海外通販ビジネス成功のカギは、国際物流にあり

効率化や差別化を導く輸送ソリューションとは

パンデミックで人の流れが制限される中、「越境EC」に対するニーズが各国で高まっている。その成長を支えているのが国境を越えて安定的かつスピーディーに商品を輸送し、顧客の要望に応じた配送方法や返品を担う国際エクスプレスサービスである。中でも世界220以上の国・地域をカバーするDHLでは早くから越境ECへの対応に注力し、さまざまな取り組みを行ってきた。越境ECを取り巻く環境についてDHLジャパンのトニー カーン社長に話を聞いた。

越境ECで売れる商品の共通点とは何か?

新型コロナウイルスの感染拡大をきっかけに、インターネットサイトを通じて国境を越えた電子商取引を行う「越境EC」のマーケットが成長していると言われる。

ただ実際にはコロナ禍以前から越境ECは拡大し続けていたと、DHLジャパンのトニー カーン社長は指摘する。同社は、世界220以上の国・地域をカバーする国際物流会社だ。

DHLジャパン
代表取締役社長
トニー カーン

「DHLで、最初に越境ECの取り扱いが伸び始めたのはイギリスやオーストラリアからで、その背景にはスマートフォンの普及により、若い世代が『こんなに簡単に海外から買い物ができる』と気づいたことがあります。DHLではその経験を他の国・地域でも生かそうと取り組んできました」

もちろんコロナ禍も越境ECの成長に大きな影響を及ぼしており、利用者の年齢層が高齢層にも拡大した。ただし、DHLのデータによれば、世界では越境EC利用者が、オンラインショッピング利用者の50%を超えているのに対し、日本ではその半分にも満たない。見方を変えれば日本ではオンラインショッピングや越境ECがまだまだ増える余地があり、実際に業績を伸ばしている事業者は多いという。

「越境ECを伸ばしている事業者の共通点は単に売っているモノがいいだけではなく、商品の背後にストーリーや日本ならではの特徴、海外の人々とのリンクが存在することです。例えば日本の素材に魅せられて来日した香港のシェフはパンデミックでお店が営業できなくなり、日本の干し貝柱や干しエビ等の素材を使用したXOソースを作り越境ECで海外に販売したところ、世界中の食通に一気に売れました。決して安くはない価格ですが、いま日本に来たくても来られない海外の方に人気を博したのです」

それだけではない。京都でフランス人経営者が作っているお弁当箱が海外で人気を集めているという事例もあれば、抹茶味など、日本で市販されているさまざまなチョコやスナックをアソートしたお菓子の詰め合わせが、サブスクリプション型のビジネスで、毎日DHLから数千個単位で発送されるほど売れているという話もある。

越境ECを支えるDHLの強み

ファストフード店ですぐ買える商品が、さまざまな食材を世界中からスピーディーに集める物流機能が背後にあって成立しているのと同様に、越境ECの成長を支えているのが国際物流ネットワークである。

経済産業省がまとめた電子商取引に関する市場調査によると「米国消費者がインターネットショッピングにおいて重視する事項」として挙げられている上位5項目のうち、「配達のスピードが速いこと」「配達プロセスが容易なこと」「返品が簡単なこと」と3項目が配送に関する事項だった。

注文してすぐ欲しい商品が届けば消費者の満足度は高まるが、届くまでの時間が長すぎると購入者は商品に対する興味をなくし、場合によっては不要になることもあるだろう。また、消費者の都合に合わせた商品の受け取り方ができなかったり、商品を気に入らなかった場合の返品が容易にできなかったりすると、消費者が注文を躊躇してしまう。

こうした利用者のニーズに応えるため、DHLでは荷物の受け取り方法や配達日を柔軟に選択できるオンデマンドデリバリーというスマートフォンのツールや、配達時のキャッシュレス決済を国際エクスプレス業界では先陣を切って導入を進めてきた。

加えて世界220の国・地域で展開しているエクスプレスサービスによる配送のスピードや安定性がDHLの強みである。

一般的な荷物であれば最短でアジア主要都市は翌日、ヨーロッパやアメリカでも翌々日に届き、物流の混乱しているようなときでも、比較的安定して輸送が行われる。

2020年4月、世界的な新型コロナウイルスの感染拡大に伴い航空機の減便、運休が相次ぎ、そのスペースを借りて輸送を行っている国際郵便では遅延や引受停止が発生したが、自社で輸送用航空機を保有、運航しているDHLの国際エクスプレスサービスは止まることがなかった。

「海外から物品の修理を引き受け、返送するビジネスを行っているある中小企業のお客様から『パンデミックで物流が止まりどうなるかと思ったが、DHLが動いているからビジネスが継続できた』とお礼を言っていただくなど、コロナ禍では多くのお客様から感謝の言葉をいただきました。日本国内においても成田、中部、関西の主要な3空港をカバーしているのはDHLだけで、18年に台風で関西国際空港が閉鎖された時も荷物を他の空港に陸送し、物流機能を維持してまいりました」

日本市場への投資を継続し輸送品質を向上

こうした輸送品質やサービスの向上と並行して、DHLではサステイナビリティーの取り組みに注力している。17年に物流企業としては最初に「2050年までに温室効果ガスの排出をゼロにする」とゼロエミッションの具体的なターゲットを明確にした。

この8月に米Eviation社に完全電気式の貨物航空機を12機発注し24年に受領すると発表したほか、日本においては配送用の電動バイクを10台導入。今後も電気自動車等の導入で温室効果ガス排出削減を進めていく予定だ。

高品質のサービスや環境への投資は、一方で費用の高さにつながるのではと心配する事業者がいるかもしれないが、それは杞憂であるとカーン社長は言う。

「DHLのサービスはスピードや配送品質に定評があり、お客様から『購入者からの問い合わせやクレームが減って業務改善やコスト削減につながった』『顧客から次もDHLで送ってほしいと頼まれた』といった声をよく頂戴しています。われわれはもともと企業間輸送の B to B がメインで重量貨物を大量にご出荷いただくお客様も多いのですが、最近は越境ECなど軽量貨物を出荷するお客様が増えているため、軽量帯の価格を引き下げた越境EC利用者向けの料金体系を整備し、多様なお客様に合わせた柔軟な価格設定を行っています。また、郵便事業者は今年に入り一部サービスの値上げをしたため、国際エクスプレスサービスとの価格差は縮小しています」

世界の中で日本は最も重要なマーケットの1つであり、物流センターや輸送機器等のインフラやデジタル化、そして人材への投資を今後も継続して行い、サービス品質の向上を実現していくとカーン社長は力強く語った。

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【お客様の声 その1】

プロスペクトフィールド株式会社
代表取締役
原田真帆人
業種:日本製デニムアイテム(ブランド名:Denimio)の国内・海外販売

創業時から製法にこだわった日本製のデニムを販売しています。約80カ国へ発送しており、製品のクオリティーに負けない輸送品質が重要ですが、その点DHLのサービスには満足しています。注文から2〜3日で届くスピードは購入者に驚きも届けています。輸送状況の案内や返送のしやすさなど、購入者の視点に立ってみても、DHLには海外通販に便利なサービスが数多くあると思います。

【お客様の声 その2】

White Rabbit Japan
オフィスマネージャー
田島実花
業種:日本のアパレルやカルチャーグッズなどの海外販売・購入代行

海外からの、さまざまな購入の要望に応える購入代行ビジネスが拡大しています。取り扱う商品や仕向国が増え、貨物サイズも大きくなったことで、DHLの利用を開始しました。コロナ禍では、DHLと取引をしていなければ事業を継続できませんでした。DHLは通関手続きを含めスピーディーで速く届く分、輸送時のトラブルが少ない印象があります。複数の配送オプションを用意していますが、商品の価値が上がるほどDHLを選択されるお客様が多いです。 (敬称略)
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