20〜30代の副業、狙い目は「クリエイティブ」だ

動画、画像の編集…今「ものづくり」こそ面白い

コロナ禍で新しい生活様式が浸透した今、働き方の選択肢は広がりを見せている。リモートワークはもとより、週休3日制、フレックスタイム制の導入など、柔軟な勤務制度を導入する企業が増加。時間や場所に縛られない働き方が当たり前になる中、副業を始めるビジネスパーソンは少なくない。その中でも、とりわけ20代・30代の若手は、副業ならぬ「複業」を考えたほうがいいかもしれない。その理由について“複業研究家”の西村創一朗氏が解説する。

不透明な時代は「複業」で自立する

「会社に人生を委ねていれば安泰、という時代は終わりました」と指摘するのは、「二兎を追って二兎を得られる世の中をつくる」を掲げて活動するパラレルアントレプレナーであり、複業研究家の西村創一朗氏。

今、名のある上場企業が希望退職を募集するなど、人員削減の動きが広がっている。先行き不透明な時代の中で、とくに「自分には特別なキャリアやスキルがない」と感じている20代・30代は、焦りや不安と無縁ではいられないだろう。

「“一生一社”で食べていくのは難しいと頭ではわかっていても、これまで具体的な行動に踏み出せない人が大半でした。しかしコロナ禍をきっかけに、いよいよ危機感を募らせ副業や『複業』に興味を持つ若手ビジネスパーソンが増えています」(西村氏、以下同)

極論だが、もし明日会社がなくなったとき「あなたに仕事をお願いしたい」と声をかけてもらえるかどうかが、ビジネスパーソンとしての本当の実力ともいえる。そう考えると本業以外の仕事やスキルへの意識が高まることはうなずける。西村氏は、そうした不安な時代だからこそ20代・30代にとっては「副業」以上に「複業」が大きな価値を持つと言う。

HARES CEO
西村 創一朗(にしむら・そういちろう)
複業研究家、人事コンサルタント。1988年神奈川県生まれ。大学卒業後、2011年に新卒でリクルートキャリア(当時)に入社後、法人営業や新規事業開発、人事採用を歴任。本業のかたわら15年にHARESを創業。仕事、子育て、社外活動などパラレルキャリアの実践者として活動を続け、17年1月に独立した。独立後は複業研究家として個人・企業向けにコンサルティングを行う。17年9月〜18年3月「我が国産業における人材力強化に向けた研究会」(経済産業省)委員。 プライベートでは3児の父、NPO法人ファザーリング・ジャパンにて最年少理事を務める

「そもそも『副業』はあくまでも本業の収入を補う副収入を得ることが目的で、『複業』は本業に相乗効果をもたらす仕事。本業と並行して、スキルや経験、実績、信頼を積み上げ、他者貢献や社会貢献を通して自己実現を果たすことが目的です。だから20代・30代こそ、その後のキャリアを見据えて、着実に積み上げられる『複業』で自立することの価値は大きいと思います」

そうは言っても複業することで本業が疎かになって結局どっちつかずという結果になるのではないか、または周りからそのように見えるのではないか、と考える人もいるだろう。だが、西村氏は「真の自立とは何にも依存しないことではなく、複数の依存先を持つことでかなえられるもの」とも話した。今の自分にはこの仕事、この会社しかないと思うとしがみついてしまうが、そうした余計な不安が仕事の成功を妨げる。ほかにも力を注ぐことのできる場所があればこそ本業も複業もはかどる、という考え方だ。

「複業」は自己実現を目指した行動が結果的に報酬として跳ね返ってくるので「収入」が得られるかどうか、を先行して考える必要はない(引用元:HARES)

「実際に複業している人は、本業だけに縛られず、仕事で依存先を増やすことにつながっています。自分の市場価値を高めることができているので、“会社員の自分”を謳歌されている印象です。人は能動的に選んだものに対して、それが正解だというマインドが働くので、後悔しないキャリアを形成しやすくなるんです」

本業にも相乗効果アリな「クリエイティブ」の複業

複業によって自分の市場価値を高めるためには、どうすればいいか。それを考えるヒントとして、西村氏は「自分がやりたいこと」「本業に生かせること」「マーケットがあること」の3つを挙げる。

「まず、何をやりたいのかを言語化することから始めるといいです。好きなことを本業にできている人は少ないと思うので、複業でやりたいことを実現できないか考えてみるといい。もう1つの観点は、複業で得られるスキルやノウハウを本業に生かせるかどうか。本業と複業に相乗効果が生まれると、個人のキャリアと組織の双方にいい影響をもたらすことができます。

そして大事なのは、マーケットが存在しているかどうかです。いくらやりたい仕事だからといっても、そもそもニーズがなかったり、市場の縮小が予想される仕事だったりすると、キャリアの持続可能性に不安が残ります」

好きこそ物の上手なれとは言うものの、求められなければ仕事にならない。何をやりたいかは人それぞれだが、「本業に生かせること」「マーケットがあること」で複業を絞り込むとすれば、クリエイティブ職はどんな職種でもニーズがあるため、よい選択肢の1つだと西村氏は言う。

「クリエイティブスキルは営業や人事、マーケティングなどあらゆる職種で生かせます。例えば、案内状や広告バナーなどを作成するとき、自分のスキルでクオリティーが高いものを作ることができれば、社内で評価されます。

一般的な文書作成ソフトに対してIllustratorを活用すると、自由に文字や図形を配置してデザイン性の高いチラシやポスターが制作できる(上:一般的な文書作成ソフトで制作、下:Illustratorで制作)
出典:アドビ「Illustratorでこだわりのイベントチラシを作ろう」

クリエイティブに限った話ではなく、私はリクルートで働いていた頃、ブログを立ち上げたことがきっかけとなって、新規事業の立ち上げ部署へ異動した経験があります。何か本業とつながる部分があれば、本業においてもそのスキルに期待してくれるはず。

とくに、デジタル系クリエイティブの仕事は需要がかなり増えているのでマーケットは確実にあります。クリエイティブスキルを発揮できる場面がたくさんあるんです。Webサイトの画像編集やランディングページの作成など、デザインの需要はしばらく高まり続けると予想しています」

いいクリエイティブは、人の共感を呼ぶ。共感性を理解したアウトプットは、感情を伴う人間にしかできない特別なスキル。言い換えれば、発想力や企画力、人々の感情を動かすハートかもしれない。

スキルを身に付けて「GIVEの思考」を手に入れる

先述のとおりクリエイティブな仕事に就くためには発想力や企画力などが必要だ。しかし、その資質と同時にツールを使いこなすことも求められる。技術習得という先行投資が必要となると、気持ちが少しトーンダウンしてしまうかもしれないが、西村氏は次のように言う。

「ビジネスの原理・原則は『先義後利』。先に道義(価値)を提供すれば、利益は後からついてくるという考え方です。複業でも引っ張りだこになる人は、自分が何を提供できるかをつねに考えて、学んで、磨いている人。複業を目指すのであれば、お金を稼ぐことを優先的に考えるのではなく、まずは自分が提供できることを考える『GIVEの思考』を大切にしてもらいたいと思います」

複業とはいえビジネスである以上、一定のスキルは必要だ。クリエイティブを仕事にするなら、アドビのPhotoshopIllustratorなどを使いこなすことから始めればいい。

「クリエイティブの仕事をしている人で、PhotoshopやIllustratorを使っていない人を見たことがありません。普遍的なツールですから、クリエイティブを複業にしたいのであれば、早めに使えるようにしておいたほうがいいと思います」

とくにデザインや動画編集に必要なクリエイティブアプリがそろった『Adobe Creative Cloud』は、PCやiPad などデバイスを問わずファイルにアクセスできるので、リモートワークにうってつけだ。無料でオンライン視聴できるチュートリアルも豊富で独学も可能。

「さまざまな複業を実践している人を見てきましたが、クリエイティブの分野で活躍している人は多いですね。本業で営業やマーケティングをしていた人が、『昔から絵やイラストを描くことが好きだった』ということで、PhotoshopやIllustratorを習得してから、デザインの複業をスタートし、今では本業にデザインをシフトするケースもあります」

今、仕事や働き方に不安や不満を感じているならそれに向き合い、小さくてもいいから行動に移すことが大事だと西村氏。そのファーストステップにAdobe Creative Cloudの習得を提案したい。

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