PC選びが自社の「脱炭素」に貢献する意外なワケ

「原料調達」まで配慮すべき時代がやってきた

2015年に国連サミットで採択されたSDGs(持続可能な開発目標)。目標達成期限の30年まで10年を切った現在、SDGsの目指す世界を実現するため「脱炭素」への取り組みがグローバルレベルで加速している。この大きなうねりの中で、企業はどのようなアクションを取るべきなのか。改めてSDGsおよび脱炭素への取り組みが経営にもたらす影響と、どのようなアプローチが考えられるかを整理する。

ESG投資は4年間で55%も増加している

世界中でSDGsおよび脱炭素への取り組みが進んでいる背景には、2006年に提唱された責任投資原則(PRI)の存在がある。機関投資家に対し、財務指標だけでなくESG(環境・社会・統治)の視点を組み入れるべきとしたもので、署名した機関数は21年6月に4000件を突破。06年当時、約8.5兆ドルだった資産残高は総額100兆ドル超と10倍以上となっている。

ESG投資額の伸びも右肩上がりだ。世界持続的投資連合(GSIA)によれば、20年のグローバルでのESG投資額は35.3兆ドル(約3900兆円)。4年間で55%も増加しており、世界中の資金がSDGs・脱炭素の取り組みに流入しつつあることがわかる。

欧州の数値は下がっているものの、「サステイナブル」の定義が修正され、過去との比較が難しくなっている(出典:GSIA)

日本政府も当然このトレンドを重視している。20年10月に「50年カーボンニュートラル」を宣言して国として脱炭素に取り組む姿勢を打ち出し、21年4月には「30年度までに温室効果ガスを13年度比で46%削減する」という意欲的な目標を掲げた。さらに同月、グリーンボンド(環境債)の取引市場として「グリーン国際金融センター」構想を発表。国内外の資金を呼び込むための基盤整備を急ピッチで進めている。

これらの動きから明らかなのは、SDGsおよび脱炭素への取り組みが、「地球のために」というようなある種の「きれいごと」ではなく、もはや企業価値に直結しつつあるということだ。温室効果ガス排出量の減少量や脱炭素施策が株価に反映される例も目立つようになってきた。

これは、サプライチェーン全体に関わってくる問題のため、発注元企業は「リスクをもたらす取引先」に目を光らせなければならないし、発注先企業は排除されないように自らの事業を再点検しなければならない。

カーボンネガティブに挑むマイクロソフト

こうした時代の変化をいち早く捉え、企業ポリシーとして実装して具体的な取り組みを加速させているのがマイクロソフトだ。同社はそもそも、脱炭素への取り組みでは世界で最も野心的。各国政府をはじめ、多くの企業が温室効果ガス排出量を相殺して“実質ゼロ”にする「カーボンニュートラル」を目指す中で、2020年1月にその強化版ともいえる「カーボンネガティブ」(CO2排出量よりも、「CO2を大気中から取り除く量」を多くすること)を30年までに達成すると宣言している。

加えて、「1975年の創業以来、直接的および電力消費により間接的に排出してきたCO2 の環境への影響を 2050 年までに完全に排除」すると表明。これまで残してきた炭素の足跡(カーボンフットプリント)をすべて消すという。

(出典:マイクロソフト)

こうした姿勢は、全世界へ提供するプロダクトにも当然反映されている。中でも注目したいのが、今やどのような業務でも欠かせない存在となったPCデバイスだ。日本マイクロソフトの白木智幸氏は、その取り組みを次のように明かす。

「30年までに、『Microsoft Surface(サーフェス)』を100%リサイクル可能にする計画を進めています。すでに、19年10月に発売したSurface Laptop 3は、91%がリサイクルできます。梱包材に関しては、25年までに100%リサイクル可能素材を使用し、使い捨てプラスチックも排除します」

リサイクル素材を製品へ活用することも積極的に進めている。例えば、作業環境を快適に拡張できる周辺機器として人気のあるSurface Dock 2は、すでに20%のリサイクル素材を使用。海を汚染するだけでなく、生態系への影響も懸念されている海洋プラスチックごみ問題にも取り組んでいる。

「マイクロソフトは、SABIC 社とのコラボレーションにより、海や水路から回収した海洋プラスチックをリサイクルし、これを 20% 素材に利用した製品『Microsoft Ocean Plastic Mouse』を 21年9月に 発表しています」

プロダクトの素材だけでなく、実際に使用される状況まで視野に入れ、エネルギー消費量まで配慮している点にも注目したい。18年10月発売のSurface Pro 6と20年1月発売(日本)のSurface Pro Xでは、推定年間総エネルギー消費量を28%も削減。オフィス機器の国際的な省エネルギー制度「ENERGY STAR」のほか米国電子製品環境評価基準「EPEAT」も取得している。

「Surfaceは、モダンスタンバイという機能を搭載しています。スマートフォンのように、何らかの通知があればすぐにオンの状態になりますので、小まめに電源をオン/オフして消費電力を最低限に抑えつつも、快適に使うことができます」

白木氏は、こうした性能を持つ省電力デバイスの仕組みを実現するには、プロセッサーやチップセットレベルでチューニングする必要があると話す。しかも、Surfaceの温室効果ガス排出量を「利用時」と「製造時」で分けると前者が2割、後者が8割だという。つまり、「製造時」に当たる8割の温室効果ガスを、マイクロソフトが適切に処理すると宣言しているのと同義だ。そう考えると、デバイスの選択で脱炭素への貢献度合いが変わってくるといえるだろう。

※一般向け(コンシューマー向け)アクセサリとして10月5日より順次出荷開始

人権リスクや原材料調達にもきめ細かく配慮

さらに注目したいのは、脱炭素のみならずサプライチェーンの全工程で「人権リスク」を適切に管理していることだ。白木氏は次のように説明する。

「過重労働や環境衛生リスクを防ぐためホットラインを設置しているほか、厳格な監査体制により保持しています。実際に20年度には従業員に対して採用手数料の返金や不十分な賃金の支払いを行っており、従業員の方々が安心して働ける環境を整えています」

この姿勢は、原材料の調達でも貫かれ、成分レベルで適切に管理していることをレポートとして一般に公開している。時々刻々と変わる国際情勢の中で、危険な環境での労働や、児童労働等の状況を防ぐための常時適切なアセスメントを実施して調達・製造に取り組むことは決して簡単ではない。

「私たちはこの取り組みを、『Integrity Built In(誠実さを組み込む)』と表現しています。ビジネスパーソンの皆さんが企業活動を展開するとき、その道具であるPCがパーパスやビジョンを支えるものでなくてはなりません。そういった意味で安心して使っていただけるデバイスを提供することが、マイクロソフトの使命だと思っています」

今後ますます不確実性が高まっていく時代に、「Integrity」を備えたデバイスは、1つのツールにとどまらない価値を発揮するのではないだろうか。

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