激戦地・下北沢を生き抜くカレー店のSNS活用 無料アプリでも「おしゃれなメニュー」が作れる

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胡粋(こすい)お勧めのほうれん草塩麹チキンカレー、サバココナッツカレー、週替わり限定カレー、マトンキーマカレーの4種盛り
近年、プライベートのみならずビジネスでもSNSは積極的に利用されている。集客やファンづくりのために、SNSアカウントの運用を行う飲食店や、美容院、サロン、小売店は多い。うまく活用できれば集客や売り上げに大きな効果をもたらしてくれるが、「内容が定まらない」「投稿するビジュアルに自信を持てない」など、頭を悩ませている事業者は少なくない。こうした課題を解決するにはどうすればいいのか。

激戦地・下北沢で生き抜くカレー店のSNS

カレーの激戦地ともいわれる下北沢。ここにバーを間借りして、週4日だけひっそりと「のれん」を出すカレー店がある。2021年にオープンした「胡粋(こすい)」だ。メニューは、「ほうれん草塩麹チキンカレー」や、週替わりの「豆乳坦々カレー」など、胃袋だけではなく好奇心も刺激されるものばかり。瞬く間に評判になり、開店から1年余りだが下北沢で頭角を現している。

胡粋の集客ツールは、グルメサイトへの登録以外に、SNSを活用。内容は主に手書きのメニューや仕込み中の写真をアップしている。

「『SNSを見た』と言って来店するお客さんが、体感では8割くらい」と語るのは、胡粋オーナーの三品氏だ。

ただ、SNSは手軽な一方で、スピーディーな制作と投稿の繰り返しが必要になるため、業務時間が逼迫することも。実のところ三品氏は、毎日の仕入れや準備、接客などに追われる日々。SNSにこだわりたいものの、後回しになっているという。

「お客さんがSNSにアップしてくれたカレーの画像を発見したときには、いいね!を押しています。お客さんがおしゃれにコラージュした投稿をしてくれるたびに、すごいなって思っているんです。自分も作成してみたいけど、デジタルやデザインに疎くて」

少人数で営業している事業者にとっては負担も少なくないだろう。

「SNSに投稿する画像をデザインするスキルを持つ人材がいなかったり、デザインに費やす時間を持てなかったりする事業者がほとんどでしょう。われわれの調査からも、世界的にその傾向が明らかになっています」

そう考察するのはアドビ・マーケティング本部の里村明洋氏。さらに、アドビが独自で実施した「中小企業の経営者におけるクリエイティブに関する実態調査」について、次のように説明する。

アドビ・マーケティング本部
里村明洋

「中小企業経営者の82%は、クリエイティブなデザインがビジネス成長をもたらすと考えています。また、SNS に関するスキルを向上させることが、自社ビジネスに最も影響を与えると回答したのは59%。一方で、45%はアイデアを実現しクリエイティブをアウトプットするための時間やツール、スキルがないと回答したんです。

この結果から、ビジネスにおけるSNSのクリエイティブなデザインを重視していながらも、どうすれば効果的な見せ方ができるのかわからない方が多いことがうかがえます」

「まるでプロが作った投稿」SNS未経験でも無料で作れる

SNSで集客や広告の効果を出すには、単に更新回数を増やせばいいというものではない。クオリティの高いビジュアルかどうかで影響力は大きく左右される。

「クオリティの高さとは、『頭に残るデザインかどうか』で決まります。同じ情報でも文字のフォントや大きさ一つ取っても、見せ方次第で伝わり方が異なる。ここに多くの方が抱えるデザインの難しさがあると思います」(里村氏)

ちなみに三品氏は「SNS投稿のデザインにまで気を配る余力がない」と言う。自身のクリエイティビティのほとんどはカレーに注ぎ込まれているからだろう。

だが、SNSを工夫することで、これまで振り向いてもらえなかった顧客に振り向いてもらえるのも事実。

「独学でデザインを習得されている方もいらっしゃるでしょう。ただゼロからデザインを考え、形にするのは多くの人にとって困難で、だからこそプロがいるわけです。一方で、SNS運用をプロに依頼する余裕がある中小企業や個人事業主は多くないんです」(里村氏)

こうした課題の打ち手となるソリューションとして、2021年12月に登場したのが、「Adobe Creative Cloud Express」(以下、Creative Cloud Express)。写真加工やデザイン作成、編集に関するソフトウェアを手がけてきたアドビ社の新製品だ。

デザイン未経験者でも扱いやすく、基本の機能はすべて無料で利用できるのが特徴。使用頻度の高い「背景を削除」する機能や画像サイズの変更がワンタップでできる

「Creative Cloud Expressは、パソコンだけではなくスマホからでも直感的に操作できます。また世界で活躍するプロのデザイナーが作成したテンプレートが数千種類あり、選び放題です。さらに著作権フリーの写真やイラストの素材も活用できるので、表現の幅を広げることもできます」(里村氏)

おしゃれな投稿、かっこいい投稿――ぼんやりとしたイメージはあっても、具体的な表現に落とし込むのは難しいもの。数千ものテンプレートがあると、逆に選びきれなくなりそうだ。

しかしCreative Cloud Expressは、「SNS上のストーリー」「投稿写真」「ロゴ」「チラシ」など用途に応じて検索できる。動画のチュートリアルもそろっているので、事前の準備はほぼ不要。すぐに制作に着手できるだろう。

キーワードからテンプレートを導き出すこともできる。例えば「コーヒー」で検索すると、コーヒーのイメージにひも付くメニュー表やバナーのテンプレートが出てくる

胡粋オーナーも実践。ラッシーのメニューがおしゃれに

さて、冒頭でご紹介した胡粋。実際にCreative Cloud Expressを体験した胡粋のオーナー・三品氏は、「これなら自分にもできるかも」と手応えを感じたという。

画像加工アプリでの編集は初挑戦となった胡粋オーナー・三品氏。実際のラッシー写真の切り抜きを使ったおしゃれなメニュー表があっという間に作成できた

目下、SNSへの投稿を検討しているのが、ラッシーのメニュー。胡粋でひそかに人気のラッシーは、フルーツをじっくり煮詰めたお手製のシロップを使っているこだわりぶり。アップルシナモンやカボスなどユニークな味に興味をそそられる。

手書きのメニューでは、なかなか魅力を伝えきれずに悩んでいたところ、Creative Cloud Expressでぴったりのメニューテンプレートを見つけたそう。

「フルーツのイラストが背景にあり、パッと見たときに見栄えがするテンプレートなので気に入りました。フルーツのイラストは『Adobe Stock』から無料のデータを引用して、入れ替えることができるので便利です」(三品氏)

コロナ禍でSNSのコミュニケーションが活発になる中、飲食店、美容室、サロン、アパレルなど、あらゆる業種でSNSのクリエイティブへのニーズはますます高まっている。

SNSで刺さるデザインのアイデアが思いつかず、発想力の乏しさに肩を落とした経験を持つ中小企業経営者や個人事業主は多いだろう。そうした課題を抱えるすべての人のためのソリューションとして、大いに活用意義があるツールだといえそうだ。

>無料アプリ「Adobe Creative Cloud Express」を使ってみる

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