三井住友カード

「経費精算がなくなる時代」は確実に近づいている

ビジネスキャッシュレス実現に向けた戦略とは

コロナ禍が長期化する中で、企業におけるDX(デジタルトランスフォーメーション)の重要性は高まるばかりだ。しかし、請求書や領収書といった紙書類の処理や現金の仮払いのためだけに出社を余儀なくされるケースは未だに多い。そうした現状を打破する仕組みを整えるため、2020年9月に戦略的業務提携を締結したのが、日本最大級のクレジットカード会社でキャッシュレス決済のリーディングカンパニーである三井住友カードと日本の経費精算市場でトップクラスのシェアを誇るコンカーだ。ビジネスシーンのペーパーレス化・キャッシュレス化を通じたDX支援で「経費精算の完全自動化」を目指すという両社のキーパーソンに、実現への道筋と具体的な戦略を聞いた。

先進国最下位の生産性を向上させるために

――現在の日本企業を取り巻く環境と、抱えている課題についてどのようにお考えでしょうか。

三井住友カード株式会社
法人決済ビジネス部(東京)
部長代理
榊原 幹郎

榊原 コロナ禍によって、在宅勤務を含むテレワークがニューノーマルなビジネス環境として定着しつつあります。

一方で経理、財務などのバックオフィスにおいては、「紙」の処理やハンコの押印、小口現金管理といった出社を前提とする業務の存在が浮き彫りとなりました。BCPの観点からもテレワークに移行できないのは問題ですし、非効率でもありますから、間接業務自体の改革まで踏み込んだデジタル化の推進が課題になっていると考えています。

足立 デジタル化への対応自体は、ほとんどの企業で積極的に進めています。ただし、どうしても売上や原価、生産に直結する直接業務に重点が置かれ、間接業務への危機意識が薄く、改善へのアプローチが先送りされているのが現実です。

とりわけ経費精算は、間接業務の中でも非常にデジタル化しやすい領域であるにもかかわらず、売上に直結しないため「あえて現状を変える必要はない」と決めつけられがちです。

榊原 経費精算がデジタル化しやすいのは本当にそうですね。従来は、領収書を申請書に貼り付け、表計算ソフトに入力したデータをプリントアウトしていたのが、コーポレートカードの利用データをコンカーの経費精算システムに自動連携するだけで終わってしまうわけですから。しかも経費精算は全従業員が関わるうえ、すぐに変化を実感できますから、業務改革の第一歩としても最適です。

足立 日本の労働生産性は低く、長らく主要先進7カ国で最下位を続けています。生産性を上げて日本企業の競争力を高めるには、業務効率を向上させるデジタル化の促進が必須です。ただでさえ経費精算は、本業とはかけ離れた手間がかかる業務です。コンカーとしては業務をラクにするだけでなく、完全に「経費精算をなくす」世界を実現させたいと思っています。

経費精算の入口から出口までカバーする提携

――両社とも、これまでそれぞれのサービスを通じて企業の業務効率化を支援してきました。なぜ、ここにきて戦略的業務提携を締結したのでしょうか。

株式会社コンカー
デジタルエコシステム本部 ビジネス戦略部
アライアンスエグゼクティブ
足立 安希夫

足立 経費精算業務のデジタル化を進めるうえで、データの発生元となるコーポレートカードとの連携強化は必須の取り組みだと以前から考えていました。現在でも連携という観点で業務効率は図れておりますが、実運用の観点で見ると申請者の手入力が残っています。コーポレートカードと経費精算システムを単に連携させるだけでは、コンカーが目指している「経費精算をなくす」世界は実現できたと言えないからです。

榊原 現状カード利用データは十分に活用されているとは言えず、経費精算システムへ還元する項目をもっとリッチにすれば、企業様の業務効率化にさらに貢献できると考えておりました。例えば高速道路や航空機、タクシーチケットを利用した際の発着地情報は、経費精算申請をするときに手で入力されているケースがほとんど。経費精算システムとコーポレートカードを連携させることで経費精算の作業は大幅に削減できますが、さらに徹底的に「手入力」を排除し、「日本から経費精算業務をなくしたい」という思いです。キャッシュレスの推進と合わせて、コンカー様との戦略的業務提携で日本企業のデジタル化による変革の実現を目指していきたいと考えています。

足立 以前は、たとえキャッシュレス決済を利用しても、紙の領収書を原本として保管する必要があり、ビジネスシーンのペーパーレス化・キャッシュレス化を阻害していました。

ところが、2020年10月の電子帳簿保存法改正で、カード利用明細のデジタルデータが紙の領収書の代替として認められるようになりました。法規制上、「ビジネスキャッシュレス」を阻害するものがなくなりましたので、過去の連携実績が最も多い三井住友カード様と戦略的業務提携を結び、入力・紙・承認をすべてゼロにする経費精算業務の完全自動化のためのサービス開発に共同で取り組んできた次第です。

国内初! タクシーや高速の詳細情報を
Concur Expenseへ自動連携

――具体的にはどのようなサービスの開発を進めているのでしょうか。

榊原 少しでも早くお客様企業の業務効率化に貢献するため、利用頻度が高く、かつ手作業が発生する項目を洗い出しました。

まず取り組んだのがデータ連携機能の拡充です。2021年3月には「高速道路の出入口情報」「ユーザーの英字氏名」「請求日データ」、同9月には一部制約がありますが、「国内線の発着空港の情報」「タクシーチケット乗降地情報」の項目を追加予定です。三井住友カードのコーポレートカードで決済すれば、これらの情報が自動的にコンカーの経費精算システム(Concur Expense)へ連携しますので、入力項目の削減とチェック作業の効率化につながります。

なお、「三井住友カード×コンカー」のソリューションを導入すれば、1従業員1回当たりの経費精算処理時間は7分と試算しています。現金仮払いだと60分、立替払いだと30分との試算なので、かなりの業務効率化につながることがご理解いただけると思います。

足立 ちなみに、この項目数拡充によって、コンカーにおける三井住友カードのデータ連携項目数は国内最多となりました。

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※上記すべてVisaが提供するVCF(Visa Commercial Format/全世界共通のクレジットカード利用データ等を経費精算システム等へ還元するサービス)を通じてConcur Expenseへデータ連携した場合のみ可能
※「国内線の発着空港の情報」は全日本空輸株式会社が提供するANA@desk、日本航空株式会社が提供するJAL ONLINEをご利用いただいた場合のみ連携可能。「タクシーチケット乗降地情報」は、三井住友カードが提供するVJAタクシーチケットをご利用いただいた場合のみ連携可能。なお、Concur Expenseを英字設定でご利用いただいている場合は対象外
※高速道路の出入口情報、Phase2対応項目について、Concur Expense Standardをご利用いただいている場合は、当該データの経費精算画面への表示ができません

経費不正を防止するガバナンス強化機能も

榊原 並行して開発を進めているのが、ガバナンス強化機能です。コーポレートカードをご利用されるお客様企業の懸念点で上位に入るのが、私的利用や社内規定から外れた不適切な経費に使われないかということです。

出張経費などは事前申請をするケースが多いですが、実際にどう使われているかつぶさに監視するのは不可能ですから、お客様企業が神経をとがらせるのも無理はありません。決して故意ではなくプライベートのクレジットカードと混同してコーポレートカードを利用してしまうこともありますので、事前申請の金額に合わせて制限を設けたり、アラートを発したり、私的利用が発生したときに従業員へ自動的に請求する機能の開発にも取り組んでいます。

足立 経費精算の領域で企業が頭を悩ませていることの1つが、不正です。コンカーが日本CFO協会と共同で実施した調査によれば、経費精算の不正リスクを感じている財務幹部は73%に達しています。今後追加していくガバナンス強化機能だけでなく、そもそも現金仮払いの必要性がなくなり、振込作業や振込手数料の負担をなくすことができるのも、コーポレートカード導入のメリットではないでしょうか。
※インターネットリサーチ。対象は日本CFO協会会員を主体とした日本企業の財務幹部。サンプルサイズは179。調査期間は2021年2月26日~3月12日。

――業務効率化とガバナンス強化という、現在の日本企業が必要とする2軸をしっかり押さえているのが、「三井住友カード×コンカー」のソリューションの特徴というわけですね。企業からの反響はいかがでしょうか。

榊原 ニュースリリースを配信した直後から、非常に多くのお問い合わせをいただいています。特徴的なのは、「この項目はConcur Expense上でどのように表示されるのか」「こんなことはできないか」といった具体的なご要望が多いことです。先ほども申し上げましたが、全従業員に関係する経費精算業務からDXを推進することが企業変革の近道だと感じている企業が増えていると感じますね。

コンカーとの取り組みをまとめたランディングページや動画を公開しているほか、9月の『SAP CONCUR FUSION EXCHANGE 2021 JAPAN』では、経費精算のない世界をどう実現していくか、それによって日本企業にどのようなベネフィットをもたらすのかをお伝えしていきますので、ぜひご参加ください。
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