ダイキンが解説「季節別・上手なエアコン掃除法」

空調専業メーカーに聞く「季節別・掃除の極意」

家の掃除の中でも、おろそかになりがちなエアコン掃除。年末の大掃除の機会などにまとめて掃除するという人は多いのではないだろうか。実は、それは効果的なエアコン掃除とは言えないようだ。だが、どこをどのように、どれくらいの頻度で掃除すればいいかわからない人も多いだろう。そこで今回、エアコンメーカーのダイキンに、おすすめのエアコン掃除方法について聞いてみた。

エアコンを掃除しないと、電気代が「年間25%」余計に

そもそも、なぜエアコンを掃除しなければならないのか。ダイキン工業 コーポレートコミュニケーション室広報グループの重政周之(しげまさ ちかし)氏によると、「快適性の維持」と「節電」という2つのポイントがあるという。

「まず『快適性の維持』のためには、フィルターの掃除が必要です。エアコンは主に暖房や冷房の目的で使われますが、エアコンのスイッチを入れてから室内が設定温度に達するまでの時間の長さや、エアコンから嫌なニオイがしないかどうかが、快適性を左右するポイントです。室内が設定温度に達するまでの時間については、エアコンの基本性能以外に、室内機のフィルターの掃除が深く関係しています。

ダイキン コーポレートコミュニケーション室 広報グループ
重政 周之(しげまさ ちかし)

そもそもエアコンは、室内の空気を室内機に取り込み、暖めたり冷やしたりして室内に戻す仕組み。室内機が空気を取り込む際、空気中のホコリも一緒に吸い込むため、室内機の内部にはホコリを受け止めるためのフィルターが内蔵されています。このフィルターにホコリがたまると、目詰まりしてしまって、吸い込める空気の量が減ってしまいます。つまり、冷やしたり暖めたりできる空気の量が少なくなり、部屋が設定温度に達するまでに時間がかかるため、快適性が下がってしまうというわけです。また、フィルターに積もったホコリは嫌なニオイの原因になる場合もあります。

そしてもう1つの『節電』については、室内機と室外機の双方が関係します。室内機のフィルターが汚れていて、設定温度に達するまでに時間がかかると、その分電気代がかかってしまいます。また、室外機の周辺に物を置いたり、室外機をカバーで覆っていたりすると、空気の流れが妨げられ、熱交換が非効率になってしまいます。室外機の風通しをよくすることで効率的に熱交換ができるため、電気代を抑えることができます」

エアコンの主な仕事は「熱交換」。暖房運転の場合、室外機は周辺の空気を吸い込みながら、空気中から熱を集めている。集めた熱は室内機と室外機をつなぐ配管の中を流れる『冷媒』の流れに乗って室内機に運ばれ、室内機は、室内の空気に運んできた熱を乗せて吹き出す。室内機や室外機の空気の通り道をふさいでしまうと、この仕事がスムーズにできなくなってしまう。それによって快適性だけでなく、エアコンの持つ省エネ性能が損なわれるため、掃除が必要になるというわけだ。

「なお、フィルターを1年間掃除しないと、目詰まりによって電気代が約25%余計にかかってしまうという検証結果もあります」(重政氏)

夏・冬のハイシーズンは「こまめ掃除」

では具体的にどのように掃除すればいいのだろうか。まず、掃除のタイミングに応じて「こまめ掃除」と「しっかり掃除」を意識してほしいと重政氏。

「エアコンには、毎日長時間使用する期間と、あまり使用しない期間があります。毎日長時間使用する期間は主に7〜9月と、12〜2月です。この期間は『こまめ掃除』を、それ以外の期間は、エアコンを本格的に使用し始める前の5月や11月に『しっかり掃除』を行ってください」

まず、エアコンを本格的に使用する時期の「こまめ掃除」の方法はこうだ。

「こまめ掃除は『フィルター掃除』『内部クリーン運転(※)』『室外機周辺の掃除』の3つです。まず、フィルター掃除は、2週間に1回程度フィルターを取り出して、掃除機でホコリを吸い取るという方法で掃除してください。掃除機の吸い込み口は、ブラシ状のものがベスト。先端が鋭いものや床用のもので強く擦ると、フィルターが傷む場合もあるので、あまりおすすめしていません」
※内部クリーン運転とは、室内機内部の乾燥運転。メーカーによって名称が異なります。

「またエアコンがキッチンの近くに設置されている場合は、室内機が油煙を吸い込んでしまうこともあります。そうした場合、フィルターに油汚れが付着しているため、中性洗剤を溶いたぬるま湯と柔らかいスポンジを使って、水で洗い流しましょう」

「続いて内部クリーン運転ですが、これは室内機内部にある『熱交換器』を乾かす運転になります。現在流通しているエアコンであれば、ほぼ備わっている機能です。基本的に冷房や除湿の運転をオフにしたときに、自動で運転が始まります。そのため、『スイッチをオフにしたのに運転が止まらない』と思われる方もいるかもしれませんが、故障ではありません。

内部クリーン運転は、室内機の内部でカビが発生するのを抑えるために欠かせないので、スタートしたら途中で停止せずに、終わるまでそのままにしておいてください。うっかり途中で停止してしまった場合は、リモコンの内部クリーン運転のボタンを押して、再度運転させてください。

最後、室外機周辺には物を置かないようにし、またカバーで覆っている場合は外しましょう」

連続稼働前の5月や11月は「しっかり掃除」

次に「しっかり掃除」について。

「しっかり掃除は、『フィルター掃除』『室外機周辺の掃除』に加えて、『試運転』と『熱交換器の汚れのチェック』をお願いします。試運転は本格的にエアコンを使い始める夏を前に、エアコンがきちんと動くか確認するために行うものです。冷房の最低温度に設定し、40分程度運転させます。

確認するポイントは、『冷房がきちんと出ているか』『運転ランプが点滅していないか』『室内機から水漏れがないか』『異臭や異音がしないかどうか』などです。夏本番になって異常が発覚すると、修理や買い替えがすぐにできず、対処まで時間を要してしまう可能性があります。試運転によって早めに異常が確認できれば、夏本番に備えて余裕を持って対処できます。

また、熱交換器の汚れのチェックは、カビやホコリがたまっていないか確認するために行います。汚れやニオイが気になる場合は専門業者に依頼しましょう。熱交換器部分などをご自身で掃除するのはおすすめしません。熱交換器はとてもデリケートな薄いアルミの素材でできており、折れたり曲がったりしてしまうと、熱交換機能がうまく働かなくなる場合があります。また、故障の原因にもなりかねません。エアコンの構造を理解しているプロにお任せすることが得策です」

「正しい掃除の知識」を習得しよう

ネットで検索すれば、たくさんの「エアコンのお手入れ方法」があふれている。しかしそのすべてが、エアコンの構造や仕組みを踏まえた正しい情報かというと、そうとは言い切れない。

エアコンをはじめとする空調機器は、今では私たちの快適な暮らしに欠かせないパートナーだからこそ、正しく大切に使いたいもの。そこで、ダイキンは生活者にとって有益な情報を発信するべく、動画サイトなどで空調機器の正しいお手入れ方法を紹介している。空調のプロであるダイキンが発信する情報を参考に、正しい掃除方法を実践したい。

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