「14型ノートPC」が今後のトレンドとなる理由 「軽量・薄型」だけでは通用しない仕事がある

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今回、東洋経済が実施した「リモートワークに関する調査」(※)によれば、80.7%のビジネスパーソンが「現在もリモートワークを行っている」と回答。コロナ禍の収束後もリモートワーク継続の意向を示している企業が多数あることを踏まえれば、オフィスワークとのハイブリッドな働き方が常態化していく可能性が高い。そうなると欠かせないのが「持ち歩き」に適した高性能ノートPCだが、どのようなスペックに着目して選べばいいのだろうか。ニューノーマル時代の働き方を支える必須条件を探った。
※ アンケートの対象は全国の20~60代の仕事をしている男女300人。全員が、リモートワークをしたことがあり、会社から個人用の持ち出し可のPCを貸与されている

「常時携帯」が法人PCの条件になってきた

日本電気株式会社
プラットフォームソリューション事業部
マネージャー
佐々木紀安 

ビジネスパーソンにとって、PCは仕事に欠かせないツールだ。以前はオフィスの自席に固定設置されるのがスタンダードだったが、最近はフリーアドレスの導入や就業スタイルの多様化などによって、「持ち歩くツール」へと変わってきた。NECで法人向けPCの商品企画に携わるプラットフォームソリューション事業部の佐々木紀安氏は、その変化について次のように話す。

「数年前までは、営業職などPCを外で持ち歩くモバイラーと、社内でデスクに向かうオフィスワーカーが二極化している状況がありました。しかし最近は、デジタル化が進んできたことで、外に持ち出さなくても社内でPCを持ち歩くシーンが増えてきていると感じます。例えば会議でも、以前はペンとノートを持って参加していたのが、今では1人1台PCを持ち込むようになりました。以前はそれぞれの席から動かさないことの多かったさまざまな企業やお客様でも、“働き方改革”によって同様の傾向が見られます」

その傾向に拍車をかけたのが、コロナ禍で一気に普及したリモートワークだ。オフィス内やオフィスを起点とする外回りがPCを持ち歩く範囲だったのが、自宅まで広がったのである。前出の「リモートワークに関する調査」でも、「普段どんな場所でノートPCを使うか」との問いに対し、最も多かったのが「自宅」(78.3%)、次いで「社内の自分のデスク」(70.3%)、「社内フリーアドレス」(23.0%)だった。つまり、PCは常時携帯するツールになってきたのだ。

そうなると、出先や会議などでちょっと使うのではなく、どんな場所でも本格的な作業ができる性能が求められる。従来ならば、オフィスの自席ではデスクトップPCや大型ノートPCを使うケースも多かったが、前者は持ち歩くことが不可能であり、後者はカバンに入れるには大きすぎる。かといってオフィス用と自宅用の2台を支給するのは、コスト面からも現実的ではないだろう。

「画面の小ささ」がもたらすデメリット

では、現在の状況下でビジネスパーソンが求めるのはどんな1台なのか。「リモートワークに関する調査」で「新しいノートPCが支給されるとしたらどんなタイプがほしいと思いますか」の設問に対し、6割近く(57%)のビジネスパーソンが回答したのは「持ち運びしやすいコンパクトさと、作業しやすい大きさのバランスが取れたサイズのノートPC」だった。

ちなみに「小さくて持ち運びしやすいサイズのノートPC」は35.0%、「持ち運びにくいが、作業効率重視でサイズの大きいノートPC」は8.0%で、従来のトレンドだった「小型・軽量」よりも、「バランス」を重視するようになってきたことがわかる。なぜ変わってきたのだろうか。

その重要なポイントとなりそうなのが、「仕事をしていてノートPCの画面の大きさが気になるのはどんなときですか?」の設問に対する回答だ。

最も多かったのが「サイズが小さくて画面上の作業エリアが狭い」で40.3%、次いで「サイズが小さくて画面上の文字やデータの視認性がわるい」が37.7%、「サイズが大きくて重いなど持ち運びに不便」が28.0%、「サイズが小さくてキーボードが打ちにくい」が20.3%。明らかにノートPCのサイズによって生産性が下がっていることがわかる。

「実際、画面サイズが1インチ大きくなるだけで、かなり使い勝手は変わります」

そう話すのは、前出の佐々木氏だ。1つひとつの文字の大きさもさることながら、メールやExcel、PowerPoint、PDFなど複数のアプリケーションを同時に開いているときに、違いが如実に出るという。

「従来、ノートPCの主流は13.3インチ(型)以下のモバイルタイプもしくは15.6インチ(型)以上の据置タイプでしたが、モバイルタイプの場合、資料を俯瞰的に見るのが少し難しいのです。拡大をしながら見ていくのは面倒な部分もありますが、外出時などの一次的な利用であれば、それほど不便を感じることはありませんでした」

現在のように在宅勤務をはじめとするリモートワークが一般的ではなかったときには、持ち運び利用がメインの「モバイルタイプ」と、社内デスク上での利用がメインの「据置タイプ」があれば十分だと感じていた。

若手社員が「働きやすい」と感じるスペック

そんな中で14型ノートPCにNECが着目したのは、コロナ禍がきっかけではない。2018年6月に成立した働き方改革関連法を受け、オフィス内でフリーアドレスが導入されたり、会議の効率化やチーム内コラボレーションに好影響を与えるハドルミーティングが推進されたりする中で、「コンパクトさ」「持ち運びのしやすさ」「作業のしやすさ」をすべて満たす、ノートPCが求められるようになったからだと佐々木氏は明かす。そうして生まれたのが14型ノートPC「VersaPro タイプVM」だ。

「当初は私自身も、モバイルノートPCは『薄軽』を追求するべきではないのか?と思い込んでいたところがありましたので、正直なところ迷いもありました。そんな認識を変えてくれたのが、若い世代の感覚だったんです。彼らにとって、14型は非常に受け入れやすいモデルだとわかったことが、『VersaPro タイプVM』の商品化を後押ししました」

日本電気株式会社
プラットフォームソリューション事業部
川波勇斗

すでに働き方改革が進み出している中で社会人となった若い世代にとって、「モバイラー」という固定概念はなく、場所を問わずつねにノートPCを持ち歩くのがスタンダードとなっている。実際、若い世代は外出時の「モバイルタイプ」や社内デスク上での「据置タイプ」の利用以外に、自席からPCを持って会議室やミーティングコーナーへの移動やサテライトスペースでの業務など「社内モバイルタイプ」という今の時代に即した使い方を日常的に行っている。“持ち運びやすさ”だけでなく”視認性”も両立したハイブリッドなバランスのよいPCが求められていることに着目した。

「VersaPro タイプVM」の商品企画に、新卒入社1年目で携わった川波勇斗氏は、バランスのよさを追求したと振り返る。

「画面が大きい15.6型も持ち運ぶことは可能ですが、カバンに入りにくいサイズなんです。その点を意識し、14型の『VersaPro タイプVM』はA4ファイルと同等のサイズにすることでカバンに入れやすいようにしました。一方で操作性も大切ですので、キーボードは15.6型と同等のワイドサイズのものを、CPUはインテル第11世代のTiger Lakeを搭載しています」

日本電気株式会社
プラットフォームソリューション事業部
柳生瑞希

2020年4月に新卒入社して佐々木・川波両氏と同じチームに配属された柳生瑞希氏は、学生時代からノートPCを日常的に使ってきたからこそ、14型ノートPCの優位性がわかるという。

「学生のときも毎日ノートPCを持ち歩いていましたが、WordやExcel、PowerPointといったOfficeソフトを使うくらいでした。しかし社会人になると、Officeソフト以外にMicrosoft TeamsのようなコラボレーションツールやWebブラウザも常時開くようになります。基本スペックがある程度高くないと厳しいですし、画面も小さいと使いづらいですね。かといって大きすぎると、とくに1人暮らしの場合はそれほど広いスペースがあるわけでもないと思いますので、邪魔になりかねません。仕事もきっちりストレスなくできて、プライベートも阻害しないという意味で、やはり14型ノートPCはちょうどいいと思いますね」

ヤマハとの共同開発機能が、音のストレスを軽減させる

14型は、持ち運びしやすいコンパクトさと、作業しやすい大きさのバランスが取れたサイズ

さまざまな点でバランスに優れたノートPC「VersaPro タイプVM」。実は、リモートワーク時代を先取りした注目の機能がもう1つある。音響機器大手のヤマハと共同開発した「ミーティング機能」がそれだ。人の声を強調したり、バラバラの音量を一定にしたりするなど、遠隔会議に適したさまざまな音響効果により、音へのストレスを感じることなく仕事を進めることができる。オンライン会議が増えていく今後を考えれば、必須の機能だといえるだろう。

しかも、ミーティング機能のマルチユーザーモードを利用すると、PC正面だけでなく360度音が広がるので、外付けスピーカーを付けることなく複数人で会議参加ができるのも見逃せない。遠隔地との会議をシームレスに実施するなど、リモートワークとオフィスワークを有機的に融合させるのにも役立つというわけだ。

「以前、社内で遠隔地と会議をするときは外付けのスピーカーをつないでいました。わざわざ用意するのも面倒ですし、うっかり忘れて時間をロスしてしまったこともあったので、ノートPCにそうした機能を搭載したいと思ったのです」(川波氏)

14型ながら、15.6型ノートPCと同等のワイドサイズキーボードを搭載している

画面サイズ、キーボードの幅、CPU、そして音声――。働き方改革を支援する目的で開発されただけあり、コロナ禍での緊急避難的なリモートワークにとどまらず、多様な働き方をしっかりと支えるツールとなっている「VersaPro タイプVM」。法人向けPCを長年手がけてきたNECのノウハウが惜しみなく注ぎ込まれた1台には、14型という絶妙なサイズの優位性も含め、ニューノーマル時代のビジネスPCに求められる要素が詰まっているといえそうだ。
⇒「VersaPro タイプVM」について詳しくはこちら