大丸松坂屋「申し込める外商カード」その中身は 百貨店が「富裕層」だけに発行するカードの正体

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広々とした空間で西洋美術や現代アートを眺めながら、プライベートジェットでの家族旅行を計画する――。これは大丸・松坂屋の「外商顧客」(お得意様)が、とある催事に参加した際の様子だ。これまでは資産家や会社経営者など一部の超富裕層に限られていた外商だが、昨今はさまざまな顧客層へと裾野を広げ、30〜50代の若年層の利用も目立ってきているという。長年にわたり大丸松坂屋百貨店で外商担当を務めてきた松林秀幸氏に、外商の世界の魅力や現在の潮流について話を聞いた。

アートからお酒まで。謎多き外商サービスの実態

お金に余裕が生まれても、仕事で忙しく、ゆっくり買い物をする時間がない。そんな悩みを抱える働き世代から注目を集めているのが、百貨店の外商だ。外商とは、店舗をはじめ自宅やオンラインなど、場所を問わずパーソナルな接客を受けられるサービスのこと。一人ひとりに専属の担当者がつき、好みに合わせて欲しい商品を用意してくれるだけではなく、特別なプレゼントや冠婚葬祭の準備の相談などにも乗ってくれる。

大丸松坂屋百貨店 本社 営業本部
営業企画部 お得意様営業企画
開拓推進グループ担当
松林秀幸氏

「外商はもともと、百貨店の前身である呉服商が、上顧客の元に直接出向き、掛け売りをしたのが発祥のサービスです。ちなみに『GAISHO』という言葉は、海外でも通じる、世界共通語。そのくらい歴史があり、日本の百貨店で特有のビジネスになっています」と話すのは、大丸松坂屋百貨店の本社で外商顧客開拓を担当する松林秀幸氏。

外商と聞くと、一人ひとりに担当者がつくことから、超お金持ちやセレブだけが使うサービスというイメージが先行しがちだ。実際はどうなのだろう。

「確かに外商のお客様は、これまでは会社の経営者や医師など高所得の方が大半で、年齢層も60代以降の方がほとんどでした。ところが最近は、これまであまり百貨店を利用されていなかった30〜50代の共働き世代の方々が増えています。ネットには掲載されないような商品の情報を仕入れるために活用されたり、担当者と友人のような関係を楽しまれたりする方が多いです」(松林氏)

外商顧客のために、なかなか手に入りにくい希少なお酒が集められることも

外商顧客の好みも年々変わってきているようだ。例えば、お酒の場合、1本100万円のフランス産の希少なシャトーワインを競って購入する時代から、価格ではなく自分の嗜好に合わせて、小さな酒蔵で数量限定で製造されているような古酒に魅力を感じて購入する人も増えている。また、美術作品では現代アートの人気が上昇しており、部屋のインテリアとして購入する若年層も増えているようだ。

「外商員は普段からお客様と会話をし、お好みに合った商品の情報が入ればすぐにご連絡を入れます。なかなか市場には出回っていないものでも、ご要望をいただけばあらゆるコネクションを使って探し出すように努めています」(松林氏)

「物」だけではない、豊かな「体験」を

外商が提供するのは、普段の買い物サービスだけにとどまらない。その1つはお得意様だけが招待される催事だ。海外のラグジュアリーブランドから数億円のアート、希少価値の高いお酒、ヘリコプターやハイヤーをチャーターするプライベート旅行など、通常の店舗には出回らないアイテムがそろうため、鑑賞をしに足を運ぶだけでも価値がある。

注目作家の絵がズラリと並ぶさまは、美術館にも劣らない

「アート作品1つ取っても、画家の生い立ちや描かれた時代背景など、さまざまな知識があって初めてその真の価値が理解できるということがあります。外商員は時事から歴史、美術、服飾などさまざまな事柄に精通し、お客様の興味関心を広げるお手伝いができるように努めています」(松林氏)

催事会場の装飾や企画にも、さまざまな工夫が凝らされている。

「ある催事では、コロナ禍でも海外旅行の雰囲気を楽しんでいただくために、フロントを空港のチェックインカウンターに見立て、フランスやドイツなど、国ごとのスペースを設けるようにしました。またある催事では、ハイブランドの職人さんにバッグの製作工程の一部を実演してもらうなど、なぜそのブランドに価値があるのかを肌で実感してもらい、納得して購入していただけるような工夫もしています」(松林氏)

リアル空間だけではなく、オンラインでお得意様を満足させるための取り組みにも注目したい。外商顧客限定の大丸・松坂屋プレミアムサイト「connaissligne(コネスリーニュ)」では、ラグジュアリーブランドの限定商品など店頭に出ない商品を掲載し、特別なサービスを提供している。

外商への切符「お得意様ゴールドカード」で未知の世界へ

大丸松坂屋百貨店の外商サービスを利用するために必要となるのが、「お得意様ゴールドカード」だ。従来は招待制でクローズドなカードであったが、2021年11月からはオンライン入会をスタート。より多くの人に門戸が広がる形となった。

「これからわれわれがアプローチしていきたい若年層の方々は、リアルでの接点のみならず、オンラインでのコミュニケーションにも慣れていらっしゃいます。そのような方々にもご入会いただき、楽しんでいただきやすい仕組みづくりを整備しています」(松林氏)

「お得意様ゴールドカード」の魅力は、外商サービスの利用だけにとどまらない。空港ラウンジはもちろん、東京駅直結で銀座や日本橋が一望できる大丸東京店の「D's ラウンジトーキョー」も無料で利用できるようになるという。

D'sラウンジトーキョーの内装全景

「お得意様専用サロンとして、大丸東京店の11階にご用意しています。落ち着きのある空間で、お買い物の休憩はもちろん、フリードリンクサービス、フィッティングルームも完備し、会員様に喜んでご利用いただいております」(松林氏)

D'sラウンジトーキョーで、日本橋を眺めながらくつろぎのひととき……

大丸・松坂屋各店やオンラインショッピングでのお買い物は最大10%OFFになるなど、クレジットカードとしても優秀な「大丸松坂屋お得意様ゴールドカード」。加入条件について松林氏は、「審査基準は未公開ですが、一般のカードと同様に、20歳以上で日本国内にお住まいの方で、安定した収入をお持ちであればお申し込みいただけます」と話す。外商の世界をのぞくきっかけとして、まずは申し込んでみてはいかがだろうか。

「大丸松坂屋お得意様ゴールドカード」への入会はこちら
【キャンペーン番号】6720221043

About Card

お得意様ならではのサービス・特典とインターナショナルカードならではの利便性を備える

大丸・松坂屋各店やオンラインショッピングでのお買い物は最大10%OFF。ポイントアップデーには、さらに優待率がアップされる。そのほかにも、大切な会食や接待、記念日などさまざまなシチュエーションで和食・洋食・中華まで幅広いジャンルの店舗を予約できるサイト「プレミアム テーブル by 招待日和」の利用が可能。全国200店舗以上のレストランお薦めのコース料理を2名様以上で利用すると、1名様分のコース料理代が無料になるというからうれしい限りだ。年会費は本会員1万1000円(税込み)、家族会員1人につき1100円(税込み)。家族4人まで家族カードを発行できる。