「親友と同じ女性を好きになった人」への処方箋 痛みや葛藤を知る人ほど「優しい大人」になれる
「好き」になる感情は、自然発生的なもので、これは人間の力ではどうしようもありません。
感情自体は、「神の領域にある」と言ってもいいくらいです。そこからどう行動するかですが、あなたが引き下がれないくらいに彼女のことが好きなのであれば、正直に、親友に打ち明けるしかないでしょう。それでもし彼女が、親友よりもあなたのほうを選んだのなら、それは仕方ないことです。
そのことで親友から絶交されるのであれば、それは親友でもなんでもなくて、それだけの関係だったということです。若いうちはなかなかできることではないですが、自分にとってとても大切な親友が幸せになれるのだとしたら、そのことを祝福できるのが、ほんとうの友情というものではないでしょうか。
ただ、親友に黙って彼女にアプローチするのは、卑怯な行為です。それは、親友に対する裏切り行為です。同じ女性に恋愛感情を持つこと自体が、裏切りなのではありません。親友に対して誠実でいないこと、嘘をつくことが、裏切りなのです。
恋愛で傷つくことを恐れなくてもいい
若いときはとくに、恋愛という体験のなかで、さまざまな感情や葛藤を経験することが多いでしょう。「こんなことを言ったら、相手はなんて思うだろうか」「わたしのことを、どう思っているのだろうか」「どうしたら、もっと好きになってくれるだろうか」
ときには、相手に傷つけられたり、さみしくてたまらなかったり、悲しい思いをしたりすることもあります。さまざまにゆれ動く感情に圧倒されて、つらい気持ちなることもあるでしょう。
「なぜ、こんなつらい思いをしなければならないのか。こんなに悲しむくらいなら、好きにならなければよかった」。そんな風に思うこともあるでしょう。
しかし、聖書のなかに、こんな言葉があります。
恋愛では、喜び、悲しみ、怒り、せつなさ、さみしさ、とにかくさまざまな感情を経験します。良い感情だけでなく、つらい感情もたくさんあります。しかし、一度もこころの痛みを感じたことがない人が、誰かの痛みを想像できるでしょうか?
一度も、悲しみを感じたことのない人が、誰かの悲しみに寄りそってあげられるでしょうか? 恋こがれるせつなさを知らない人が、誰かのせつなさを慰めてあげることができるでしょうか? できないと思います。
人間は、さまざまな感情を経験することによって、それだけほかの人の喜びや悲しみもわかってあげられるようになるのです。
若いうちは、大いに恋愛で傷ついていいと思います。傷つくことを恐れない。さまざまな葛藤や痛みを経験した人ほど、優しい大人になることができるのです。
ログインはこちら