「戦略人事」推進へ、ライオンがDXで見せる本気 人事労務部門悩ます「労務手続き」の大きな負荷

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労働人口の減少などを背景に、企業における戦略的な人材活用の重要性が高まっている。一方、人事施策の企画・推進を担う人事労務部門の業務はすでに膨大で、リソースを「戦略人事」に回しにくい現状がある。クラウド人事労務ソフトを提供するSmartHRの調査によると、一般的な企業では年末調整や入退社手続きといった労務手続きに年間421時間、営業日に換算すると約2カ月分もかかっているという(※)。ここに費やされていた人的リソースを軽減し、戦略人事に再配分しようと考えたのが、大手生活用品メーカーのライオン。その変革の軌跡を追った。
※クラウド人事労務ソフト「SmartHR」を利用中の企業の利用状況・従業員構成比などを参考に、100人規模企業を想定して算出

 紙ベースの手作業が多く「人材開発に注力できない」

オーラルケアをはじめとする生活用品メーカーのライオンは近年、積極的に人事改革を進めている。2019年7月には「働きがい改革」を宣言。ニュースでも大きく取り上げられた「副業解禁」のほか、キャリア設計を考える機会を提供する「キャリアデザイン・サポート」の開始、自身の納得感を高めて働きがいにつなげる「多面行動能力測定」の導入など、さまざまな人事施策を展開している。

「人材の流動化が進んでいる現在、柔軟な働き方と仕事を通じた自己成長を両立できる環境整備が企業に求められています。人材確保の競争激化に備えるためにもスピーディーな『働きがい改革』を実行することが重要だと考えています」

そう話すのは、同社人材開発センター 報酬マネジメントチームのチームリーダー、川名潤氏。従来の人事部から部署名を人材開発センターに変えたのも、採用や異動に関わる部署というイメージを刷新し、能力やキャリアなど人材の開発機能を強化する方向性を示すためだという。

一方で、人材開発センターの主要業務の1つである「労務手続き」は紙ベースの手作業が中心で、非効率であるのが課題だった。とりわけ、全従業員から紙の書類を回収する年末調整業務には多大な人的リソースが割かれるため、人材開発業務に力を注げない状況があった。

「日常業務に忙殺されてなかなか変革が進められませんでしたが、コロナ禍で在宅勤務が急速に広がったことで、従来の紙ベースの年末調整業務は困難と判断し、新たな労務管理システムの導入を決めました」(人材開発センター 報酬マネジメントチームの渡部美香氏)

導入したのは、ペーパーレスを実現するクラウド人事労務ソフト「SmartHR」。検討開始から2カ月弱というスピード導入にもかかわらず、直後に開始した年末調整業務はスムーズに完了。作業時間は半減、紙の使用量は約3分の1まで削減したという。成功の秘訣は何か。ライオンの取り組みの詳細は、こちらのページから無料でダウンロードできるPDFにまとめているので、労務手続きを効率化したい人はぜひ参考にしてほしい。

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