クリエイティブ思考「できる」「できない」の差 延べ6000人が受講した教育プログラム

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これまでに延べ6000人が受講した、クリエイティブディレクター養成教育プログラム「THE CREATIVE ACADEMY」の第3弾が10月7日から始まる。クリエイター職に限らず、あらゆる業界・職種の人たちに門戸が開かれており、これからのビジネスに必須とされる「クリエイティブ思考」が身に付けられる同プログラム。主催するThe Breakthrough Company GO代表の三浦崇宏氏に話を聞いた。

──過去2回で延べ6000人も受講しています。なぜ、それほど多くの人が集まるのでしょう?  

三浦 理由はいくつか考えられますが、1つには、終身雇用が崩れて転職が当たり前になってきたことで、どんな業界・職種でも通じる、基礎的な発想力や企画力、深く思考する力みたいなものに対するニーズが高まっていることがあります。

もちろん、「THE CREATIVE ACADEMY」(以下、TCA)は、第一線で活躍する講師陣から、クリエイティブの極意を学べるということも大きいのではないでしょうか。実際、TCAをきっかけに、広告会社に転職したり、広告賞を受賞したりする人も出ています。

──TCAならではの特徴は?

三浦 これまでにもクリエイティブについて学ぶ、社会人や学生向けのスクールはたくさんありましたが、基本的に広告業界の人やそこを目指す人に向けたものでした。

それに対してTCAは、広告業界はもちろん、あらゆる業種・職種のビジネスパーソンを対象としています。講師陣も大手広告代理店やフリーのトップクリエイターをはじめ、大手出版社や経済メディア、事業会社のマーケティング責任者の方など、広告以外の業界で活躍する方々も講師に迎えています。

「想像し、創造する力」が必要な理由

──なぜ、広告業界以外にも門戸を開いているのでしょうか?

三浦 技術がどんどん進化し、製品やサービスが差別化しづらくなっていることがあります。電化製品なんかを見るとわかりやすいのですが、わずかな品質や機能の差で競い合っている状態ですよね。その結果、スペックや効率重視のマーケティングから、感性、コンセプト、デザインといった、いわゆるクリエイティビティーを求める方向性に変わりつつあるんです。

実際、デザインが飛び抜けていいものや、コンセプトがいちばん面白いものが選ばれる時代になってきています。そういう意味で、これからのビジネスには、これまで必要とされてきた能力とは異なるクリエイティビティーが重要になると考えています。

──クリエイティブな能力は、ビジネスの現場で具体的にどう生きるのでしょうか?

三浦 われわれは、クリエイティビティーを「想像し、創造する力」と捉えています。ビジネスの現場では、とかく「自分都合」になりがちです。例えば、「スペックを突き詰めました」「どこよりも多機能です」「超低価格にしました」といって製品・サービスを売り出したものの、実は顧客が真に求めているものとはかけ離れているといったケースは多々あります。結果として、デザインやコンセプトが突出しているものに負けてしまう。性能では負けていなかったはずの日本のメーカーが、アップルの革命的なデザインとコンセプトに負けてしまったように。

そこで求められるのが、「想像する力」です。お客さんは今、どんな気持ちで、どんなものなら幸せな気持ちになれるのだろうと「想像」する。また、今後こうなるんじゃないかと、少し先の未来も「想像」する。そして、そのイメージに沿って業態やプロダクト、デザインを「創造」する。他者の感情や未来を想像し、あるべき形態を創造する。この力こそが、クリエイティビティーであり、今のビジネスで最も求められているものだと思います。

ここ数十年で日本企業は、アップルやダイソンをはじめとする“消費者の気持ちを本当に考えた商品”に、市場を奪われてしまいました。今こそ日本のビジネスパーソン全員で、それを取り返しにいくタイミングではないでしょうか。

日本のビジネス全体のレベルを底上げし、活性化させる

──デザインやコピーライティングなどのクリエイティブワークは、社外の専門家に任せればいいとの考え方もあります。

三浦 TCAでいちばんお伝えしたいのは、単なる制作や表現の「技術」ではなく、いかに顧客や社会のことを考えてビジネスを展開するかという「思考法」です。これはクリエイターに限らず、宣伝部、事業部、商品開発部、経営層など、あらゆる場面で必要になります。

TCAは、日本にクリエイティブ思考を持ったビジネスパーソンを増やしたいという思いでスタートした事業です。クリエイター職はもちろんですが、それ以外のあらゆる業界・職種の方々が、クリエイティビティーを身に付けることで、日本のビジネス全体のレベルが底上げされ、どんどん活性化する。それを実現したいと考えています。

また、われわれは、オンライン上でのコミュニティーづくりも積極的に行っています。GO所属のクリエイターが手がけた企画の裏側や気になるニュースを紹介したり、受講者間のコミュニケーションを支援したりしています。私自身もそうでしたが、自社以外のビジネスパーソンとの交流は意外と少なく、何をやっているのかわからない。TCAを通して、受講者同士が互いに技術交流することで、日本のビジネスをさらに活性化してほしいですね。

──前回からアップデートした点は?

三浦 今回から、過去の講義を視聴できるプランを新設しました。受講経験のある方であれば、過去2回のTCAで実施した約30人の講義も含め、全講義をアーカイブ視聴できます。一部の講義を見逃してしまった、特定の講義を繰り返し見たい、昨年参加できなかったあの講義をどうしても見たい、といったニーズにもお応えできるようになりました。

──受講を考えている読者にメッセージをお願いします。

三浦 自分の成長に不安を覚えている方や、仕事や事業に行き詰まりを感じている方にはぜひ、トライしていただきたいです。今までとはまったく違う思考法を身に付けることで、ブレークスルーのきっかけを見つけていただけるのではないでしょうか。

思考法を身に染み込ませるには、実践が何より重要です。ぜひ講義で得た内容を、ビジネスの現場でどんどん試していただきたいです。

これまでの1年の受講者は延べ6000人なので、10年やれば6万人です。研ぎ澄まされた感性とクリエイティビティーを身に付けたビジネスパーソンが10年後に6万人いると考えると、ワクワクしてきます。ぜひ、そのワクワクする世界を一緒につくりませんか?

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