テレワーク「継続できない企業」と成功企業の差

じわり広がる「二極化」、大差がついている現状

コロナ禍が引き起こした最大の変化の1つは、働き方、とくにテレワークの普及だろう。当初は「今をしのぐ」ためのやむをえない選択だったとしても、業務効率向上に有効だと判断してテレワーク定着に舵を切った企業は多い。一方で、いったんテレワークを導入したものの「効率が悪い」と判断してやめてしまった企業も一定数存在する。なぜ両極端な評価が生まれるのか。探ったところ、「コミュニケーションの質」に差が生じている現実が浮かび上がってきた。

「テレワークを続けられない」理由は?

半数以上の企業が、コロナ禍以降にテレワークを実施した。出典:※1

東京商工リサーチが2021年3月に実施した調査(※1)によれば、コロナ禍以降にテレワークを実施した企業は56.18%にも上る。テレワークに適さない業種も一定数あることを踏まえれば、まさに働き方のパラダイムシフトが起きたといえる。一方、「新型コロナ以降に実施したが、現在は取りやめた」企業は17.69%。この項目は、比較的感染者数が落ち着いていた20年11月に実施された同調査では25.46%だった。コロナの感染状況によって、テレワーク実施率が変動していることが読み取れる。

そして、この数字は今後、さらに上がることが想定される。なぜならば、テレワークを制度化した、もしくは制度化を予定している企業は37.56%と4割に満たないからだ。つまり現在、テレワークを「やむをえず消極的に取り入れている」企業と、「積極的に活用している」企業の二極化が進んでいる。

テレワークに、なぜ両極端な認識が共存しているのか。その解を示しているのが、ソフトバンクが20年10月に実施した調査(※2)だ。テレワーク経験があるのに継続できていない理由で最も多かったのは、「業務効率がわるくなる」の26%だった。

出典:※2

この結果について、2020年に約4万社以上のテレワーク環境構築をサポートした大塚商会の、井川雄二氏は、こう解説する。

「2020年の春から夏には、とにかく急ピッチでテレワーク環境を整えた企業が多数ありました。しかし、単にデジタルツールやデバイスを導入する“モノの変化”だけで終わってしまうと、業務効率を維持させることはできても、向上させるまでには至りません。慣れ親しんだ従来の働き方のほうが感覚的に好まれるのも、無理はありません」

大塚商会 マーケティング本部 統合戦略企画部 井川 雄二

しかし、ソフトバンクの同調査を見ると、感覚では片付けられない状況だとわかる。テレワークを継続できていない理由の上位は「紙の書類や押印が必要な業務がある」(19%)、「社内のコミュニケーションが上手くとれなくなる」(15%)、「社外から社内システムへアクセスが許されていない」(14%)、「会社にかかってきた固定電話をとる必要がある」(13%)など――。いずれも、ツールの導入や業務プロセスの見直しで解決できることばかりだ。

「今後、労働力人口が減っていくことを考えると、生産性も、社員の満足度も高い働き方に変えていかなくてはなりません。その意味で、ITツールなど“モノ”の導入だけではなく、新しい仕事の進め方や社員の幸せまで考慮してテレワークを理解し直す、“コト”の視点が必要です」(井川氏)

リモートだからこそ、コミュニケーションの質が上がる

井川氏がそう確信を持って話すのは、大塚商会自身がテレワークに移行して、変革を体現しているからだ。大塚商会は1961年の創業以来、日本企業の業務効率化を支援してきた。近年も急速に進むIT化に対応するため、自社でさまざまなソリューションを試行し、メリット・デメリットを体得してから顧客に提案してきた。結果、98年に比べて社員1人当たりの売上高は2.1倍、同営業利益は21倍まで伸びている。

井川氏は、テレワークの課題として筆頭に挙げられる「社内コミュニケーション」について、自身の経験を次のように明かす。

「私自身、以前からコミュニケーションは対面で取ることが大切だと思っていました。そのため、テレワークというものには少し懐疑的な見方がありました。しかし、いざ実施してみると、大切なのは『リアルか、リモートか』ではなく、コミュニケーションの本質を捉えているかどうかなのだと感じるようになりました。どうすれば質が上がるのか、自社に合った工夫の仕方を模索した1年でした」

言葉にしなくても、相手と顔を合わせて話せばなんとかなる――。誰しも経験のあることだろう。しかしそれに頼りすぎると、業務の属人化や情報伝達の遅滞を招きかねない。リモート環境だからこそ、その場の空気感やニュアンスに依存せず、明確にわかりやすく伝える努力をする。コミュニケーションの質が上がり、必然的に業務効率化や生産性向上にもつながるというわけだ。

「コミュニケーションを最適化できれば、『いつでもどこでも仕事ができる』というテレワークの強みをより強く発揮できます。当社では移動時間や出張も減り、より本質的な業務にリソースを集中できています」(井川氏)

大事にしているのは“モノ”ではなく“コト”の提案

コミュニケーションを最適化することによって、テレワークの「いつでもどこでも仕事ができる」強みを最大限生かす――。この効果はコロナ禍に限ったものではなく、むしろ今後、より強く発揮されると考えられる。人口減少が進む中、企業が優秀な人材を確保するには働きやすい環境が不可欠であり、柔軟な働き方の実現が求められるからだ。

それに欠かせないのは、従業員や顧客、取引先などステークホルダーの多様性や、それぞれの幸せの形に寄り添う姿勢だ。ここに、前述の井川氏のコメントにあった“コト”の視点が生きてくる。

「当社は、パソコンやWi-Fi、リモートアクセスの仕組みといった“モノ”のご紹介はもちろん、それによって職場がどうよくなるのか、どのくらい効率が上がってステークホルダーが喜ぶのかといった“コト”まで含めたご提案をしています。特定のメーカーの製品・サービスに偏らず、幅広い選択肢を用意している点が、当社の強みです」(井川氏)

テレワークの導入に当たり、企業の情報システム部門やIT担当者の頭を悩ませるのは、複数のメーカーやベンダーと交渉して最適なソリューションを探す手間だ。大塚商会に依頼することでそうした手間が省けるのはもちろん、リモートアクセスやビデオ会議、インターネット回線、セキュリティーといった各要素まで考慮し比較検討する必要がなくなる。

「まだテレワークを導入していないが、大丈夫だろうか」。そう悩む企業にこそ、大塚商会のソリューションは生きる。業務効率向上はもちろん、職場環境を改善して飛躍のきっかけをつかむヒントは、テレワークにありそうだ。

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※1 東京商工リサーチ「第14回『新型コロナウイルスに関するアンケート』調査」(2021年3月18日)
※2 ソフトバンク ◆調査名:勤務先のテレワーク実施状況 ◆実施時期;2020年10月17~18日 ◆調査会社:クロスマーケティング株式会社 ◆対象:従業員1~300名未満企業所属 2,272名、従業員300名以上の企業所属 1,270名(有効回答者数3,542名)

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