将来の夢は経営者 急成長するアジアビジネスの架け橋に
公認会計士としてあらた監査法人で働いていた斉藤直弥さん。企業のアドバイザーではなく、自分が経営者として意思決定に携わりたいと考えるようになり、ビジネススクールへの進学を決めたという。
「2年間という限られた時間の中で、最初の1年間はみっちりとMBAの基礎を学び、残りの期間で学外連携による実践的な授業や留学プログラムに参加して視野を広げたいと考えました。KBSは日本のビジネススクールの中でも国際化に非常に力を入れているので、自分の希望に合致していました」と語る。
今後大きな飛躍が見込めるのはアジアビジネスだと考え、斉藤さんが選んだ留学先はタイ。物価も人件費も安いため、日系企業の製造拠点の国だという印象を持っていたそうだが、実際にバンコクで生活してみると、街中で売られているものは日本と遜色なく、人々の給与水準も急速に向上しており、ただの「製造拠点」ではなく、「大きな市場」として存在感が高まっていることに驚いたという。
一方で、現地での文化や慣習を理解することなく日本的な経営を現地に押しつけるスタイルも依然として存在しており、現地リソースをうまく使いこなせていないように斉藤さんには見えたという。「日本とタイはビジネス的な結び付きが強いように見えますが、まだまだ発展途上で大きなビジネスチャンスが眠っていると考えています。またタイのみならず、東南アジア全体で考えると、その潜在的な市場は膨大です。ここでの留学経験を活かし、日本と、タイ・東南アジアの架け橋となるような仕事に従事していきたいと考えています」と斉藤さんの夢はふくらむ。
留学当初は、タイ人の学生との付き合い方に戸惑いを覚えることもあったという斉藤さん。日本では当たり前だったことが、外に出てみると当たり前ではないことがたくさんあることに気づかされたという。「世界各国から集まった学生と議論することを通じて認識する自分の立ち位置や、世界における日本の位置付けを再確認するいい機会だと思います」と語る。留学には考え方や習慣が大きく異なる人たちとの出会いがあり、世界に対する理解を深める素晴らしい機会がある。急速にグローバル化が進んでいる今の時代、世界視点と広い視野を持つ斉藤さんのようなビジネスマンの存在がより一層重要になっていくのだろう。