異業種コラボで、健康診断後の「未来」を変える

データ駆動アプローチで健保加入者が行動変容

ヘルスケア領域における世界規模のデータとテクノロジーを融合し、革新的な価値を生み続けるグローバル企業IQVIA。300万人超の健診・レセプトデータをもとに、AIを活用して“将来の疾病リスク”を統計的に算出するアラートモデルを基軸に展開する、業界横断型の健康支援プラットフォーム事業とは――

疾病リスクのアラート×パーソナル健康活動ポータルで
健診の付加価値を高める

「日本が誇る国民皆保険制度は、“人生100年時代”を支えるインフラとしてもっと活用できる。健保組合による保健事業の高度化に向け、その柱ともいえる健診データの価値は高い」そう語るのは、IQVIAでリアルワールドデータ関連の事業を手掛けるバイスプレジデントの松井氏だ。

健診やレセプトなどのリアルワールドデータをAIを用いて統計的に解析・算出する、まさにデータ駆動で、健診結果から将来の疾病リスクを見える化するとともに、改善効果をシミュレーションできるという。

製薬企業の臨床研究支援での豊富な実績でも知られる同社は、データサイエンティストや疫学者、臨床医など多くの専門家を擁する。データサイエンティストの吉田重人氏は、「5年間で糖尿病、虚血性心疾患、脳卒中になるリスクが平均より何倍高いか統計的に予測する本モデルは、多様な専門家と試行錯誤して完成に至った」と、疾病リスクのアラートモデル開発の苦労を語った。

今回の取り組みでさらにユニークなのが、この疾病リスクを健診結果とともに健保加入者へ通知する際に、リスクレベルに応じて“セルフケア“から”受診勧奨“といった、具体的なソリューションがレコメンドされる仕組みを構築・拡充している点だ。

疾病リスクを通知するQRコード付レポート(レポートおよびポータルの開発・運用・著作権:株式会社エスシーシー)

パーソナル健康活動ポータルと呼ぶポータルサイト(以下ポータル)には、多様な事業者による様々なメニューがラインナップされ、健保加入者は結果とともに通知されるQRコードから簡単にアクセスして、自身に合わせたソリューションを活用できる。

このアラートとポータルを介し、データ駆動で健保加入者の行動変容をサポートする健保組合と、ソリューションを提供する各事業者の双方にとって、人々の健康の実現という共通目的の下、“Win-Win”のアウトカムを望める新たなアプローチについて、参画健保組合・企業にその実際と期待を聞いた。

 

加入者の皆さんに将来喜んでもらえる保健事業に向け、
個別化されたリスクとソリューションで、行動を変える“きっかけ“を提供

IQVIAの疾病リスクのアラートを導入したポイントを、三井物産グループの各企業が加入するMBK連合健康保険組合の多田羅氏はこう語る。

「特定健診が始まった当初から、健診の検査値でリスクを階層化した働きかけや、当年度と一昨年度の結果を比較提示するなど、加入者の動機付けに注力し、一定の役割を果たしてきました。しかし、高リスク者にセミナーや保健指導を案内してもなかなか参加に至らず、効果検証の難しさも感じていました。IQVIAのアラートは、自分の健康状態が将来どうなるのか客観的に捉えられ、より対象者の行動変容に繋がり易いと思ったのです」

その後のフォローの仕組みも鍵となった。「リスクを見てこれはまずいと思ったタイミングで、すぐにポータルにアクセスでき、具体的に何から取り組んだら良いかのヒントを得て、自発的な行動を促す仕掛けは、完成度が高く、その効果も期待できることから、導入を決めました」(多田羅氏)

国によるデータヘルス計画が義務付けられ、健保組合には有効なPDCAサイクルが求められている。「ポータルのアクセスデータが蓄積されれば、どんな人にどんな支援が有効か、新たな施策に役立てられる。加入者の皆さんに、『あの時、未来を変えるきっかけをもらって良かった』、そう思っていただけるよう、より良い保健事業に活かしていきたい」と期待感を込める。

参画企業が知・食・運動など様々なメニューにより“セルフケア”を支援

ソリューションを提供する事業者には、健保加入者の“セルフケア”から“保健指導”“受診勧奨”を支援する多彩な企業が名を連ねる。

食で健康寿命の延伸に取り組むカゴメも、セルフケアを支える1社だ。現在、健康サービス事業として、手の平をセンサーに当てるだけで野菜摂取レベルを測定できる「ベジチェック」の提供など、自治体や企業の健康増進をサポートしている。本ポータルでは、リスクのアラートで食生活を意識しはじめた利用者に、管理栄養士によるセミナーやeラーニング、アプリを用意しているほか、自宅に野菜飲料を届ける企画もあるという。

大阪国際大学で健康産業論の外部講師も務める湯地氏は、従来のマスマーケティングとの違いを「利用者がリスクレベルで細分化されていることで、個々に即したアプローチができることが大きいですね。毎日の食事を少し気遣うのか、細かなカロリー制限が必要か、そのためのレシピや食べ方など具体的に提案することで、結果も出やすいと期待しています」と捉える。

糖尿病や脳卒中、虚血性心疾患リスクを予測する疾病リスクのアラートを通じ、生活習慣の改善をサポートするのはジブラルタ生命保険。もしもの時の備えと同様に、このサービスを通じてお客様の不安に寄り添い、多くの人に安心をお届けしたい、と意気込む。すでに同社は自社の保険加入者に対する“オンライン医療サポートサービス”のメニューとして、疾病リスクのアラートを用いた「生活習慣病発症リスク予測サービス」を提供している。

加入者が、ウェブ上で健診結果を入力し、リスク予測結果を確認することができ、自宅でもオンラインでの医療相談サービスも無料で受けられるという。山口氏は「コロナ禍での受診控えによって、病気の発見の遅れや病状が悪化してしまうケースが増えている今こそ、不安に寄り添いお役立ていただきたい」と手応えを語る。

高リスク者に対する“特定保健指導”や“受診勧奨” に有効

“特定保健指導”を支援するのは『家庭の医学』の出版や、日本初の「人間ドック」の創案など、広く健康サービスを手掛けてきた保健同人社。健保組合や企業の予防領域の事業を強化している。

保健指導事業を担う渡邊氏は、「ある健保組合の調査では、血圧や脂質の値が要治療域にもかかわらず、未治療の割合は7割を超える」と指摘。自覚症状がないため放置する人がいかに多いかがうかがえる。高木氏は、IQVIAのアラートについて、「実際は42歳なのにリスク上は60歳というように、“リスク年齢”の形で示すことはインパクトがあり、自分事化に繋がる」と期待を寄せる。健康啓発、保健指導事業のDX化を進めるなか、ウェブやアプリでの指導との親和性も高く、「画面上で、減量や禁煙でどれくらいリスクが下がるかシミュレーションできる点も、一緒に具体的な目標を立てやすく、動機付けに有用」とし、新たな技術を取り入れ、未病・予防領域の事業を加速していく構えだ。

“受診勧奨”の対象者に向けて、オンライン診療を活用し、早期に治療を開始できるサービスの提供を予定しているのは、インテグリティ・ヘルスケア。日々の健康記録や生活習慣病の治療をサポートするPHR管理アプリ“Smart One Health“をリリースし、ミッションに掲げる、デジタルを活用した治療体験・医療システムの構築を推進する

「高リスク者には同時にソリューション提示が必要。しかし、医療機関の受診は多忙なビジネスパーソンにはハードルがあり、オンライン診療は企業にも従業員にもメリットが大きい。テレワークがニューノーマルになった今、医療へのアクセスを容易にする一手になる」と戸上氏は見込む。「様々なデータを連携・蓄積することで、利用者が効果を実感できるようにし、受診率と治療継続率の両面をサポートしていきたい」とし、治療効果はもとより、経済的効果についてもエビデンスを構築しながら、医療機関にも有効性を訴求しさらなる拡大を見据える。

健康寿命の延伸に不可欠なプラットフォームを目指す

IQVIAでこの事業をリードする大木氏はさらに高みを目指す。「自治体や健康経営に取り組む企業への導入拡大とともに、ソリューション支援事業者のネットワークを拡張し、予測モデルの種類も拡充していきます。健康寿命延伸という社会課題に対し、なくてはならないプラットフォームとして、業界横断でビジネスと人々の健康をご支援していきます」

疾病リスクのアラートやポータルをはじめ、様々なデータやテクノロジー、ステークホルダーを繋ぎ、ヘルスケアの専門性や高度な分析力を結集して新たな“解”や”洞察“を導くIQVIA。人々の健康を追求し、常に進化する同社の挑戦から目が離せない。

疾病リスクのアラートモデルは、健保加入者等利用者さま個々の健康診断結果データと、300万人超の健診・レセプトデータ等のリアルワールドデータをもとに、今後5年間で糖尿病、虚血性心疾患、脳卒中になるリスクが、同姓・同年代の平均に比べて何倍高いかを、AIを活用して統計的に解析・算出するものです。また、ソリューションとしての保健指導は厚生労働省の手引きに沿って、受診勧奨は各医学会の治療のガイドラインに則して、それぞれ健保組合等により行われます。また、疾病リスクのアラートモデルによる疾病リスク情報の提供は、利用者さまの個別の健康状態に対して医師の医学的判断に基づく疾病の診断、およびモデル独自の医学的判断や診断を行うものではございません。
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