日本の「子ども連れ去り」に海外が注目する理由

「共同親権」をめぐる日本と海外の大きな溝

国立競技場近くでハンガーストライキを続けている、フランス人のヴィンセント・フィショ氏(写真:

SOPA Images/Getty Images)

7月10日、フランス人のヴィンセント・フィショ氏がオリンピックスタジアムの近く、千駄ケ谷駅前でハンガーストライキを始めた。オリンピック期間中に自らが直面している問題に世界の注目を集めるためだ。2018年8月10日に妻が2人の子どもを連れて去ってから、フィショ氏は子どもたちに会えていない。

目下、離婚裁判が進んでいるが、フィショ氏と妻はまだ婚姻状態にあるため、法律では2人は今も共同親権者だ。もっとも、離婚までの監護権者は裁判所で妻に指定されている。この件で、妻はフィショ氏による家庭内暴力を主張し、フィショ氏は全面的に否定した。村松多香子判事は、ドメスティック・バイオレンス(DV)があったかについては判断しないまま、監護権者として母親を指定した。

マクロン大統領が菅首相に協議を要請

フィショ氏はハンガーストライキの場所と時間を慎重に選んだ。そして、日本の中で世界の注目を集めている場所のそばで、オリンピックの13日前に行動を起こしたのである。

同氏はこれによって、フランスのエマニュエル・マクロン大統領がこの問題に対して何らかの行動を取ることを望んでいる。フィショ氏は2019年に同大統領と在日フランス大使館で会い、この件について問題提起をした。同大統領は同情し、その日の夕食会で当時の安倍晋三首相にこのことを話している。

「だが、それ以来、何の進展もない」と、フィショ氏。フランス大統領府が明らかにしたところによれば、マクロン大統領はオリンピックで来日の際、この問題を協議することを菅義偉首相に求めている。大統領は、数少ない重要な国家元首の1人がはるばるフランスから訪れるのだから、自分の立場は強いと見ているようだ。

マクロン大統領はまた、菅首相が安倍前首相よりも一個人としてこの種の社会問題に柔軟であると信じている。ただし、フィショ氏のもとを訪れることは逆効果だろうと考えているのか、現段階で大統領はフィショ氏を訪れることは予定していない。

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