産業リサーチ(商社) 生き残りかけた統合が進む、小売業など川下再編に重要な役割も

かつて商社はどこもが総合化を目指した。が、経済環境が厳しくなり、すべての部門を単独でやっていくのは難しくなってきた。そこで近年、活発化しているのが部門同士の統合だ。先鞭をつけたのは伊藤忠商事と丸紅の鉄鋼統合。この分野では三菱商事と日商岩井も2003年1月に統合会社・メタルワンを立ち上げた。
 こうした統合は同じ銀行系列同士の提携が多い。大手銀行の合従連衡が進んだことも、これを後押ししている。伊藤忠丸紅鉄鋼はその一例だが、ほかに三井物産と住友商事が建材部門を統合させている。
 UFJ銀行系列の商社の間では特に部分統合が進んだ。同系列では経営不振商社が多く、提携はその生き残り策でもある。ニチメン(旧三和銀行系)とトーメン(旧東海銀行系)は農薬部門を統合。また、日商岩井(旧三和銀行系)とニチメンは情報産業、建材、合成樹脂、化学品、不動産管理などで次々と統合策を打ち出した。
 UFJ系では昨年ついにトーメンと豊田通商が将来の経営統合を目指すことで合意。トーメンは二度目の債務免除を要請するほどの不振会社。統合は豊田通商による救済色が強い。また、日商岩井とニチメンも今年4月に共同持ち株会社を設立して経営統合する方向で作業を急ピッチで進めている。具体的には、間接業務を行う子会社同士を7月に統合、年内中に化学品と合成樹脂の孫会社の再編を完了させる。この他にも事業の選択と集中を図り、2003年度中に全体の3分の1にあたる140~150社の子会社を削減する考え(2002年9月末比)。また拠点数も国内で2拠点、海外で90~100拠点を減らす方針(同上)。3カ年のリストラ計画のうち大半を今期中に実施する考えだ。
 こうした商社同士の合従連衡に加え、近年は上位商社主導による小売業など食品分野の再編が進んでいる。最も熱心なのは伊藤忠商事。特にかつてセゾングループに属した企業を取り込んでいる。コンビニのファミリーマートや牛丼の吉野家ディー・アンド・シーの筆頭株主になったほか、ファミレスの西洋フードシステムズを買収した英コンパスの日本法人にも出資した。
 これに対抗するのは三菱商事で、コンビニのローソンに巨額出資を実施するなどしている。ローソン獲得合戦で後塵を拝した丸紅は、首都圏の食品スーパーを取り込む戦略。マルエツで筆頭株主の座をうかがっているほか、東武ストアにも出資する。住友商事は西友に自らが出資するほか、米ウォルマートの資本参加を仲介するという大技も繰り出している。唯一、三井物産だけは川下展開に消極的である。

(株)東洋経済新報社 電子メディア編集部

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