リモート時代、「職住遊一体」のニーズを叶える家 新潮流、「リノベ不動産」が覆す住宅購入の常識

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「リノベ不動産」が手がけた、自宅の中にヨガスペースを設けた顧客の事例。オンラインで宅トレする顧客は増加している
新型コロナウイルスの感染拡大により、私たちの働き方や暮らし方は大きく変わった。在宅時間が長くなったことから、家の広さや設備に不満が生じ、住み替えやリノベーションを考える人は少なくないだろう。そんな中、理想の家を手に入れるための「新たな窓口」が注目されているのをご存じだろうか。足元の住宅トレンドと、リモート時代の「新しい住まいづくり」の最前線に迫った。

今求められる「職住遊一体」の住まいとは?

「今、『住みたい家』に変化が表れています」と話すのは、「リノベ不動産」を運営するWAKUWAKU(ワクワク)の代表取締役、鎌田友和氏だ。

「リノベ不動産」は、不動産仲介と建築を一体化したサービスを全国展開する、住宅購入の専門ブランド。近年利用者が増えており、2020年度の「中古仲介+リノベーション」ワンストップサービス市場のシェアはナンバーワン※1となった。

WAKUWAKU 代表取締役  鎌田 友和 

「これまでは『職住近接』が重視されていましたが、テレワークの普及で『職住一体』が求められています。今や書斎づくりはマストで、仕事だけでなく趣味も楽しめる空間を求める傾向が強くなっています」(鎌田氏)

20年6月の内閣府の調査でも、新たに取り組んだこととして「本格的な趣味(芸術、料理など)」が上位に挙がるなど、「住まいづくりのニーズは『職住遊一体』へと変わってきている」と、鎌田氏は分析する。

また、十分なスペースや快適な環境を求める人も増えている。20年12月に行われたリクルートの「『住宅購入・建築検討者』調査」によると「コロナ拡大による住宅に求める条件の変化」において、「部屋数がほしくなった」「広いリビングがほしくなった」「日当たりのよい住宅がほしくなった」などの回答が上位を占めた。

「テレワークが増え、通勤距離にこだわる必要がなくなったのでしょう。『リノベ不動産』でも、首都圏だと都心から電車で1時間ほどの、自然豊かな場所にある広めの物件が人気です」(鎌田氏)

※1 デロイト トーマツ ミック経済研究所株式会社 「ミックITリポートMonthly」 2021年5月号『驀進する「中古仲介+リノベーション」のワンストップサービス市場~2020年度でプレイヤー40社(FC店、パートナー除く)1210億円市場~』調べ

不動産業界に新風を吹き込んだ「リノベ不動産」

このように「理想の住まい」を問い直す層は増えているが、いざ理想を実現するにはハードルが高いと思う人は多いかもしれない。例えば、「なかなか好みの物件に出合えない」「リノベーションをしたいが、進め方がわからない」と悩んでいるうちに諦めてしまうケースもあるだろう。

それは、不動産業界の構造に起因している。不動産会社、設計会社、施工会社、インテリア会社などと縦割り構造に分断化されている都合から、住まいの選択肢が限られている現状がある。鎌田氏は、前職の総合不動産会社での経験から、画一的な住宅設計を余儀なくされる構造に疑問を感じていたという。

「100人いれば100通りの暮らし方があります。人によって着る服も違えば食べるものも違います。それなのに、住宅だけがそれぞれの暮らし方に寄り添っていない。『衣食住のうち、住まいがいちばん高い買い物なのに、いちばん不自由』という現状に違和感を抱いていました」

この課題を解決するために立ち上げたのが、「リノベ不動産」だ。なぜ、不動産仲介と建築が1社で完結するサービスを加盟店制度で展開する仕組みにしたのか。

「不動産会社は物件の仲介手数料で利益を得ていますが、工事も自社で受注できれば収益を拡大できるうえ、顧客一人ひとりのニーズに合った紹介物件や家づくりの提案の幅が広がるからです。つまり、顧客と加盟店が共にウィンウィンの関係を築くことができます」

ゆえに、リノベ不動産の顧客は選択肢が広い。

実際、リノベ不動産の顧客は「理想の暮らし」を思い思いに実現している。

あるヨガ講師は、自宅にヨガスペースをつくったことでレッスンをオンライン配信できるようになった。自身の職業に合わせた「職住一体」の典型例だろう。

趣味嗜好に沿ったカスタマイズも多彩だ。例えば、同じキッチンでも、料理をしながらお酒や会話を楽しめる仕様にした人もいれば、プロジェクターを付けて映画観賞ができる空間にした人もいる。

「キャンプの趣味はないが、その雰囲気を味わいたい」と、アウトドアをイメージした空間にこだわった人もいれば、キャットウォークをたくさん設けるなど「ペットが主役」の家をつくる人も。

一方、購入したリフォーム済みの物件に少し手を入れる予定が、家づくりの楽しさに目覚めてしまい、結局はほぼ壊してつくり直した事例もある。その顧客はラグジュアリーなキッチンを部屋の中心に置く贅沢な設計を自ら提案し、『お酒が好きな仲間を喜ばせる家』を実現したという。

「『幸福感ってこういうことなんですね』『こんなにも自分好みの家ができると思わなかった』など、リノベーションの喜びを報告してくださるお客様は多いです」と鎌田氏は顔をほころばせる。

「理想の暮らし」をかなえるコツ

ところで足元の住宅取引事情はどうなっているのか。実は今、トレンドは中古物件にある。

「例えば首都圏のマンション取引は、2016年から中古の契約件数が増加傾向です※2。以前よりローンが組みやすくなり、昭和57年以降に建てられた新耐震基準の安心安全な住宅ストックが増えていることなどからも、中古人気は続きそうです」

「リノベ不動産」の顧客も中古物件を望むケースが多い。また、9割以上が買い替えを前提としており、「家の購入は一生に一回の買い物」だという意識も薄れてきているという。とくに若年層ほどライフステージに合わせて「賢くお得に家を買いたい」「自分らしい暮らしを楽しみたい」と考える傾向が強いそうだ。

だが、トレンドがどうあれ、理想の暮らしをかなえるコツは、「自分にとって大切な条件を洗い出すこと」と鎌田氏はアドバイスする。予算や物件のスペック、立地、通勤距離、リセールバリューなどによって物件の選び方や家のつくり方が変わるからだ。しかし、予算の想定やリスク認識のポイントがずれていることがあるので要注意だ。

「リノベ不動産なら、そのあたりを担当のコーディネーターが付いて丁寧に整理し、デザイナーをはじめ各部門のプロと連携して、物件選びから設計・施工、ローンの組み方までワンストップでサポートできます」(鎌田氏)

担当コーディネーターが最初から最後まで付いてくれるなら、複数の窓口とのやり取りに手間を取られることがなさそうだ。

また、同社は、建材や家具、照明などが手軽に購入できる通販サイト「HAGS(ハグス)」も運営している。理想の住まいを手に入れた後も、HAGSを通じてDIYを楽しんだり、再び施工を依頼したりすることもできる。

恵比寿にある「東京ショールーム」では、建材サイトHAGSの人気商品がずらりと並び、施工事例も展示されている

リノベ不動産がこのように徹底的に顧客に寄り添えるカギは、DX(デジタルトランスフォーメーション)にもある。

「この業界はほとんどが中小零細企業でIT化が進んでいません。しかし当社は、複雑な現場オペレーションを熟知している強みを生かし、業務を効率化する複数のクラウドサービスを自社開発して加盟店に提供しています。営業ツールやeラーニングなども充実しているため、業務効率化だけでなく提案力も上がり、顧客にじっくり向き合える体制づくりを行っています」

テクノロジーの活用で顧客の選択肢を広げた革新性が支持され、21年5月、同社の年間流通取引総額は470億円を突破。加盟店は200を超える。そんな同社が一貫して目指すのは、「暮らしの民主化」だ。

「日本のどこにいても誰もが『自分らしい暮らし』を実現できる、持続可能なエコシステムをつくっていきたい」と、鎌田氏は自らが「ワクワクする」ビジョンを力強く語った。

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※2 国土交通省 2020年3月「既存住宅流通市場の活性化」より