デジタル化で営業現場はかえって人手不足に? CRMやSFAへのデータ入力作業を自動化
業務効率を上げるためにデジタルツールを導入したのに、楽になった実感がまったくない。むしろ、どんどん忙しくなっている……。
そう感じたことはないだろうか。
本来は人の負担を軽くするためのデジタル化のはずなのに、むしろ状況が悪化してしまう。なぜ、そんな事態が起こるのだろうか。それは、「残念なデジタル化」を進めてしまったからだ。
その代表例が、営業の現場にデジタルツールを導入したものの、入力作業に時間を取られてしまうというもの。なぜだろうか。
よく見られるのは、CRM(顧客情報管理)やSFA(営業支援)の導入をきっかけに、営業現場でのデータ入力の作業量が増え、結果として人手不足が解消できていない点だ。
例えば、CRMやSFAとそのほかのITシステムや表計算ソフト管理のデータがバラバラで、同一のデータを別々に入力しなければならなかったり、紙の請求書や注文書のデータをシステムに手入力する必要があったり、入力作業に加えて入力ミスをチェックする作業に時間を取られたりというケースである。
このように、膨大かつ煩雑な入力作業に忙殺されれば、本来の業務である現状分析や営業戦略の策定に注力できなくなってしまう。結果、人手不足や非効率を招く残念なデジタル化となるのだ。
言い換えれば、入力作業を削減できたら、業務効率は大幅にアップするということだ。
入力作業を削減し、現場の効率化を支える。それによってCRMやSFAの定着化と売り上げの拡大を達成する。そんな「使えるデジタル化」を実現するのがRPAだ。
RPAとはロボティック・プロセス・オートメーション(Robotic Process Automation)の略で、コンピューター画面上で実行されるキーボード入力やクリックといった作業を人間に代わって自動化する技術のこと。事務作業や反復作業をソフトウェアロボットに代わってもらえば、人間はより付加価値の高い業務に注力できるはず。
では、実際にRPAは日々のどんな事務作業をどうやって人間の代わりに行ってくれるのか。それによって、職場はどう変わるのか。今や、どんな業種でもデジタル化は避けては通れない必須課題であり、生産性を上げるデジタル化はDXの成功に必要不可欠だ。現場の負担を減らし、より価値のある仕事を生み出すRPAについて、詳しく見てみよう。