、従来の与信業務として販売先から書類を提出してもらい、与信に通れば口座開設をするといった手法を取っていました。新サービスリリースに当たり、販売先の新規のターゲットが従来の与信方法ではスピード感が合わず、営業担当者はお客様に書類準備の負担をかけることへの精神的な負荷を感じていたという状況にありました。

しかし『NP掛け払い』を導入していただいたことで与信審査のスピードが約90%短縮でき、結果的に営業活動に割けるリソースが増えたという事例もあります」(小島氏)

請求業務の改善が商習慣にも一石を投じる

実は、企業間取引における請求業務を「NP掛け払い」に任せることで売り手企業の業務改革だけではなく、商習慣全体にとっても大きなメリットがある。

設立したての企業でも、「NP掛け払い」が間に入ることで、売り手企業に入金の約束ができるので、既存の与信基準では新規取引が難しかった大手企業との取引が可能になったり、請求に対して、銀行振込、口座引き落とし、コンビニ払いと選択肢が広がったりする。さらにコンビニ払いでは手数料が不要なので、振込手数料の負担が軽減される。

わかりやすいUIで請求業務を任せることができる

加えて、慣例的に新規の取引においては前払いが規定とされる中でも掛け払いをすることができるため、健全なキャッシュフローでの事業運営が可能だ。また、現金集金を行う現場においても、業務の効率化が期待できる。

「食品や酒を販売店に卸している会社では、業界の慣習としてドライバーによる現金回収が多かったのですが、ドライバーも多額の現金を持ち歩くことに抵抗があったし、オーナーとしては、売り上げと現金の採算が合わなかったときに従業員を疑わなければならない可能性もあるわけです。そこが掛け払いになることで、現金のやり取りをしなくて済む。結果として、アナログな業界の慣習を変えることになりました」(小島氏)

請求業務は、担当部門である経理以外の営業担当者なども関わるうえ、責任のある重大で手間のかかる業務。それゆえ手間や作業も発生しやすいが、こうした業務はアウトソーシングができないと考えられがちで、関わる社員の負荷が改善されにくい。そこに「NP掛け払い」を導入し、請求業務を丸ごと任せることで、ルーチン作業に追われてきた経理担当者が、企業価値を高める経営管理や戦略などの領域にまでチャレンジすることも可能だ。

ネットプロテクションズはテクノロジーを駆使しながら、アナログな部分にも寄り添って商習慣に一石を投じられるような存在になっていきたいという。今、変化する時代にいる企業の変革の強力なパートナーといえそうだ。

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