2015年4月、新学部
地球社会共生学部を開設(届出中)
青山学院大学
青山学院は2014年、創立140周年を迎える。キリスト教信仰に基づく教育で、伝統と実績を積み重ねてきた。「地の塩、世の光」のスクール・モットーで知られ、「地球規模の視野を持ち、世界に貢献する人材を育てようとする姿勢は創立当初から受け継がれています」と仙波憲一学長は語る。
15年からは、その同学ならではのグローバル教育がさらに際だつことになりそうだ。新学部「地球社会共生学部」が開設されるのである(届出書提出中)。就学キャンパスは相模原キャンパスで、定員は190名となる予定だ。青山学院には、文学部英米文学科や国際政治経済学部があり、これまで優れた人材を数多く輩出してきた。さらに「地球社会共生学部」を開設する狙いはどこにあるのか。「最大の要因は、気候や環境、貧困、差別、格差、紛争など、人類が抱える課題が国境を越えて多様化し、複雑化していることです。かつては、これらを国家を基盤とする国際社会で解決しようとしてきましたが、限界も露呈しています。このような課題の解決のためには、これに積極的に取り組む『人』を育てることが不可欠だと考えました」。同学部のキャッチフレーズは「世界中の人と痛みを共有し、共に学び、共に世界を切り拓く」である。だが仙波学長は「志だけでは課題は解決できません。大切なのはそれに必要な専門知識を兼ね備えることです」と加える。
四つの専門領域を
自由に組み合わせて学ぶ
同学部ではそのために、独自のカリキュラムが用意されている。具体的には、社会学を基本に世界を分析し理解する「ソシオロジー領域」、世界を知る・知らせるためにジャーナリズムや空間情報を学ぶ「メディア/空間情報領域」、国際経済や金融・貿易などを学び世界と協働し同じ価値を共創する「ビジネス領域」、国際協力論など世界と協力し連携する「コラボレーション領域」の四つの専門領域(クラスター)から学生の目標に応じて自由にモジュールを組み合わせることができる。いわばオーダーメイド型の学びが可能になる。
定評ある英語教育は、ネイティブ講師による能力別の少人数制の授業が毎日行われ、コミュニケーション中心の「使える」英語力習得を目指す。特筆すべきは留学制度だ。同学部では、学生全員がタイやマレーシアなど東南アジアを中心とした海外の大学への半期留学が必須となっている。学生一人ひとりが自分のテーマを持ち、フィールドワーク型で研究や学習を行うというから、貴重な体験になるに違いない。
「これから入学する学生が卒業し、企業や団体の中堅社員になるころには、アジア地域がさらに世界で重要な存在になっていることは間違いありません。そのときに世界を舞台に活躍できる人材を育成したいと考えています」と仙波学長が話すように、同学部から輩出される人材に、早くも期待が高まる。