トランプ支持の陰謀論者になった47歳女性の衝撃 彼女にとって元大統領は悪魔崇拝者と闘う英雄

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「トランプの勝利」を信じるホーリー・スパルディング氏(写真:横田増生)
アメリカの陰謀論集団「Qアノン」をめぐっては、朝日新聞で「Q」の正体を追及する特集記事が組まれるなど、注目が続いている。トランプ氏の大統領選敗北後の2021年1月6日に起きた「連邦議事堂襲撃事件」への関与も取り沙汰されているが、その際にQアノン信者を取材していた日本人ジャーナリストが横田増生氏だ。
大統領選までの1年間にわたりミシガン州ランシングでトランプ陣営の選挙ボランティアとして働いた横田氏は、連邦議事堂襲撃事件の前日、そこに向かう機内でQアノン信者と遭遇していた。著書『「トランプ信者」潜入一年』より一部抜粋する。

突然の「Qアノン」信者との出会い

ワシントンDCに向かうためランシングのアパートを早朝に出発し、デトロイトの空港で飛行機を乗り換えたのは、2021年1月5日の朝8時台のこと。

3人掛けの座席で私が座るのは通路側。真ん中の席は空席で、窓際には白人女性が座っていた。朝食代わりなのかラズベリーパンを食べながら、数独の升目を埋めていた。

ブルーのシャツの上に同系色のジャケットを着ていた女性の腕元を見ると、ビーズ細工で《Qanon》の文字があった。

女性が身につけていた「Qアノン」と書かれたビーズ細工(写真:横田増生)

私は慌てて名刺を探し出し、自己紹介してから、「Qアノンの信者なんですか?」と尋ねた。

「そうよ。Qアノンの信者よ」と、笑顔で答えたのは、ミシガン州ミルフォードに住むホーリー・スパルディング(47)だった。

スパルディングが、トランプ再選を後押しするため、ワシントンDCに行くのは、3回目になる。《アメリカを救え》という集会が開催され、それに参加していたのだ。前の2回は知り合いと車でワシントンDCに来たが、今回は、これまで貯めた航空会社のマイレージを使い飛行機に乗った。

Qアノンの「Q」とは集団の主宰者を指し、そのQが出す質問に対し、匿名の信者がその答えを探し出す。Qアノンとは、小児性愛者と闘うという極右の陰謀論集団のことだ。FBIは、Qアノンが国内テロの脅威になり得るととらえている。

私は1年近く、このQアノンの信者に取材したいと思っていたのだが、それが、あっさりと叶った。

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