日本とイギリス「コロナ対策」こんなにも違う背景 新規感染10万人でもマスク着用義務撤廃へ

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空港内及び搭乗中のマスクの着用は義務化されたものの、飛行機がロンドン・ヒースロー空港に到着すると、マスク着用以外はコロナ以前と同様の手順で荷物を受け取る最終段階まで来た。スーツケースを手に取って、電車・バスあるいはタクシー乗り場に向かうことができた。接種証明や乗客追跡フォームを出す場面はなかった。

帰宅後は2日目にあらかじめ注文しておいた検査キットを使い、キットの一部をNHSに郵送(無料)。後で「陰性」と証明されたので、通常の生活を続けている。

12月に日本を訪れた際は、ホテルに強制隔離が6日間、その後は公共交通機関を使わずに待機場所に移動し、入国後14日間は隔離待機という厳しい規則に従う必要があったが(1月29日から7日に変更)、イギリスでは帰国後、ほとんど何もしなくてよいのであった。

2月からは、ワクチンを2回以上接種した人の場合、この「2日目の検査」も全国的に不要となる。2回の接種を済ませていない人は、1月いっぱいは帰国後に10日間自主隔離する必要があるが、これは来月からしなくてもよくなる。未接種者は帰国前と帰国後に検査を受ける必要はあるが、結果が陽性でない限り、隔離の必要はない。

つまり、「ワクチンを2回以上接種」し、「検査で陰性」であれば、自由に行き来ができる、ということだ。

国民の自由度を高めた規制緩和

ただ、やみくもにすべてを自由にしたのではない。

海外渡航であれば「ワクチン接種」と「検査で陰性」を条件とするなど、押えるべきところは押えている。また、公共施設内や交通機関利用の際のマスク着用義務も、ロンドンでは市長が継続着用を求めているし、大型店も着用を推奨することで、「規則に縛られず、かつ最低限の線を示す」形をとっている。できうる限り必要度の低い、あるいは防止効果の低い規制を取り除き、国民の自由度を高めた規制緩和と言えるだろう。

日本と比較すると、非常に多い新規感染者数を記録しているイギリス。人口は日本の半分なので、単純計算すれば、毎日20万人近くが新規感染していることになる。日本だったら「一大事」だろう。なぜイギリスの政府は、今、規制緩和に踏み切ったのか。

筆者が見るところでは、日英の国民性の違いがあるように思う。多くのイギリスの国民は上から規則を押し付けられること嫌う。ボリス・ジョンソン首相は特に、である。

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