東京2020大会開催、実施される交通対策とは?

交通混雑緩和に向けて

東京2020大会がいよいよ7月23日から開催される。競技会場周辺で、すでに始まっている交通対策や、大会関係車両を目にする機会も増えたかもしれない。大会期間中および、その前後は交通混雑が予想される。都市活動の安定と経済活動の維持を図るとともに、大会関係者の安全で円滑な輸送を行うため、交通対策を実施する方針だ。東京都の取り組みを紹介するシリーズ最終回の第3回は、大会時の交通対策について、東京都の担当者に話を聞いた。

東京2020大会開催、交通対策の期間は?

東京2020大会日程(2021年)カレンダー(図表)

――いよいよ開催される、東京2020大会ですが、交通対策は、どのタイミングで行われるのでしょうか?

東京2020オリンピック競技大会の開催期間は、2021年7月23日~8月8日までの17日間、東京2020パラリンピック競技大会の開催期間は8月24日~9月5日までの13日間です。大会期間中には、競技会場周辺での交通規制や、首都高速道路の料金施策など、さまざまな交通対策が実施されます。競技会場周辺等では、早いところでは6月上旬からすでに交通規制が実施されていますが、首都高速道路の料金施策など、主な交通対策が実施される期間は7月19日~8月9日までの22日間と、8月24日~9月5日までの13日間となります。

――競技会場周辺で大会関係車両などのラッピング車を目にするようになりました。

東京2020大会期間中は、選手および大会関係者は、専用のバスや乗用車によって、あらかじめ決められた関係者輸送ルートを通ります。桜色の看板や路面表示をご覧になったことはありますか?

――ああ、桜色の看板ですね! 見たことがあります。選手などが通るルートを示していたのですね

はい、そうです。東京 2020 大会では、スムーズな関係者輸送を実現するため、選手村と競技会場などを結ぶ「大会ルート」及び、練習会場へ向かう際に使用する「練習会場ルート」、事故や渋滞等において大会ルートが使用できない場合に使用する「代替ルート」を設定しています。

ORN・PRNに設置される路面表示及び看板

――大会期間中はどのような交通対策が実施されるのですか? 

東京2020大会では交通混雑が予想されるため、状況に応じた効果的な対策を実施します。例えば、高速道路では、首都高速道路の料金施策のほか、本線料金所等における流入調整、車線規制やジャンクションの方向別規制、区間通行止めなどを交通状況に応じて実施します。

一般道路でも、専用レーン・優先レーンの設定や競技会場周辺の交通対策、交通状況に応じた信号調整などを実施します。公道で行われる路上競技実施時にも一時的に交通規制が実施されます。

――会場周辺の交通対策とはどのようなものでしょうか?

競技会場周辺の一般道路においては、会場周辺および会場直近において進入禁止エリア、通行規制エリア、迂回エリアを指定し、段階的な交通対策を実施しています。

下図、会場周辺の交通対策イメージに示している赤色の進入禁止エリアは競技会場をフェンス等で囲み、大会関係者以外の車両や歩行者、自転車の進入を禁止します。黄色の通行規制エリアは、道路交通法による通行規制がかかり、通過交通を制限しています。ただし、自転車や歩行者、この沿道に会社や所用のある車両は原則通行可能となっています。

黒い点線の迂回エリアでは、案内看板などによって、会場付近を通り抜けようとする車両に迂回のお願いを行います。

専用レーンは道路交通法による専用通行帯の規制がかかっている路線で、大会関係車両しか通行することができません。優先レーンは、後方から大会関係者車両が接近してきた場合は通行を譲っていただく路線となります。

会場ごとに、通行規制期間や規制内容を公表していますので、詳細については2020TDM推進プロジェクトのホームページなどで、ご確認をお願いします。

会場周辺の交通対策イメージ

開閉会式の交通規制はどうなる?

――中でも、開閉会式では特別な規制が実施されると思いますが、その期間と内容はどうなるのでしょうか?

東京2020大会の開会式・閉会式[7月23日(金・祝)・8月8日(日・祝)・8月24日(火)・9月5日(日)]の4日間は、選手等の大会関係者が合計数百台のバスを使って、選手村やホテル等とオリンピックスタジアムを往復することになります。このため、選手村などからスタジアムに向かう経路となる首都高速道路や青山通り、外苑西通りなどでは、式典の時間に合わせて交通規制(通行止め)などを行う予定です。

開会式・閉会式におけるオリンピックスタジアム周辺 交通規制

――なるほど。とりわけ開閉会式は、しっかりとした交通対策がなされるのですね。いずれにしても、大会期間中は開閉会式だけではなく、交通規制や交通量の増により、混雑が予想されるのですね。

はい。コロナ禍における都内の道路交通については、物流面では巣ごもり需要とみられる物量の地域変動や、高速道路の大型車両の利用率の低下などはあるものの、道路交通全体では、乗用車などの増加によって、例年並みの交通量まで回復しつつあります。加えて、大会期間中、選手や大会関係者は車両を使って移動することから、平年を上回る混雑が発生することが想定されます。

首都高速の料金変更、情報活用も推奨

――ほかに、首都高速道路の料金も変わると聞きました。

大会時の交通需要が例年並みであること、また、交通の夜間シフトによる車両の分散と昼間の一般道路からの転換を減らすため、東京圏の大会ルートの基幹を成す首都高速道路については、夜間割引を行うとともに、日中時間帯の料金上乗せを実施しています。

料金が変更となる期間は、7月19日~8月9日の22日間、8月24日~9月5日までの13日間の期間です。この期間、深夜0時から4時については、ETC搭載車両は料金が半額となり、午前6時から午後10時の間はマイカーを中心に、通常料金に1000円が上乗せされます。ETC搭載車で料金上乗せの対象外となる車種の区分イメージなども「首都高ドライバーズサイト」で掲載していますので、ご確認ください。「中型車」「大型車」「特大車」や事業用車両などについては、料金上乗せの対象外となります。また、障害者手帳をお持ちの方、社会福祉事業を行っている方は、料金が上乗せにならない手続きがあります。

――大会時にはどれぐらい混雑が予想されるのでしょうか?

2020TDM推進プロジェクトのホームページでは、ほかにも大会時に交通対策を何も実施しない場合、どのように道路や鉄道への影響があるのかを表す「大会輸送影響度マップ」や、2020TDM推進プロジェクト登録者限定となりますが、 出発地と目的地を指定すると、車や鉄道による大会期間中に想定される所要時間や経路を検索できる「大会時の遅延等を想定した所要時間・経路探索システム」をご用意しております。

大会期間中の交通に関する情報をまとめたポータルサイトでは、当日の混雑状況を発信することに加えて、「明日の混雑予報」なども発信しますので、ぜひご確認をお願いします。また、大会時には交通混雑が予想されるため、企業におかれましては、まとめての注文や1回での受け取り、感染症対策としても有効なテレワークの奨励や、オフピーク通勤などにご協力をお願いいたします。

大会期間中の交通に関する情報をまとめたポータルサイトはここから

2020TDM推進プロジェクトサイトはここから

関連ページ
2020物流TDM実行協議会
第1回
コロナ禍で「物流」はどう変わり始めたか?
第2回
東京2020大会前に加速、テレワークの新潮流