商品開発から購買体験までを変革するツールとは

顧客接点、スピード、環境の経営課題に応える

コロナ禍により消費者の購買スタイルが大きく変わりつつある。Eコマースの台頭もその1つだ。さらに、ここにきて、売り上げを伸ばしているEコマースに共通する特長が見られるという。それは「バーチャルフォト」と呼ばれる3D画像の活用だ。 

商品の画像がEコマースの売り上げを左右する

3Dは、映画やゲームなどのエンターテインメント業界では早くから使われてきた。これらの業界では、実写と見まがうばかりの3D映像は作品そのものといっていい。ただし、実製品を提供する業界でも、社内での検討やプロトタイプ(試作品)として3Dを活用するところはあった。

今、その3Dが一般消費者向けに広く導入されようとしている。背景の1つがコロナ禍だ。実店舗でのショッピングの機会が大幅に減少したことを機に、Eコマースが加速度的に成長している。さらに、実際に商品を見ることが難しい状況になっている現在、今まで以上にEコマース上にある商品画像が重要になってきているという。実際に、写真点数の多いサイトのほうが売り上げが大きく、また返品率も減少するという調査データもある。

だが、写真点数を増やせばいいといっても、実現するのは容易ではない。コロナ禍により撮影スタジオを利用することが難しくなっている。さらに「密」になって長時間撮影することも困難だ。コストもかかる。その課題を解決するものとして3Dの「バーチャルフォト」が注目されているのだ。

ある大手の家具・生活雑貨店のオンラインストアをのぞいてみよう。ソファの写真を見ると、クッションの布地のシワなども細かく表現されており、これが3D CGのバーチャルフォトだと言われてもにわかには信じがたい。さらに同社のカタログの75%は、実物の写真ではなくバーチャルフォトで構成されているというから驚く。

3Dのバーチャルフォトは、撮影コストを大幅に削減できるだけでなく、商品化が決まったものが、即座にカタログやECサイトに反映できるというマーケットへの展開スピードにも大きな特長がある。さらに3Dデータを活用することでVR(仮想現実)やAR(拡張現実)などのコンテンツも容易に作成できる。まさに、顧客とのタッチポイントを増加することができるわけだ。ARを用いた店舗でのサンプル表現など、ECと店舗の連動もできるだろう。

3Dのバーチャルフォトを簡単に作成できるツールも登場している。アドビが提供する「Adobe Substance 3D」もその1つだ。

3Dバーチャルフォトをビジネスに活用した成功事例も生まれている。スポーツ用品大手ミズノが商品開発や販促において3Dバーチャルフォトを活用。従来のサンプル作成をバーチャルフォトに置き換えることで、デザインプロセスの効率化のみならずサステナブルな開発も実現したという。

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